★秋宵宮星に声あぐ子の行列 正子
秋の宵宮の装束をつけて提灯を持ち、うきうきとした子供たちの行列。瞬き始めた星を見上げては、感嘆の声をあげる子供たちの純真な声が生き生きと響く美しい宵宮。郷愁を感じます。(柳原美知子)
○今日の俳句
菊の葉も茎も青々窓に濃し/柳原美知子
季語はないが、季感がある句。窓ごしに見える菊の葉も茎も丹精の甲斐あって、青々としている。そういったものに目を遣る楚々とした暮らしぶりがいい。(高橋正子)
○今日の俳句(正子)
駒林神社三句
おみららの囃して吹ける祭笛 正子
祭笛獅子を寝かせる子守唄
祭笛風が運んで強弱も
大寺の銀木犀は空の香に
大寺の水あるところ水澄んで
足先がふっと蹴りたる青どんぐり
薄紅葉「天狗推参」あるやもし
山の端へ星を配りて天の川
○夕方一人吟行。まず金蔵寺へ。金蔵寺を出て寺のすぐ横の畑に沿った道を山のほうへ。ちょっと洒落た小さなマンションを回ると、祭りの笛太鼓が聞こえる。アナウンスで、これから獅子舞をはじめます、とある。今日は、駒林神社の本祭りだと気づく。急いで神社への坂道を上る。獅子舞は始まっていたが、町の人に混じって椅子に茣蓙がかけてあるところに座り楽しんだ。
前半は終わって、獅子頭が前の舞い手からおかめに渡されるところだった。獅子頭と胴の布だけになった獅子は、おかめに抱かれ、笛の子守唄に合わせてゆすられて眠る。「ねんねんころりよ、おころりよ」を横笛で吹くのは、女の子三人。すっかり眠った獅子、つまりおかめの子どもは下に置かれる。眠ると、おかめは長い髪をとかし、丁寧にゆいあげ、おしろいを叩き、紅を差す。扇を鏡と見立てた鏡をみて、まんざらでもない顔をする。それから、裁縫にかかる。獅子の胴の布を着物に見立て針を動かす。少々色気を出している。針に糸を通す所作が細かい。手元が暗いのか、針穴に糸が通らず、二度ほどやりなおす。糸が通ると、ぴんと張って、こぶをむすび、ぴんと弾いて縒りを軽くもどす。それから髪の毛にかざしてあぶら気をこすりつける。布通りをよくするためだ。針先を髪の毛でちょっとこするのは、私の母などもやっていた。今はこんな仕草はしないだろうが、おもしろい。やがて目覚めた獅子(子ども)は、おかめの背にしばらく背負われて、舞う。やがておかめは獅子頭を被って勢いよく舞って終わりとなる。獅子が舞っている間、ひょっとこたちが、観客の間をぬって、ひょうきんなかっこうで踊る。ひょっとこは、小学生の女の子や中学生も、そして大人もいる。「囃保存会」によって受け継がれている獅子舞である。
コメント
お礼とコメント
お礼
「菊の葉も茎も青々窓に濃し」を今日の俳句に
取り上げて頂き、温かいコメントを頂き、あり
がとうございました。夫の丹精の甲斐あって大
輪菊が元気に育ち、ようやく固い蕾がつき始め
ました。
コメント
秋宵宮星に声あぐ子の行列 正子
秋の宵宮の装束をつけて提灯を持ち、うきうきとした子供たちの行列。瞬き始めた星を見上げ
ては、感嘆の声をあげる子供たちの純真な声が生き生きと響く美しい宵宮。郷愁を感じます。
お礼/美知子さんへ
秋宵宮の句にコメントをありがとうございました。
今ちょうど秋祭りです。町や村の小さなお祭りもなかなかいいものですね。こちらのお祭りのほうが私にはしっくり来ます。宵宮の提灯行列の子どもたちも本祭りを控えてうきうきしています。