■第21回(立春)フェイスブック句会清記■

■フェイスブック立春句会■
■清記/26名78句

01.電車の音響く青空梅ひらく
02.寒鯉の日へゆっくりと浮き来たる
03.足湯してギターつま弾く春隣
04.つま先を見て受験子の母歩く
05.朝やさし枝垂るる先に梅一輪
06.梅ひらき紅うつすらとほぐれたる
07.春近し鶺鴒池の面を打てば
08.豆まきの声ベランダに花の苗
09.枝ゆらし光ゆらして春の鳥
10.節分や観音参りの人の列

11.寒椿縁に座れば目の高さ
12.大空に向かい冬芽の柔らかく
13.二月早やまぶしき陽光バスの窓
14.新駅の高架完成春立ちぬ
15.見晴るかす生駒嶺遠く霞みけり
16.球児らの喚声遠く枯野かな  
17.かき混ぜて音もいっしよの浅利汁
18.酢のものに荒き海雲の夕餉かな
19.さえずりや日向ひなたに園児達
20.雪の間に瑞々しきや蕗の薹

21.春浅し赤城は風を育てそむ
22.蜜柑挿す庭木に目白来ておりぬ
23.目白来てヒヨ来て冬日射す小枝
24.春めく風家並み凡て陽の中へ
25.寒晴の浦上天守マリア像
26.束の間の命煌く雪の花
27.楪の日を照り返す力かな
28.寒牡丹わが息すれば匂い立ち
29.宵闇のどこか匂いて豆を撒く
30.立春の朝は襖の白に明け

31.節分の漆の升に豆を盛る
32.豆をまく一つ一つを手に握り
33.立春の朝のデージー鉢いっぱい
34.今日は立春パソコンの明るい画面
35.梅開花一輪晴れのうれしさに
36.思い切り紅梅咲かせ丘の晴れ
37.節分や豆蒔く音の弾みおり
38.ふるさとの歌を歌いて春を待つ
39.きらきらと瞬き交わし星冴ゆる
40.南南東向けて駆足恵方道

41.鬼は外鬼は何処まで行ったやら
42.紅ふふむ梅の蕾や雨の中
43.陽を浴びる川向うの春どことなく
44.春立ちて平和溢れる広島よ
45.白梅の花つぎつぎに空は青
46.おんぶして子をあやしおり冬日向
47.節分の絵手紙友の近況も
48.立春や夜明けは静かな雨となり
49.まんさくの丘へ親子の声弾む 
50.節分会清め太鼓に島奮う
 
51.青空へ梅の一花の紅映ゆる
52.瑞々し無限の夜空寒北斗
53.節分会篝火赤く参道に
54.春立ちて頬に優しき今朝の風
55.波音を聞き湖の色犬ふぐり
56.打ち寄せる波頭まぶしき春汀
57.敷石を音なく濡らす春の雨
58.夕映えの雲良く伸びて春兆す
59.公魚や榛名湖の色自ずから
60.あわあわの夕日浴びけり蕗の薹

61.節分の庭で男が薪を割る
62.節分や白菜刻みサラダとす
63.やわらかき雨連れ春の来たりけり
64.雨降って木々の雫に春立ちぬ
65.雨あとに立春の日の差し始む
66.春立ちてとんとん刻む菜のみどり
67.風二月鳥よろこびの声散らし
68.子ら行きて節分の豆かみしめり
69.草も木も音なき雨も春来る
70.立春の雨鮮やかな傘が行く

71.立春や昔の和音を合唱団
72.眼の隈どり夕日に鮮やかメジロ来る
73.スケートや終えて頬張るチョコレート
74.番犬の瞳潤んで春立つ日
75.子の春着1寸伸ばして夜の耽る
76.川を向く二脚の椅子や梅一輪
77.犬とゆく二月の雨を軽く蹴り
78.機織りの工房しんとして二月


◆互選のご案内◆
①選句は、清記の中から5句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、2月4日(月)午後7時から始め、2月5日(火)午前10時までに済ませてください。
③選句の投稿欄は、投句の投稿欄と同じで、最上段の<投稿欄>にご投稿ください。<facebookページ「インターネット俳句センター」>以外の場所に投稿しますと無効になります。
※1) 入賞発表は、2月5日(火)正午です。
※2) 伝言・お礼等の投稿は、2月5日(火)正午~2月6日(水)午後6時までに済ませてください。

2月4日(月)/立春

★立春のピアノの弦のすべてが鳴る/高橋正子
ピアノの鍵盤がすべて押されるのは、調律時くらいでしょうか。で​も、その弦がいちどきに「すべて鳴る」瞬間があります。ピアニス​トも、倍音を聴き、弾かない弦を共鳴させるべく心を砕きますから​、そのように響いたら嬉しいことでしょう。澄んだ陽と程よく乾い​た空気の内に、弦の全てを鳴らすピアノ。こよなく明るい立春です​。(川名ますみ)

○今日の俳句
立春や光と翳と飛ぶ鳥と/矢野文彦
立春となると光がにわかに明るく感じられる。身辺にも光があり翳がある。空を見れば、自由に飛ぶ鳥も。光と翳と自由な鳥が立春の日に明るく詠まれた。(高橋正子)

○立春
★立春の米こぼれをり葛西橋/石田波郷
★立春の海よりの風海見えず/桂 信子

★立春の夜道どこからか水の匂い/高橋信之(昭和四十八年作)
「立春」と聞くと、それだけで気持ちがほぐれる。厳しい冬の寒さと別れ、いよいよ春になる。夜道を歩けば、どこからか水の匂いがする。小川の流れか、水はいち早く温み始めたのだろう。夜道の暗さに水の匂いが春のはなやぎのように感じられる。(高橋正子)

陰暦では、1年360日を二十四気七十二候に分けたが、立春はその二十四気の一つで、陽暦では2月4日か5日、節分の翌日に当たる。節分は冬の季語となっている。節分を境に翌日は春となる。あくまでも暦の上だが、この切り替えがまた、人の心の切り替えにも役立って、立春と聞くと見るもの聞くものが艶めいて感じられる。冬木もいよいよ芽を動かすのだろうと思う。寒禽と呼ばれていた鳥も鳴き声がかわいらしく聞こえる。

★立春の朝は襖の白に明け/高橋正子
★立春の朝のデージー鉢いっぱい/高橋句美子

○梅

[白梅/横浜日吉本町(2013年2月3日)]_[紅梅/横浜日吉本町(2013年2月3日)]

★梅白しきのふや鶴をぬすまれし 芭蕉
★白雲の竜をつつむや梅の花 嵐雪
★とぼとぼと日は入切て梅の花 杉風
★からからと猫のあがるやむめの花 許六
★山里や井戸のはたなる梅の花 鬼貫
★手折らるる人に薫るや梅の花 千代女
★此村に一えだ咲きぬ梅の華 也有
★二もとの梅に遅速を愛す哉 蕪村

 梅の開花前線
 和歌山県南部に位置する月向農園では、1月下旬~2月に梅が開花します。南北になが~い日本列島!あなたの処ではいつ頃かな?梅は百花に先駆けて咲き、桜などに比べ休眠が浅いために開花時期が天候によって大きく左右されます。
 高温・適湿・多照の年は開花時期が早まり、乾燥の激しい年や気温の低い年はやや遅くなります。また、品種によって多少差があります。寒い中、いち早く春の訪れを知らせる梅の花は、1月下旬~5月上旬まで、約3ヶ月間かけて、ゆっくりと日本列島を北上します。

◇生活する花たち「満作・立寒椿・蝋梅」(大船フラワーセンター)