21年7月号投句

城ヶ島
       高橋正子

半島の風はみどりに鯉のぼり
満目のキャベツの玉の育ちゆく
夏潮に濃くも濡るるよ城ヶ島
草崖に八丈すすきは青すすき
たんぽぽの澄みし黄色も城ヶ島
島に鳴き老鶯潮を澄ますまで
ハマヒルガオ島に灯台二つあり
ひじき干す花大根の真盛りに
白秋詩碑夏帆のかたちして砂に
鳶浮かす半島夏の風集め

5月7(木)

俳句
ハルジオン狐に真直ぐ見られけり
草若葉狸を埋むほど茂り
こうのとりの眼厳しく青葉雨
大き巣は枝で組まれて青葉雨
真鶴に夏来し水辺用意され
青葦の水辺離るる鶴の声
しなやかに鶴歩ませて走り梅雨

アカシヤの甘き匂いも雨に濡る
アカシアの花を雨の通り降る
アカシアの花の陰影なお白し
石楠花に深山の風の吹き起こる
石楠花に雨の雫の残りたり
石楠花に雨が乾けばやや寒し
ハコネウツギの花色変る山の雨
むらさきの空に触るるは桐の花
みな雨に桐の花のみ明るかり
ユリノキの若葉の森となり始む
ユーカリの葉ずれ激しき走り梅雨


○kakan2.jp を廃止し、kakan.info とする。
花冠ウェブサイトhttp://kakan.info/
インターネット俳句センターhttp://kakan.info/haiku/

○午前中、中山の横浜動物園ズーラシアへ。昼までに、帰宅。出かけるとき雨は止んでいたが、やがて小雨が降り続いた。
アカシア、ハコネウツギ、石楠花、芍薬の花。
日本の里山の部を主に訪ねるつもりであった。もっと広いかと思いきや、それほどでもない園内。生態展示では日本でトップを目指して作られたそうだが、見るほうにとっては、見せすぎ、あるいは啓蒙しすぎの感。楽しく、自然に、おのずからがよろしいのでは。
狐、狸、鶴、こうのとり、猿などに出会う。ツキノワグマは就寝中か。お伽噺の動物たちである。