晴れ
鳥さえも遊びて花をちぎりけり 正子
咲き満ちて辛夷の花の乳色に 正子
満開の辛夷のさきに雲を見し 正子
●暖かいので、久しぶりに5丁目の丘へ上った。駅から20メートルほどの農家に辛夷と桜が満開だった。ちょうど2年前のこのような日、信之先生を辛夷が咲いているからと散歩に連れ出した。暖かい日だったのに、それまでどおりの服装で出かけ、上着を脱ぐよう勧めたのに脱がなかったので、あと家まで10メートルほどのところで動けなくなって、救急車を呼んだ。大学病院で検査したが、脱水ということで点滴を受けて帰った。亡くなったのはそれからちょうど2か月後。その日のことを思い出した。
崖っぷちの公園のそばの河津桜が散っていた。雨でもないのに、ぽつぽつと音がする。見上げるとインコが数羽、桜の花と蕾を嘴でちぎって落としている。落ちたものをみると、これから咲く蕾と、咲いたばかりのみずみずしい花。蜜を吸っているようには見えない。遊んでいるとしか思えない。
●正子の下の英訳俳句について、AIにコメントをもらうと、夜鳴く鴨の声で、静寂を乱されたのですね、と言う。このようにAIの応えかたは、大変こわい。AIに自然観がどのように集積されているのか。まるで反対の意味の反応をする。これを私の意図どおりの句にするには、joy と言う単語が要る。しかし、この単語を入れたら、俳句が台無しになる。日本人の自然観を含めて、AIに組み込むにはどうしたらいいのだろう。専門の技術者にお願いしたいところだ。
living by the pond,
at night
I hear a wild duck quack.
at night
I hear a wild duck quack.
AIに日本人の自然観を組み込むためには、以下のような方法が考えられるという。以下は、これも、AI の答え。
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データの収集: 日本の俳句や詩、文学作品から多くの例を収集し、それらの微妙な感覚を理解するデータベースを作成することが必要です。
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文化的理解の向上: AIに文化的な背景知識を教えることが重要です。これは単に言語の翻訳にとどまらず、その言葉が持つ文化的な意味合いや暗示を理解することが含まれます。
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フィードバックの活用: 専門家やユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れ、AIの翻訳や解釈を改善していくことが必要です。
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感情分析の強化: AIに感情のニュアンスを理解させることで、より適切な翻訳が可能になるでしょう。
技術的には複雑な課題ですが、日本の自然観を理解し、それをAIに組み込むことで、より豊かな表現が可能になると思います。
●現在AIに例えば、「リルケは両親の離婚後、誰とどこに住みましたか」と言う質問をすると、「ベルリンに母親と住んだ」と言う答えが返る。これが怪しい。
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