5月30日(木)

晴れ

●『星辰』(五島高資著/角川書店2024年5月27日刊)から、好きな句20句。〇は著者の自選十二句に重なる。
水を送るのみの橋あり春の雨
 先師・兜太を悼む
片目にて笑む師のなみだ風光る
 ウクライナ戦争
〇人を撃つ人を撃つ人春うつつ
花に寝て天に近づく瀬音かな
〇春星へかよふ寝息となりにけり
まづ星をうつして代田しづまれり
おほよそは海に雨降る鑑真忌
海坂やひとり泳いで泡立てる
益子なる甕に箒と金魚かな
舟虫を散らせてはまた一人なり
十薬の花や電車に間に合へる
手を洗ひ空を瞠るや長崎忌
〇かなかなや魂のずれととのへる
目交に星の走れる室戸かな
銀漢や腕を回して歩みゆく
坂を下り坂に出でたる漱石忌
冬日入れて雑木林のあらかなる
あららぎに時の谷まる深雪かな
狐火や列車は遅れつつ走る
たまゆらに天を支へて霜柱

●夜、お礼の手紙をパソコンで書く。署名は手書き。思ったことを書こうとすると、どうしてもパソコンになる。思考が手に直接伝わる気がするので、そうなる。お礼を書き終えて、なにかしらほっとした。

コメント