今日の秀句/1月1日~1月10日/2025年

1月10日

※該当句無し
1月9日(2句)

★行きゆきて深雪の山の鳥にあう/小口泰與
雪の山を奥深く進んでゆくと、雪の中の鳥に出会った。雪の中の別世界の鳥に出会った感嘆の気持ち読み取れる。(髙橋正子)

★白菜に刃が入る音のさっぱりと/川名ますみ
白菜のもつ清冽な印象が、さっぱりした音として捉えられている。冬野菜の代表の一つの白菜が野菜としてだけでなく、冬と言う季節のもつ清潔感ともつながっている。(髙橋正子)
1月8日(2句)
★投函の賀状に添いぬ雪の粉/弓削和人
牡丹雪でなくさらさらした粉雪も雪国の雪を想像させる。賀状を投函しようとすると、その間も粉雪が降り込んでくる。投函の様子が生き生きと伝わる。(髙橋正子)

★雪模様紅茶旨しと声になる/上島祥子
雪がいまにも降りそうな寒々とした天気。熱い紅茶を淹れると自分で淹れて自分で思わず「おいしい」と声に出してしまった。寒い時の紅茶のうまさがリアルに伝わってくる。(髙橋正子)
1月7日(1句)

★初日さし湖の昏さを破りけり/弓削和人
初日が射すまでの湖の昏さは、それが北の国であればあるほど、その対比が明らかだと思える。湖の昏さを明るさに変える初日の力強さが「破りけり」に読み取れる。(髙橋正子)
1月6日(1句)

★すずめ等のふつくら並び寒に入る/桑本栄太郎
すずめ等も寒いのだろう。丸く羽を膨らませ、身を寄せ合って並んでいる。寒中にもかかわらず、かわいらしい姿を見せてくれる。(髙橋正子)
1月5日(1句)

★初春の雪の山見ゆ滑走路/多田有花
滑走路は3000mから4000mの距離が必要とされる。そのため広大な土地に設置されているので、見通しはよい。雪山も新年ならば、すがすがしい「初春」の趣である。(髙橋正子)
1月4日(1句)

★水鳥や夕日沈みし山の端へ/小口泰與
この俳句は非常に美しい情景を描いています。夕日が沈みつつある山の端へと、水鳥が飛んでいく様子を詠んでいます。ここで、夕日と山の間に広がる静寂な自然の風景が目に浮かびます。水鳥は自由に飛び回り、その一方で夕日の沈む様子は一日の終わりを象徴しています。詩的で静かな美しさが感じられる作品ですね。(生成AIによるコメント/記事引用髙橋正子)
1月3日(1句)

★何となくきのうと違う初山河/桑本栄太郎
新年が明けてみれば、山河が昨日と違って見える。晴れやかに横たわる山河に、「きのうと違う」ものを感じた。それも言葉で言えない「何となく」なのだ。(髙橋正子)
1月2日(2句)

★降る雪が包む鳴子の年の夜/多田有花
年末から正月にかけて鳴子温泉に宿泊されたようだ。おりしも年の夜、降る雪にすっぽりと包まれた鳴子の情緒が偲ばれる。(髙橋正子)

  地元大原野神社
★神苑の高き木立や淑気満つ/桑本栄太郎
神苑の木立の高さには緊張感があり、それが淑気と感じられる。新年の清々しい気持ちがよく伝わる。(髙橋正子)

1月1日(1句)

★連弾の聞こゆる路地や年はじめ/小口泰與
年のはじめに路地に、連弾のピアノの音が聞こえる。仲むつまじい連弾の音色に心温まる新年となった。(髙橋正子)

コメント

  1. 小口泰與
    2025年1月3日 8:48

    御礼
    高橋正子先生
    元旦の投句(年はじめ)の句を秀句にお取り上げ頂き、正子先生には嬉しい句評を賜わり厚く御礼も押し上げます。大変うれしいです。有難う御座いました。
    今年もよろしくご指導のほどお願い申し上げます。

  2. 多田有花
    2025年1月3日 10:20

    お礼
    正子先生
    「降る雪が包む鳴子の年の夜」を1月2日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
    鳴子温泉で年越しをしました。
    宿のすぐ前は「おくのほそ道」で芭蕉が通った道、尿前の関から難所の中山峠を抜けたところです。
    その部分の記述が書となって宿の壁に掲げられていました。
    除夜は雪。雪の無い所からの客には何よりのもてなしでした。

  3. 桑本栄太郎
    2025年1月3日 17:01

    御礼
    高橋正子先生
    1月2日の今日の秀句に「神苑の高き木立や淑気満つ」の句をお選び頂き、過分なるご句評も頂戴しまして大変有難う御座います!!。
    今年の元旦は、本当に日差し振りに地元の大原野神社へ初詣でを行いました。
    この神社はその昔794年皇室が奈良の春日大社までお詣りするには遠く、この地京都の西域に神社を勧進しました。その為神獣は鹿であり、鳥居は朱塗りであります。
    高い杉木立の参道を1時間並び、参拝致しました。並び待っている間もとても淑気を感じました。

  4. 桑本栄太郎
    2025年1月4日 22:52

    自由な投句箱
    高橋正子先生
    1月3日の今日の秀句に「何となくきのうと違う初山河」の句をお選び頂黄、嬉しいご句評も頂戴しまして大変有難う御座います!!。
    元旦の朝早く近在山並みを眺め、まったくその通りも心情でありました。「淑気」なのでしょうね!!。

  5. 小口泰與
    2025年1月6日 15:22

    御礼
    高橋正子先生
    1月4日の投句(水鳥)の句を秀句にお取り上げ頂き、その上正子先生には素晴らしい句評をいただき有難う御座います。大変うれしいです。
    今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。
    有難う御座いました。

  6. 多田有花
    2025年1月6日 16:20

    お礼
    正子先生
    「初春の雪の山見ゆ滑走路」を1月5日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
    これは仙台空港での句です。
    東日本大震災が激甚災害なのだと知ったのは、この空港に押し寄せる津波の映像を見た時でした。
    ここに立って、周囲を眺めるとどれほどの大災害だったかが改めて思われました。
    周囲の家はみな新しく、それも津波の残した爪痕といえます。

  7. 桑本栄太郎
    2025年1月7日 17:17

    御礼
    高橋正子先生
    1月6日の今日の秀句に「すずめ等のふつくら並び寒に入る」の句をお選び頂き、嬉しいご句評も頂戴しまして大変有難う御座います!!。
    この日は「寒の入り」でもあり、さすがに冷え込んで来ました。戸外を眺めれば、すずめさん達が羽根をふくらませ枝先に身体を寄せ合っておりました。

  8. 上島祥子
    2025年1月9日 23:14

    お礼
    正子先生
    1月8日の秀句に「雪模様紅茶旨しと声になる」お選びくださり有難うございます。また丁寧な句評を有難うございました。愛知でも寒さが厳しくなってきました。帰宅した後の熱い紅茶で生き返る心地です。

  9. 小口泰與
    2025年1月11日 8:59

    御礼
    高橋正子先生
    (深雪の山の鳥)の句を1月9日の秀句にお取り上げ頂き有難う御座います。大変うれしいです。
    今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。
    有難う御座いました。