7月9日(火)

 愛媛・久万中学校
★教室の窓に夏嶺の高々と  正子
前書きにある久万中学校は全て地元の檜や杉素材で造られているとか。それ程に自然に恵まれ緑溢れる環境に有るようですね。校舎の木の優しさと同時に教室の窓に高々と見える夏嶺はさぞかし清々しく、成長盛りの子供達を心身共に豊かに育んでくれることでしょう。 (佃 康水)

○今日の俳句
浴衣着の少女ら駅に待ち合えり/佃 康水
少女たちは駅で待ち合わせ、夏祭りに出かけるのだろう。浴衣をすがすがしく着て友達が来るのを待っている。楽しそうなこと。(高橋正子)

○合歓の花(ねむのはな)

[合歓の花/横浜・四季の森公園]

★そのすがた人にうつすやねぶの花/加賀千代女
★雨の日やまだきにくれてねむの花/与謝野蕪村
★山風の暁落ちよ合歓の花/芥川龍之介
★花合歓や凪とは横に走る瑠璃/中村草田男
★旅多くなりし合歓咲きそめし頃/稲畑汀子
★雲運び合歓の花吹き風飽きず/宮津昭彦
★合歓の花南瓜の花と呼び交す/大串章
★川の辺に潮上りくる合歓の花/能村研三
★花合歓の光あふるる下に居る/高橋信之
★梅雨出水しぶくをねむの木ねむの花/高橋正子

ネムノキ(合歓木、Albizia julibrissin)はネムノキ科(広い意味でマメ科)の落葉高木。別名、ネム、ネブ。葉は2回偶数羽状複葉。花は頭状花序的に枝先に集まって夏に咲く。淡紅色のおしべが長く美しい。香りは桃のように甘い。果実は細長く扁平な豆果。マメ科に属するが、他のマメ科の植物とは花の形が大きく異なる。イラン、アフガニスタン、中国南部、朝鮮半島、日本の本州・四国・九州に自生する。陽樹であり、荒れ地に最初に侵入するパイオニア的樹木である。河原や雑木林に生え、高さは10mにもなる。芽吹くのは遅いが、成長は他の木と比較すると迅速である。ネムノキ属は主として熱帯に150種ほどが分布するが、その中でネムノキは飛び抜けて耐寒性が強く高緯度まで分布する。温帯で広く栽培され、一部で野生化している。和名のネム、ネブは、夜になると葉が閉じること(就眠運動)に由来する。漢字名の「合歓木」は、中国においてネムノキが夫婦円満の象徴とされていることから付けられたものである。花言葉は「歓喜」。夏の季語であり、万葉集や松尾芭蕉、与謝蕪村の句に登場する。

◇生活する花たち「あさざ・山紫陽花・コアジサイ」(東京白金台・自然教育園)


コメント

  1. 佃 康水
    2013年7月7日 15:31

    お礼・俳句鑑賞
    高橋信之先生 正子先生
    (お礼)
    7/9の今日の俳句に「浴衣着の少女ら駅に待ち合えり」をお取り上げ頂き、また正子先生には温かいお言葉を賜り誠に有難うございます。ますます、精進させて頂きます。

    《俳句鑑賞》
      教室の窓に夏嶺の高々と  正子

    前書きにある久万中学校は全て地元の檜や杉素材で造られているとか。それ程に自然に恵まれ緑溢れる環境に有るようですね。校舎の木の優しさと同時に教室の窓に高々と見える夏嶺はさぞかし清々しく、成長盛りの子供達を心身共に豊かに育んでくれることでしょう。