3月1日(火)

★身を固く春雪吹くを帰り来る   正子
先日の関東地方の思わぬ春の大雪を詠まれたものと思います。雪国の人には慣れたものでも、都会生活者には驚くような大雪でした。滑らないよう、足元に注意して帰られる様子が「身を固く」によく現れています。(多田有花)

○今日の俳句
末黒野の彼方に海の光りけり/多田有花 
半焼けになった茨や萱などは、無残なようだが、新しい芽吹きのためであるので、春へと期待のふくらむ風景だ。海の光が期待を象徴している。(高橋正子)

○早咲き桜

[早咲き桜/横浜日吉本町(2013年3月9日)]

 毎年立春が過ぎると、気持ちは早くも春を迎える心の準備です。春は名のみの風の寒さや♪~♪~と歌いつつも、寒風を肌に突き刺しながらも、春風を心地よく感じる時を心待ちにするものです。そこで春一番の早咲き桜を探してみたいと思います。「早咲き」とは、2月中に「満開」または「さくら祭り」を行っている場所と決めました。種類としては、全国的には2種類のようです。相模湾沿岸地域の「河津桜」と沖縄県の「寒緋桜」のようです。
 河津桜は、緋寒桜と早咲き大島桜との自然交配種と言われています。昭和30年頃、河津川沿いの冬枯れの雑草の中に芽吹いている、一本の桜の苗が発見され、庭に植えたのが始まりのようです。約10年後の昭和41年に開花が見られたが、開花期間が長いことから注目を集め、その後、伊東市の勝又氏や農林関係機関・河津町等々が、改良を加え現在に至っているとの事。一般的な桜と異なる淡紅色が、なぜかとても綺麗で魅力的です。この桜の原木が現在も、河津町田中の飯田邸にあることから、昭和49年に「河津桜」と命名され、徐々に有名になっていったようです。この桜の特徴は、開花時期が2月上旬と早いことと、開花期間が、2月上旬から3月上旬までと約一ヶ月に亘っていることです。 もっとも、見頃は六分から八分にかけてが最も良いらしく、矢張り一週間程度との事。ソメイヨシノと異なり散る前には葉が出て
くるので、花と一緒に葉も同時に楽しめることも、人気のひとつのようです。

◇生活する花たち「桃の花蕾・藪椿・梅」(横浜日吉本町)


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