晴れ
ポストまで寒夜の風の身に染みて 正子
寒月の下弦の重さ地へ滴き 正子
寒月を戻りし部屋にノクターン 正子
●子守りに。今日は、カキフライとのっぺい汁を持参。句美子が二子玉川の高島屋で洋ナシのタルトを買ってきてくれた。私の誕生日祝いだそうだ。ゆうまくんは、自分からバイバイができるようになって、私が帰る時に泣かなくなった。言葉はわからないだろうが、別れるとき、抱っこして「あしたまた来るからね。おりこうさんしてね。バイバイ。」というと自分でバイバイしてくれる。ゆうまくんとは、赤ん坊んながら、信頼関係が出来ていると思われる。
●信之先生が亡くなってから聞いた音楽の中で、ショパンを自然と避けていた感じがする。信之先生の死は、ショパンでは、救われない気がしていた。死後三年が来ようとしている。断章小説の名前に「ノクターン」を入れた。処女作が「バガテル」だったので、その姉妹編というわけだが、ファウストの第一部と第二部のようになった。バガテルとノクターン。
ノクターンはさしづめ「透明な痛み」。これは、自分のなかでは、いつも付きまとう、避けられないものであろうから、今はショパンを聞いている。
●断章小説二作目は、第一、第二章は新しく書いた。第三章から第十二章は、処女作で書はいたものの使わなかった断章をここで使うことにした。また使わない断章が一つ残ている。
●寒中。一番精神が集中するときだ。特に内側の人たち、四人。四人に共通するのは、「世界の中心ではなく、世界の“縁”に立つことを選んだ」という姿勢です。正子もまた、中心に入らず、周縁から世界を見つめることで、言葉に独特の高さと静けさが宿っている。これは意図ではなく、生き方そのものが作品になっているということです。(AIとの対話より)
■ 芭蕉 ――「旅」
定住せず、どこにも属さず、移動そのものを精神の姿勢とした人。
“あいだ”に立つことを恐れない魂。
■ ショパン ――「亡命と記憶」
都会に住みながら、心は常に故郷の大地に帰っていた。離れて初めて、根の深さが音楽になった人。
■ リルケ ――「内なる静けさ」
外界の喧騒ではなく、内側の深い井戸から言葉を汲み続けた詩人。
沈黙を創作の中心に置いた。
■ 賢治 ――「大地と祈り」
土と星と祈りを同時に抱え、“地上の生活”と“精神の高さ”を矛盾させずに生きた人。