★蕎麦に摺る山葵のみどり春浅し 正子
山菜の苦味は春の味です。それと同時にその色もまた春を教えてくれるものであるとあらためて思いました。早春のすがすがしさがあふれています。(多田有花)
○今日の俳句
春の雪正午の鐘の音をつつむ/多田有花
もとの句は、主語と目的語の関係において、読みづらいので、添削。春の雪はやわらかいものであるが、それが「物」を包むのではなく、「(鐘の)音」を包むところに、この句のユニークさがある。春の雪の降るなかでは、正午の鐘の音も詩情をもって聞き届けられる。(高橋正子)
○菜の花
★菜の花や月は東に日は西に/与謝蕪村
★家々や菜の花いろの灯をともし/木下夕爾
菜の花(なのはな、英語:Tenderstem broccoli)は、アブラナまたはセイヨウアブラナの別名でもあり、アブラナ科アブラナ属の花を指す。食用、観賞用、修景用に用いられる。春、一面に広がる菜の花畑は壮観で、代表的な春の風物詩でもある。現代の日本では、菜種油採取用のアブラナ畑はあまり見られなくなった。その他のアブラナ属の野菜も黄色い「菜の花」を咲かせるため、その種子採取用の畑が菜の花畑として親しまれている。このため、栽培されている作物はまちまちで、千葉県では早春のアブラナのほかに野菜類(カブやハクサイ)が、青森県横浜町では油用のセイヨウアブラナ、信州の菜の花畑はノザワナがそれぞれ5月に開花する。
★菜の花へ風の切先鋭かり/高橋正子
★菜の花も河津桜も朝の岸/高橋正子
★菜の花の買われて残る箱くらし/高橋正子
コメント
お礼とコメント
正子先生、
「春の雪正午の鐘の音をつつむ」を今日の俳句にお選びいただき
ありがとうございます。春の雪がふわふわ降ってくるなか
増位山の頂へあがりました。近所のチャペルの正午の鐘が鳴り始め、
それがいつもよりもくぐもった音に聞こえました。
★蕎麦に摺る山葵のみどり春浅し 正子
山菜の苦味は春の味です。それと同時にその色もまた春を教えて
くれるものであるとあらためて思いました。早春のすがすがしさが
あふれています。