5月9日(木)

晴れ

埋葬の日のちかづきて青葉冷ゆ 正子
青葉冷ゆ旅の支度に似る納骨  正子
夜はことに青葉に冷ゆる畳の間 正子

●晴れてはいるが、きのうより気温が5度くらい低い。家のなかにいるとひんやりするので、薄着の上にボアを羽織る。いずみ浄苑から法事の案内の手紙がくる。夕方お寺に確認の電話。

●「氷室」の同人会長の大島幸男句集『雪解』(青磁社)を贈呈いただく。私などに、と思いつつ開けると、5月9日の発行日。早速お送りいただいたようだが、直接には存じ上げない。1948年新潟生まれで大阪在住。同じ時代を、同じ空気を吸って生きてきたことがなぜか嬉しい。以下に好きな句を挙げるが、自分流の句を選んでしまった。

虎杖を折れば音たつ水滴る
風鐸や奈良には高き鰯雲
餅花の枝垂るる先に寝ねにけり
雪形の現れしころ帰りけり
秋澄むや襖に淡く雁の落ち
山抜けて途の定まる帰雁かな
荒縄を断つて木の芽を放ちけり
雪沓を提げ夜の駅の親であり
左手の山が右手となる帰省
夜学子のざくりと置きし鍵の束
ひるがへり合うて帰燕の日の近し
若水や星の底なる雪の街
笹に汲むひと口ほどの岩清水

●お礼の手紙はあとでと思ったが、印象が残っているうちにと思い直し、夕方手紙を投函した。

5月8日(水)

曇り 
 KKR ローズテラス
夏靄のせまる玻璃窓黒カレー    正子
満目の薔薇吹き揺らす雨嵐    正子
薔薇の雨傘を濡らすも傘軽し   正子
満目の嵐の薔薇を忘れまじ    正子
 神奈川県立近代文学館
うす暗く青葉に灯り文学館    正子
●今日は妹が帰る日。朝食後、妹が私の散歩コースを知りたがっているので、5丁目の丘へ。昨日の荒れた天気のせいか、今朝は鳥が鳴かない。鵯と、四十雀が一羽鳴いた程度。曇りで富士山も南アルプスも見えないが、富士山の見える辺りを教える。

五月人形を飾っているのを妹が見て、雛人形の顔も見たいというので、内裏様だけ出す。雛人形は母と妹が句美子に選んでくれたもの。40年経つが、そんなに古びていない。お土産に何かと思うが、要らない、要らないと言うので、編んだばかりのレース編みを渡す。 

新横浜まで見送っていく。家から新横浜駅までは20分もかからない。駅の店舗は、できた当時よりずいぶん変わった。高島屋も引き払っているし、弁当と鎌倉横浜みやげの店とカフェがほとんどになっている。小さい鎌倉のお土産を買って渡した。二時前の小倉行を見送って帰宅。