◆端午ネット句会清記◆

2016年5月5日
■■端午ネット句会清記
14名42句

01. 父が居て母が居てこそこどもの日
02. 菖蒲葺く軒の低さよ藁の屋根
03. 八幡太郎義家風に旗めき幟立つ
04. こどもの日似顔絵飾る爺と婆
05. 九条は日本の宝こどもの日
06. ブラシの花が赤く咲き夏は来ぬ
07. せせらぎにカエル探して子らの声
08. まほろばの大和三山五月晴
09. 夏は来ぬ瀬戸に白帆のつぎつぎと
10. はこべらに子山羊の瞳めんこいよ

11. 絵本開け文字無き余白しゃぼん玉
12. 藤房や滂沱の雨のくさり樋
13. 盛り上がりもりあがり咲くモッコウバラ
14. 雨粒を抱きてばらの咲きはじむ
15. くじ引きの三等賞は朱のメダカ
16. 綱張って吹かれ吹かれる鯉のぼり
17. つる薔薇の翳なす庭に茶の用意
18. 薔薇垣の二軒に早き朝が来る
19. 水芭蕉の白の世界へためらい入る
20. あやめ直立して遠からず近からず

21. 寺苑に咲いているあやめの縞模様
22. 目の前をすっと飛び抜く初燕
23. 大空に雲なき朝の鯉のぼり
24. 葉桜の作る木陰で立ち話
25. まっすぐに伸びるを見てよと今年竹
26. 玉ねぎの香りとともに掘り起こす
27. 膨らめり鮮やか蔓にさやえんどう
28. 菖蒲の葉八百屋のバケツに青々と
29. 初夏の夕風に向かって散歩する
30. 筍の柔らかさ噛み母の味

31. 鯉幟尾をつかまんと子ら跳ねる
32. 子らの声久しく聞かぬ子供の日
33. 夏空に真白き壁の小田原城
34. パレードの青き空飛ぶ夏つばめ
35. ボート乗せ瀬戸ゆく船や夏来る
36. 眠き児へ父膝枕こどもの日
37. あちこちにゆったり泳ぐ鯉のぼり
38. 目も痛い鮮やかな新緑の中を行く
39. 雨もやみ朝日にひかる山笑う
40. 肱川の流れ豊かに夏は来ぬ
41. 子どもの日明るき声が木霊する
42. ポケットに豌豆ずっしり持ち帰る

※互選を開始してください。
①選句期間:5月5日(木)午後6時~午後9時
②入賞発表:5月6日(金)午前10時
③伝言・お礼等の投稿は、5月6日(金)午前10時~5月7(土)午前10時

5月4日

★天城越ゆ春の夕日の杉間より   正子
春の夕べ、天城峠を越えて旅をされたのでしょう。日が長くなりゆったりとした気持ちでもしかしたらトンネルを歩かれたのかもしれません。「天城」という地名が生きて、想像力をかきたててくれます。(多田有花)

○今日の俳句
山の名を呼びけり春の頂に/多田有花
春山の山頂から、あの山の名は何々、この山の名は何々と指さし呼んでみる。春山の頂からの眺めに心も柔らかに開放されたからだろうが、山への親しみがあって楽しいことだ。(高橋正子)

○山躑躅(やまつつじ)

[山躑躅/東京白金台・自然教育園] 

★つつじいけて其陰に干鱈さく女/松尾芭蕉
★百両の石にもまけぬつつじ哉/小林一茶
★近道へ出てうれし野の躑躅かな/与謝蕪村
★つつじ野やあらぬ所に麦畑/与謝蕪村
★死ぬものは死にゆく躑躅燃えてをり/臼田亜浪
★山つつじ照る只中に田を墾く/飯田龍太
★山躑躅そこを明るく道ありぬ/稲畑汀子
★けもの道明るく照らす山躑躅/minmin4221
★山の子となって遊べば山躑躅/高橋正子
★新緑をすずしくさせて山躑躅/高橋正子

 ヤマツツジ(山躑躅、学名:Rhododendron kaempferi)はツツジ科ツツジ属の半落葉低木。高さは1-5mになり、若い枝には淡褐色の伏した剛毛が密生する。葉は互生し、葉柄は長さ1-3mmになる。春葉と夏葉の別があり、春葉は春に出て秋に落葉し、夏葉は夏から秋に出て一部は越冬する。春葉は長さ2-5cm、幅0.7-3cmになり、卵形、楕円形、長楕円形、卵状長楕円形など形状や大きさに変化が多く、先は短くとがり先端に腺状突起があり、基部は鋭形、葉の両面、特に裏面の脈上に長毛が生える。夏葉は春葉より小型で、長さ1-2cm、幅0.4-1cmになり、倒披針形、倒披針状長楕円形で、先は丸く先端に腺状突起があり、基部はくさび形、葉の両面に毛が生える。
 花期は4-6月。枝先の1個の花芽に1-3個の花をつける。花柄は長さ3-4mmになり、花冠の筒はやや太く、色は朱色、まれに紅紫色、白色があり、径3-4cmの漏斗形で5中裂する。花冠の上側内面に濃色の斑点があり、内面に短毛が散生する。雄蘂は5本。花柱は長さ3-4cmになり無毛。果実は果で長さ6-8mmの長卵形で、8-10月に熟し裂開する。
 北海道南部、本州、四国、九州に分布し、低山地の疎林内、林縁、日当たりのよい尾根筋、草原などに生育する。日本の野生ツツジの代表種で、日本の野生ツツジでは分布域がもっとも広い。

◇生活する花たち「かきつばた・踊子草・おへびいちご」(東京白金台・自然教育園)