●小口泰與
暾(ひ)を宿す稲穂の波や群雀★★★
天そそる妙義の奇岩瓢かな★★★
とんぼうへ指を立てけり幼き日★★★★
そういえば、こんなこともしたなあと、思い出す。とんぼうは、田や畑の杭などによく止まっている。指だって棒や杭のようなもの。自然のなかで遊んだ幼い日のことだ。すなおな句がよい。(高橋正子)
●桑本栄太郎
うそ寒や二の腕抱き目覚めおり★★★
雲流れ容ながれて秋高し★★★★
真近なる嶺の蒼さよ秋気満つ★★★
●小西 宏
カーテンの白揺れ雲に秋の蝉★★★
団栗の艶が昨日と同じ道に★★★★
高くまで筋なす秋の茜雲★★★
●佃 康水
韮の花摘み休み田に匂い立つ★★★
韮の花浸す畔川音清ら★★★★
韮の花は、8月も終わり、新涼の9月を迎えるころ盛んに花を咲かせる。地味な花ながら白い可憐な花。清らかな水音を立てて流れる畦川に摘んだ花を浸すと生き生き涼やかになってくる。(高橋正子)
朝ぼらけの窓に溢るる鰯雲★★★
コメント
御礼
高橋信之先生、正子先生
8/29の投句に★印のご指導を賜わり、その上、正子先生には「とんぼう」の句に素晴らしい句評を頂き有難う御座いました。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
お礼
高橋信之先生 正子先生
8/29の投句へ★印のご指導を頂き、正子先生にはその時の情景そのままの素晴らしい句評を賜り有難うございます。電車で2駅の所のスーパーで買い物する前に立ち寄りました。韮の強い匂いとは反対に白い花が休み田に涼しそうに揺れていました。それを摘み、辺りを見るために畔川のきれいな音に浸しておきました。白い花と水とでとても涼やかでした。添削して頂きより優しく美しい句になり、大変嬉しいです。