★蕗の灰汁つきたる指のきしみがち 正子
蕗を料理するために下ごしらえをされました。灰汁というのは簡単には落ちません。調理が終わったあと、手を洗っても、その後しばらく何かをするたびに指先の感触に「きしみ」を感じられる、手ずから調理された方ならではの感触です。 (多田有花)
○今日の俳句
梅雨明けを待ちつつ髪を切りにけり/多田有花
梅雨の間は特に髪が重いと感じるのだが、梅雨明けのさっぱりした気持を思いつつ、髪を切る。これで気持ちの中では一足先に梅雨が明けそうだ。(高橋正子)
○今週の秀句(7月1日ー7日)を7句選ぶ。発表は、月間賞と同じところ。
http://blog.goo.ne.jp/npo_suien105/
★金魚草よその子すぐに育ちけり/成瀬櫻桃子
★裏庭の色を集めて金魚草/稲畑汀子
★金魚草風に溺るることのあり/行方克巳
「金魚草」と聞くだけで、金魚を想像して、かわいらしく、涼しい思いになる。パフスリーブの夏服を着た小学2.3年生の女の子のようだとも思う。ビロードがかった口唇形の花の色も赤、白、黄色などシンプルだし。夏の花壇をかざってくれる、子ども時代の私にとっては、夏休みの花である。夏休みのもろもろを思い出す。絵日記、植物採集、夏休みちょう、海水浴、昼寝、アイスキャンデー、西瓜、まくわうり、井戸水、日向水、打ち水、縁側拭きなど。江戸末期に渡来したようだが、当時はハイカラな花だったに違いない。
★裏庭に洗濯物干し金魚草/高橋正子
★金魚草金魚鉢には金魚いて/高橋正子
キンギョソウ(金魚草 Antirrhinum majus)はゴマノハグサ科(APG分類体系ではオオバコ科に入れる)キンギョソウ属の植物。南ヨーロッパと北アフリカの地中海沿岸部を産地とする。その名の通り金魚のような花を穂状に数多く咲かせる。花の色は赤・桃 ・白 ・橙 ・黄 ・複色。種は微細だが性質は強健で、こぼれ種でよく殖える。一般的には秋蒔きの一年草で、寒冷地では春蒔きにする。本来は多年草の植物であり、年月が経つにつれて茎が木質化する。金魚の養殖で有名な愛知県弥富市の市の花にもなっている。
コメント
お礼とコメント
正子先生、
「梅雨明けを待ちつつ髪を切りにけり」を今日の俳句にお取り上げいただき
ありがとうございます。髪を切りますと、さっぱりします。あのすがすがしさ、
次は梅雨明けだなあと思っています。
★蕗の灰汁つきたる指のきしみがち 正子
蕗を料理するために下ごしらえをされました。灰汁というのは簡単には落ちません。
調理が終わったあと、手を洗っても、その後しばらく何かをするたびに指先の
感触に「きしみ」を感じられる、手ずから調理された方ならではの感触です。