晴れ
剪りとればみずみずしくて小さき薔薇 正子
柿若葉きらきら住宅街の庭 正子
春たけなわ麦茶を沸かす匂いがし 正子
●良い天気だった。夜中。月を見ようと外に出たが、月は見えなかった。
●外の景色はベランダからと、玄関に少し出てあたりを見る程度。今日はベランダのミニ薔薇と撫子が咲いたので、切って信之先生に供えた。薔薇と撫子を生前よく使っていた青い切子グラスに活けた。私用に赤い切子グラスがあるが、こちらはほとんど使っていない。これから使おうと思っている。
●リルケの『新詩集』のなかの「林檎園」には、夕方の芝生の緑の色から触発された思いをつづっている。林檎の木のしたにひろがる芝生の色に眼を向けている。この緑の色がいいと思ったのだろう。俳句の場合でも、いい色に出会ったとき、なんとか一句物にしたくなる。平凡なところでは、海の青、茄子の紺など。ところがリルケは「夕方の芝生の緑の色」に魅力を感じている。この辺りに、詩人の資質をみるところだろうか。
コメント