10月2日(水)

快晴
透明に濃密に秋の化粧水     正子
遠き声確かに鳴ける法師蝉    正子
燭の火に供うふたつの青蜜柑   正子
●夕方5丁目の丘へ行った。蚊がいるので行かないようにしていたのだが、崖っぷちの公園に着くと、蚊の猛攻撃にあった。ムヒを持ち歩いていているので、あちこち塗る。公園からは富士山のシルエットが見える。富士山の右の山々の稜線に夕日が沈むところだった。半分沈みかけた夕日は二分もしないうちにすっかり稜線の向こうに沈んでしまった。沈んだあと、日の丸のような赤い夕日の残像が夕焼けの雲に映った。夕日が落ちたとたんに、富士山の右肩がひととき赤く染まった。それもすぐ消えた。帰りは、遠くにつくつく法師の声を聞きながら坂をくだった。まだ蝉がいる。

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