東山・法然院
★春寒し木を打ち人を呼び出せり 正子
暦の上では春になったとはいえ、まだ肌に感じる空気は冷たい初春に、木を打つ音が山に響いています。今まで家のなか中心に静かに暮らしていた人々が、その音を聞き外に出てみようかという気持ちになっている情景でしょうか?これから、日に日に暖かくなり人々の暮らしにも活気が出てくることでしょう。(井上治代)
○今日の俳句
早も咲ける菜の花の丈低かりし/井上治代
春も暦ばかりと思えるのに、早も菜の花が咲いて黄色い光を返している。先駆けの菜の花らしく「丈低かりし」であって、実在感がある花となっている。(高橋正子)
●晴れ。鉢へ水やり。素焼きの鉢の花がしおれている。窓を見れば日差しが明るいのでほこりが目立つ。
○芽柳

[芽柳/横浜・四季の森公園(2012年1月26日)]_[芽柳/横浜・四季の森公園(2012年3月22日)]
font size=”3″>★おしばなの紅梅円形にて匂う 正子
愛らしい紅梅を一輪、おしばなにしてみた。薄く広がって円形になった後でも、咲いていた時のように透き通って、香りが感じられるようだ。心嬉しい一句です。(河野啓一)
○今日の俳句
水音して箕面連山春浅し/河野啓一
「水音して・・春浅し」の感覚がいい。箕面連山を行くと、ころころと水音が絶えずしている。自然に身を入れると、確かに春が来ている。(高橋正子)
●晴れ。神奈川に低温注意報。瀬戸内にも雪が降る予報。数年に一度の強い寒波来襲。
http://kakan.info/
に接続できない問題が昨日判明。1月31日から2月10日までメイてナンスのため。昨日花冠会員にその旨ネット短信341号で連絡。ネットが接続できない問題は、原因が多々あって、時間を取られてしまう。
仮想通貨と将棋の藤井五段は、なにか面白い。
郵便小包の配達時間が、我が家にでは朝9時前後。今日もそうだ。このところずっとそうだから。どうもそうらしい。
○福寿草「秩父紅」
[福寿草「秩父紅」/横浜日吉本町] [福寿草「秩父紅」/埼玉県皆野町「ムクゲ自然公園」(ネットより)]
font size=”3″>★水掛けて春水かがやく仏なる 正子
温かい春の日、観音様をお訪ねになられ、柄杓で水を掛けお参りなされたのでしょうか。観音様は水に濡れる度に益々春の光りに輝きを増されて来ます。私達のこころまで洗われる様な光り輝くお姿を想像致します。(佃 康水)
○今日の俳句
野に覚めし淡きみどりや蕗のとう/佃 康水
「野に覚めし」によって、淡い蕗のとうのみどりが目に強く焼きつく。初めて見つけた蕗の董であろう。驚きと嬉しさを隠せない。(高橋正子)
○蕗の薹
[蕗の薹/横浜日吉本町]
★莟とはなれもしらずよ蕗のたう 蕪村
★ほろ苦き恋の味なり蕗の薹/杉田久女
★蕗の薹おもひおもひの夕汽笛/中村汀女
★猪を炙り蕗の薹まぶしかな/長谷川櫂
蕗は菊科の多年草で山野に自生する。早春、新葉が出る前に根茎から卵の形をした緑色の花茎を出す。花茎は数枚の大きな鱗のような葉で包まれ、特有の香気とほろ苦い風味が喜ばれる。花がほうけたものを蕗の姑(ふきのしゅうとめ)という。 学名:Petasites japonicus、Petasites(ペタシテス)は、ギリシャ語の「petasos(つば広の帽子)」が語源で、葉が広く大きいところから。
蕗の薹(ふきのとうは、蕗の花芽のことで、天ぷらにするとおいしい。花が咲く前の柔らかいうちがベスト(地面から出てきた直後ぐらいの状態のもの)。春の代表的な山菜。花が咲いてから、地下茎を通じてつながっている葉が大きく伸びて広がってくる。(花と葉が別々につく)。この”葉柄”(葉の茎の部分)がいわゆる「フキ」として食用になる。市販されているものはほとんどが「秋田フキ」と呼ばれる、葉柄2mほどの大型のもの。葉自体は円形。
◇生活する花たち「福寿草・節分草・榛の花」(東京白金台・自然教育園)

font size=”3″>★立春のピアノの弦のすべてが鳴る/高橋正子
春を迎える日の窓に聞こえてくるピアノ曲の軽やかな旋律を想像いたします。音階を緩急自在に走りゆき、和音をのびやかに膨らませて、すべての弦がふるえ響き、春到来を喜んでいるようです。(小西 宏)
○今日の俳句
枝ゆらし光ゆらして春の鳥/小西 宏
枝に止まった鳥が、枝移りをするのか枝が揺れる。それを見ていると、光も揺らしているのだ。枝を張る陽光に満ちた木、枝移りする鳥が、なんと早春らしいことよ。(高橋正子)
○立春
★立春の米こぼれをり葛西橋/石田波郷
★立春の海よりの風海見えず/桂 信子
★立春の夜道どこからか水の匂い/高橋信之(昭和四十八年作)
「立春」と聞くと、それだけで気持ちがほぐれる。厳しい冬の寒さと別れ、いよいよ春になる。夜道を歩けば、どこからか水の匂いがする。小川の流れか、水はいち早く温み始めたのだろう。夜道の暗さに水の匂いが春のはなやぎのように感じられる。(高橋正子)
陰暦では、1年360日を二十四気七十二候に分けたが、立春はその二十四気の一つで、陽暦では2月4日か5日、節分の翌日に当たる。節分は冬の季語となっている。節分を境に翌日は春となる。あくまでも暦の上だが、この切り替えがまた、人の心の切り替えにも役立って、立春と聞くと見るもの聞くものが艶めいて感じられる。冬木もいよいよ芽を動かすのだろうと思う。寒禽と呼ばれていた鳥も鳴き声がかわいらしく聞こえる。
★立春の朝は襖の白に明け/高橋正子
★立春の朝のデージー鉢いっぱい/高橋句美子
◇生活する花たち「草苺の花・著莪(しゃが)・姫林檎の花」(横浜日吉本町)

★節分寺裏山までも清められ 正子
季節の節目、特に冬を送って春を迎える節分は気分が新たになります。節分にあたり、寺域を清められたお寺の清々しいたたずまいが目に浮かびます。 (多田有花)
○今日の俳句
朝霜に木を切る音の響きおり/多田有花
朝の霜がまだあるうちから、木を切る仕事が始まっている。霜に響く木を切る音が力強い。(高橋正子)
●節分豆を用意した。これまでずっと豆まきはしてきた。今年は撒く気がしない。で、撒かなかった。
○柊挿す(ひいらぎさす)・柊鰯

[柊/横浜日吉本町] [柊鰯/ネットより]
★枯木立星のあおさに揺れもせず 正子
冬になって、葉がことごとく落ちつくした落葉樹の群落の枯木立は真冬の厳しい夜の寒さにも負けず凛として立ちつくしている。雄々しい素敵な景ですね。(小口泰與)
○今日の俳句
群れ起つや羽音厳しき寒雀/小口泰與
小さい雀だが、一斉に群れて飛び立つときは、体に似合わないほどの音を立てる。「羽音厳しき」は、厳しい寒さのときだけに、強い実感となって一句となった。(高橋正子)
○老鴉柿(ロウヤガキ)

[老鴉柿/東京・小石川植物園(2013年1月20日)]
★大寒の真青な空の実栴檀 正子
空は青空、そこに栴檀の実が高く沢山の実を付け残っている。大寒の空にも栴檀の実をみつけた楽しさ。 (祝恵子)
○今日の俳句
賑わいの境内冬芽あちこちに/祝恵子
賑わいは、前掲句「境内に人の溢れて初弘法」から初弘法と知れるが、そうした境内の賑わいの中に、冬芽もあちこちの木に育っている。冬芽も賑わいのひとつである。(高橋正子)
○立寒椿

[立寒椿/大船フラワーセンター]
鎌倉・報国寺
★竹林に踏み入るところ冬椿 正子
冬の竹林は冷え切っている。そんな中へ入った時見つけた椿の紅。そういえば田舎の竹やぶにもあった風景。なんだか近づいてくる春の足音を聴くような句である。(古田敬二)
○今日の俳句
やや白く割れて万朶の梅つぼみ/古田敬二
寒中の寒さに堪えて咲く梅であるが、咲く兆しが見えると非常に嬉しい。白梅の蕾に白が認められる。しかも万朶の蕾に。待春の気持ちが明るくてよい。(高橋正子)
○寒牡丹

[寒牡丹/鎌倉・鶴岡八幡宮]
★竹林に踏み入るところ冬椿 正子
鎌倉の竹寺ともいわれる報国寺。見事な孟宗竹の竹林に入ろうとした時、凛と咲く冬椿との嬉しい出会い。寺苑の澄んだ空気の中、竹林との対比も鮮やかに、心洗われるような美しさの冬椿です。思いがけない冬椿の彩りは、深閑とした竹林を前に、ふと心和らぐあたたかさも感じられます。(藤田洋子)
○今日の俳句
葦原の枯れ尽くしても水の上/藤田洋子
「枯れ尽くしても水の上」は、意表をついて、新しい発見。蓮や菖蒲などは、枯れると茎や葉が折れて水に浸かってしまう。葦原の葦は、枯れながらもまっすぐに立ち、水には影を落とすのみ。なるほど、枯れ尽くしても水の上ある。(高橋正子)
○飯桐の実(いいぎりの実)

[飯桐の実/東京白金台・国立自然教育園]
font size=”3″>★あたらしき薪を傍積み暖炉燃ゆ 正子
暖炉の中の薪の炎がゆらゆらと燃え盛り、ほっこりとした優しい暖かさに包まれています。傍には新しく用意された薪も積まれ、一層何とも心豊かな安らぎを感じます。 (佃 康水)
○今日の俳句
満潮へ鴨の二陣の広く浮く/佃 康水
満ちて来る潮に向かって、二陣の鴨の群れが広がり浮かんでいる。豊かな潮と浮き広がる鴨の群れが色彩的にもよい風景である。(高橋正子)
○笑顔(はるさざんか)
[笑顔/大船フラワーセンター]