11月25日(日)

 鎌倉報国寺
★冬の水ひたすら澄みて金魚飼う  正子
鎌倉報国寺には竹林の傍に大きな鉢が置いてあって、そこに金魚が幾匹も飼われているのですね。水はいつも澄んで清らかです。その「冬の水」に飼われた金魚の姿はひたすらに鮮やか、清新です。(小西 宏)

○今日の俳句
欅立つ落葉きらめく陽の中に/小西 宏
情景がよく整理されている。陽を受けてきらめきながら散る落葉。その中心に黄葉した大きな欅の存在が示されている。(高橋正子)

○キク科

[磯菊/横浜日吉本町]             [泡黄金菊(アワコガネギク)/東京・自然教育園]

 磯菊(イソギク、学名:Chrysanthemum pacificum)は、キク科キク属の植物の1種。磯の菊ということからイソギク(磯菊)の名がある。多年草で地下茎を出して株立ちになる。葉は楕円形から倒楕円形で、大きく丸い鋸歯が入る。葉は厚く、表は緑色だが、裏側は白い毛が密生する。花期は10〜11月頃、多数の頭花を散房状につける。花は筒状花のみで舌状花はない。つまり外側に花びら状の花が並ばない。千葉県〜静岡県、伊豆諸島の海岸に自生するが、各地で栽培されている。そっくりの姿で、花がやや大きいシオギク (D. shiwogiku (Kitam.) Kitam.) は四国の徳島県から高知県の海岸に産する。また、その変種のキノクニシオギク(キイシオギク、D. s. var. kinokuniense (Shimotomai et Kitam.) Kitam.)は両者の中くらいの大きさで紀伊半島南側の海岸線に分布する。
 泡黄金菊(アワコガネギク、学名:Chrysanthemum boreale)はキク科キク属の多年草である。本州の岩手県から九州の北部にかけて分布し、やや乾いた山麓や土手などに生える。海外では、朝鮮半島や中国大陸にも分布している。和名の由来は、密集している花が泡のように見えることからきている。命名者は牧野富太郎博士である。環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。なお、レッドリストでは別名の菊谷菊(キクタニギク)が用いられている。これは、自生地(京都府菊谷)からきている名前である。草丈は100センチから150センチくらいである。茎はよく枝分かれをする。葉の形は栽培菊に似ていて深い切れ込みがあり、裂片は尖らない。葉は互い違いに生える(互生)。開花時期は10月から11月である。頭花は舌状花も筒状花も黄色で、ひしめき合うように密につく。花径は15ミリから18ミリくらいと小さい。

◇生活する花たち「冬薔薇①②・ウィンターコスモス」(横浜いずみ野/カフェ・ド・ダラ)


コメント

  1. 小西 宏
    2012年11月20日 17:07

    お礼
    高橋正子先生
    「欅立つ落葉きらめく陽の中に」を先生の「俳句日記」にご紹介くださり、たいへん嬉しく、光栄に思っております。どうもありがとうございました。

  2. 小西 宏
    2012年11月20日 17:10

    鑑賞
    ★冬の水ひたすら澄みて金魚飼う  正子
    鎌倉報国寺には竹林の傍に大きな鉢が置いてあって、そこに金魚が幾匹も飼われているのですね。水はいつも澄んで清らかです。その「冬の水」に飼われた金魚の姿はひたすらに鮮やか、清新です。