11月4日(水)

快晴
●古美術商の藤本洋子さんから八幡浜のじゃこ天などが届く。松山へ能とお茶の関係で出かけられたとのこと。道後の子規博にも立ち寄られ、そこに亜浪の展示もあったと電話で話された。
実は、じゃこ天だけが今朝届いて、お名前はどこかで見た感じだが、送り主の名前をすっかり忘れ、二人で不思議がった。電話番号と住所が書いてあるので、お電話し、記憶が蘇った。亜浪の掛け軸のことで、ご相談があった方。松山の情報をいろいろ教えてくださった。来年子規博ではなにか企画をしているらしい。お店は、本郷の菊坂のほうに移転されたとのこと。
●俳句の世界にもポストコロナ世代が来ているのか、この夏ごろから、私の周辺で俳句のことで動き出した感じがする。何事も、チャンスをいうものがあるが、チャンスには尻尾がないんだった。何がどう動くのか、面白そうだ。

11月3日(火)

晴れ
●『俳句の杜(2020)』(アンソロジー12名)(本阿弥書店刊)が届く。
柳原美知子さんの100句が掲載される。
●近所の方が、角川「俳句9月号」で花冠の広告を見て、住所が近いのでと、電話をくれた。花冠の30周年記念号を、No.364号と、「俳句11月号」を用意して、訪ねてこられるそうなので、渡すことに。

自由な投句箱/11月1日~10日

※当季雑詠3句(秋の句・冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

◆花冠発行所◆
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◆月例ネット句会
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◆俳句日記/高橋正子◆
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今日の秀句/11月1日~10日

11月10日(1句)
★朝方の雨を宿せり冬の菊/多田有花
「朝方」が意味する時間は、「日の出の後」「早朝」「午前中の時間」と幅がある。この句の場合は早朝に降った雨と採りたい。色鮮やかさを増した冬菊に冷ややかな雨粒がやどっている風情がしっとりとしていい。(高橋正子)
11月9日(1句)
★冬夕焼け明日を信じて疑わず/桑本栄太郎
「明日を信じて疑わず」と思わせるほどの冬夕焼のすばらしさ。ずばりと言い切って、「冬夕焼」だからこその説得力だ。(高橋正子)
11月8日(1句)
★初冬の釣り人群れる墨田川/廣田洋一
寒くなってくると、人が集まるところに集まるのが人の常かもしれない。初冬、墨田川で釣れる魚は鯊だろうか。釣果よりも釣り糸を垂れる楽しみのようで、見ていて楽しそうだ。(高橋正子)
11月7日(1句)
★温石を抱きたる僧や忌を修す/廣田洋一
温石は古く使われたものと聞くが僧ならば今も温石を懐に入れ暖をとることもあるのだろうか。そこがまた僧らしいところ。経をあげる僧も寒さを思えつつも、心あたたまる忌が修められた。(高橋正子)
11月6日(1句)
★草の実のはじけ雀を飛び立たす/小口泰與
鳥はどんな小さな音にも聞き取って飛び立つ。小さな草の実がはじける音にも敏感だ。草の実と雀との世界は、アンデルセンの童話にもありそうな世界に思える。(高橋正子)
11月5日
該当句無し
11月4日(2句)
★凩の吹きて現る星空よ/廣田洋一
凩が吹くや、塵や雲を吹き払い星空が現れた。寒さのなかの星空は格別に澄んできらめいている。俗を離れた星空の世界が美しい。(高橋正子)
★団栗の落ちたばかりの輝きに/古田敬二
団栗は地に落ちてその姿形が目に止まる。落ちたばかりは、まだ艶やかで、いきいきと輝いている。はっと驚くような輝き。(高橋正子)
11月3日(2句)
★牧閉す牛の耳標の薄れけり/小口泰與
放牧するときに牛の耳に標を取り付けるが、牧を閉ざすときになると、その標も陽や風や雨に晒されて薄れて来る。いまさらのように、放牧の季節が思い起
こされる。(高橋正子)
★どこからか子供らの声秋澄めり/古田敬二
どこからか、子供たちの声がくっきりと聞こえてくる。周囲が澄んでいるからこそ子供が耳にはれやかに届く。子供の声はいいものだ。(高橋正子)
11月2日(1句)
★水澄むや昔渡しのありし場所/多田有花
昔は渡し場でにぎわったところ。それなりの水深もあるだろう。今は水が澄んで往時を忍ばせている。さびしくならず、水が深々と澄んでいるのがいい。(高橋正子)
11月1日(1句)
★大橋や四条の風の秋の色/桑本栄太郎
京の一番のにぎわいを見せる橋、四条大橋も風が吹けば、いちどに秋の風情になって、さびさびとした情緒を漂わせる。鴨川に架かる大橋を吹く風は、かくも大きく風情を変える。(高橋正子)

11月1日~10日

11月10日(4名)
小口泰與
煎餅をばりっと割るや小春空★★★
芒散る利根の川原のひろごりぬ★★★
柿の種かりかり食むや神無月★★★
廣田洋一
結婚式見ながら祝ふ七五三★★★
爺婆が先導しをる七五三★★★
時々は引きずられをり千歳飴★★★
桑本栄太郎
山茶花のつぼみ数多や控え居り★★★
ぽつぽつと頬に額に初しぐれ★★★
踏みしだく桜もみじの落葉かな★★★

多田有花

小春日のベンチに語り合う人よ★★★
朝方の雨を宿せり冬の菊★★★★
「朝方」が意味する時間は、「日の出の後」「早朝」「午前中の時間」と幅がある。この句の場合は早朝に降った雨と採りたい。色鮮やかさを増した冬菊に冷ややかな雨粒がやどっている風情がしっとりとしていい。(高橋正子)
行動食冬の紅葉を眺めつつ★★★
11月9日(4名)
小口泰與
初冬や風を産みたる赤城山★★★★
榛名湖のボート積み上げ冬はじめ★★★
雨の中冬ばら散りて隠れなし★★★
廣田洋一
初冬やしまひ込んだるトラクター★★★★
道端を多彩に染める落葉かな★★★
雌と雄一対拾ふ銀杏落葉★★★
多田有花
加古川の流れを望む十一月★★★
冬浅き水管橋を渡りけり★★★
かいつぶり一羽のみにて水に揺れ★★★★

桑本栄太郎

冬夕焼け明日を信じて疑わず★★★★
「明日を信じて疑わず」と思わせるほどの冬夕焼のすばらしさ。ずばりと言い切って、「冬夕焼」だからこその説得力だ。(高橋正子)
西山の嶺のうねりや冬入日★★★
暮易しテールランプの赤信号★★★
11月8日(3名)
小口泰與
朝日浴び雪の浅間の輝きぬ(原句)
朝日浴び浅間の雪の輝きぬ★★★★(正子添削)
もとの句の「雪の浅間」はやや観念的な感じです。俳句は具体的にものに迫るのがいいと思います。(高橋正子)
白樺の初冬の風を流しけり★★★
国道の交通止めや山の冬★★★
廣田洋一
山茶花の白く浮きたる曇空★★★
初冬の釣り人群れる墨田川★★★★
寒くなってくると、人が集まるところに集まるのが人の常かもしれない。初冬、墨田川で釣れる魚は鯊だろうか。釣果よりも釣り糸を垂れる楽しみのようで、見ていて楽しそうだ。(高橋正子)
鍋焼きやこれもあれもと投げ入れぬ★★★
桑本栄太郎
せせらぎの底に紅葉や高瀬川★★★
黄落の川端通りの車列かな★★★
花梨の実色づき来たる建仁寺(原句)
花梨の実あまた色づき建仁寺★★★★(正子添削)
もとの句は、花梨が生っている様子がわかるとなおいいです。「色づき来る」
の「来る」は、さほど意味がないです。(高橋正子)
11月7日(4名)
小口泰與
月出でて門扉明るきり帰宅かな★★★★
川風や蘆の穂絮のやわやわと★★★
いのこずち軽トラックの農道を★★★
廣田洋一
予備品を鞄に入れる紙懐炉★★★
温石を抱きたる僧や忌を修す★★★★
温石は古く使われたものと聞くが僧ならば今も温石を懐に入れ暖をとることもあるのだろうか。そこがまた僧らしいところ。経をあげる僧も寒さを思えつつも、心あたたまる忌が修められた。(高橋正子)
立冬の空覆ひたる白き雲★★★
多田有花
バーベキューする人秋の河川敷★★★
申請書へ捺印赤し秋の暮れ★★★
今朝の冬静かな雨が降り続く★★★

桑本栄太郎

雨ながら紅葉且つ散る庭の木々★★★
雨降りて更に色濃く冬に入る★★★
トーストの焦げ目確たり冬来たる★★★★
11月6日(3名)
廣田洋一
束ねたる稲穂の摘まれ刈田かな
「摘まれ」は「積まれ」のミスタイプでしょうか。
鶴来る池の水面を白く染め★★★
精一杯首を伸ばして鶴渡る★★★★
小口泰與
草の実のはじけ雀を飛び立たす★★★★
鳥はどんな小さな音にも聞き取って飛び立つ。小さな草の実がはじける音にも敏感だ。草の実と雀との世界は、アンデルセンの童話にもありそうな世界に思える。(高橋正子)
末枯や硫黄の匂う九十九折★★★
夕さりの逆光浴びし尾花かな★★★
桑本栄太郎
坂道をのぼり里へと山粧ふ★★★
山里の辻の地蔵や石蕗の花★★★
溝川の瀬音早きや泡立草★★★
11月5日(3名)
小口泰與
田を分けて鴉と雀落穂かな★★★
山上湖はや荒れ初めし草紅葉★★★★
秋雨や湯呑茶碗の欠けており★★★
廣田洋一
大きな葉滴光らせ芋畑★★★
芋の子や土より少し頭出し★★★★
衣被酒の肴に煮込みたり★★★
桑本栄太郎
ベランダに一葉落つや冬近し★★★★
もみづるや天辺赤き唐かえで★★★
橙の色づき来たる築地塀★★★
11月4日(4名)
小口泰與
鬼の子や利根の白波尖りける★★★
頂上や溶岩の影にて末枯れる★★★
朝餉なる味噌汁の香やそぞろ寒★★★★
廣田洋一
ニュースで知る木枯し一号なりしとは★★★
凩の吹きて現る星空よ★★★★
凩が吹くや、塵や雲を吹き払い星空が現れた。寒さのなかの星空は格別に澄んできらめいている。俗を離れた星空の世界が美しい。(高橋正子)
凩や色付きし葉を落としたる★★★
桑本栄太郎
ベランダに一葉落つや冬近し★★★★
躍るためゑのころ風を誘いけり★★★
木々の枝の照葉となりぬ夕日かな★★★
古田敬二
団栗の落ちたばかりの輝きに★★★★
団栗は地に落ちてその姿形が目に止まる。落ちたばかりは、まだ艶やかで、いきいきと輝いている。はっと驚くような輝き。(高橋正子)
池中央陽のきらめきに鴨集う(原句)
池真中陽のきらめきに鴨集う★★★★(正子添削)
一つだけ枳殻の実の黄金に★★★
11月3日(5名)
小口泰與
薄野や夜来の雨の流人墓地★★★
牧閉す牛の耳標の薄れけり★★★★
放牧するときに牛の耳に標を取り付けるが、牧を閉ざすときになると、その標も陽や風や雨に晒されて薄れて来る。いまさらのように、放牧の季節が思い起
こされる。(高橋正子)
干されたる三和土の赤き唐辛子★★★★
廣田洋一
人気無き参道照らす石蕗の花★★★
ちららちらと木漏れ日光る石蕗の花★★★
神木の裾を黄色く石蕗の花★★★★

桑本栄太郎

菊並べ旗を立て居り文化の日★★★
錦秋と云うは今とや目の前に★★★
木の実落つ肩に頭に足下に★★★★

多田有花

雨一日過ぎて快晴朝の月★★★
パスタ茹でつつ見下ろす晩秋の街★★★
長き夜を長き貨物列車ゆく★★★★

古田敬二

掘り上げる見事豊作落花生★★★
どこからか子供らの声秋澄めり★★★★
どこからか、子供たちの声がくっきりと聞こえてくる。周囲が澄んでいるからこそ子供が耳にはれやかに届く。子供の声はいいものだ。(高橋正子)
八十翁団栗拾う幼子のように★★★
11月2日(4名)
廣田洋一
朝寒や思はず外を眺めやり★★★
朝寒や明星一つ残りをり★★★★
鳥よけのテープ光れる苅田かな★★★★
小口泰與
傾ぎたる残菊道を袈裟斬りに★★★
夕暮れの赤城の風や種瓢★★★
鈍色の空と利根川冬隣★★★★
桑本栄太郎
<祇園界隈三句>
雨ながらもみづりいたる祇園かな★★★
京なれや竹の結界置かれ秋★★★
色かへぬ松のみどりや建仁寺★★★★

多田有花

河川敷いずこも背高泡立草★★★
水澄むや昔渡しのありし場所★★★★
昔は渡し場でにぎわったところ。それなりの水深もあるだろう。今は水が澄んで往時を忍ばせている。さびしくならず、水が深々と澄んでいるのがいい。(高橋正子)
川沿いに座ればそこに藤袴★★★★
11月1日(4名)
小口泰與
掛接ぎの言の葉彼方秋の暮★★★
浅間嶺へすとんと没日吾亦紅★★★
峠越え来る友うれし葉鶏頭(原句)
葉鶏頭峠越え来る友のあり★★★★(正子添削)
多田有花
天高し水管橋の空色に★★★★
水門は閉じられてあり秋の水★★★
風なくて荻は静かにたたずめり★★★

廣田洋一
マンションの灯り少なき十三夜★★★
色鯉の浮かび来たれる十三夜★★★★
小春日の並木をゆっくり乳母車★★★

桑本栄太郎
<秋の祇園界隈>
大橋や四条の風の秋の色★★★★
京の一番のにぎわいを見せる橋、四条大橋も風が吹けば、いちどに秋の風情になって、さびさびとした情緒を漂わせる。鴨川に架かる大橋を吹く風は、かくも大きく風情を変える。(高橋正子)
二階家の花見小路や秋すだれ★★★
秋日さす赤き土塀や一力亭★★★

●11月月例ネット句会ご案内●


●11月月例ネット句会ご案内●
①投句:当季雑詠(秋の句・冬の句)3句
②投句期間:2020年11月2日(月)午前6時~2020年11月8日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:11月8日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:11月9日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、11月9日(月)正午~11月12日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之