ご挨拶
信之先生が亡くなられてこの度5月24日に一周忌を迎えました。信之先生を忍んで芍薬忌ネット句会を開催させていただきました。平日にも拘わらず、多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。またお心のこもった献句をいただき、感謝申し上げます。献句は、色紙に寄せ書きにして仏前に供えております。信之先生の忌日を「芍薬忌・信之忌」と名付けましたが、皆様に受け入れていただき、ありがたく思います。
信之先生の誕生日は5月28日で、この頃ちょうど庭に芍薬が咲くので、芍薬が咲けば、誕生日が来るという思いで、毎年芍薬が咲くのを楽しみにしておりました。命日も誕生日の4日前という芍薬の咲く時期になりました。こう言ったことで、芍薬忌と名付けさせていただきました。今後ともよろしくお願いします。
芍薬忌ネット句会の入賞の皆様おめでとうございます。また、お忙しい中、選とコメントをありがとうございました。お陰様でよい供養になりました。
これで芍薬忌ネット句会を終わります。
2024年5月31日
髙橋正子
晴れ
●今朝散歩に出て、いつもの崖っぷちの公園から出て知らぬ道路を歩いた。URの団地へ通じる尾根道でバス通りだった。この道のどこからでも下りるとわが家に近い道に出る。ちょうど下りたところに小鳥小屋があり、餌をやるのに小屋の金網を開けてあった。コザクラインコの番、セキセイインコ、カナリア、文鳥がいた。散歩のとき偶然ここを通ることがあるが、小屋の中が暗くて小鳥は見えなかった。小屋の上にはメダカの餌など雑多に置かれて、温度計、湿度計が貼り付けてある。ここに来るのはイレギュラーな道を選んだときだけ。小鳥たちの羽の色合いが、帰りながらも目に残った。
●朝顔の支柱を組む。物干し竿の三分の一ぐらいを支柱をくくるのに充てる。朝顔が咲いている間は、「朝顔に釣瓶とられてもらい水 千代女」ではなく、「朝顔に竿をとられて老ひとり 正子」となった。垣根のように支柱を組んだ。どんな色の花が咲くか楽しみ。
●きのう。夜も更けて、食器棚の整理。食器棚のガラス戸から見えるようにカップと並べて小さいドイツの絵本を長年飾っている。ドイツへの家族旅行のとき、まだ1年生だった句美子が、欲しがって手に握りしめていた10センチ四方ぐらいの絵本。私は読みもしないで、満開の林檎の花の下のピクニックの写真のところを開いて飾っていた。実は今日初めてそれをよく読んだ。老齢の今にいたるまで開いて読む余裕がなかった。『小さい光線』と題されて名言や詩の数行が書かれている。
「不幸に出会うたびに木を植えなさい。それはやがて木陰を作ってくれてあなたを喜ばせるだろう。」と言うアラビアの格言がはじめにあった。ゲーテやシラーの詩、キルケゴール言葉などが続いている。シューマンが曲をつけたリュッケルトの「Die Rose im Tau」(露の薔薇)の短い詩がある。こう見ると、ここにある言葉はドイツ人に親しまれている言葉なのだろう。この小さい本は、シュヴァルツヴァルトの出版社の本ながら、子供の本どころではなかった。また元に戻して飾った。
雨、のち曇り
●今朝起きるや、きのう早朝に崖っぷちの公園で会った人をふと思いだした。初めて出会う人だったが、少し遠くから散歩に来たようだった。ご主人が91歳で老衰で入院中とのことで、いつ何があるかわからないから、外出がままならないと話してくれた。
一緒に帰ることになった道で、「ご主人のことを思い出しますか。」と聞かれた。信之先生が91歳で亡くなったのは、1年と1週間前。「思い出す」ほど遠い話ではない。記憶にもまだなっていない気がする。「思い出すってほどのことはないですけど。」と答えると、その人は「今朝は話して、気持ちがすっとした。」「またお会いできるといいですね。」と言って坂道を下って行ったのだった。
●花冠371号の雑詠の選をはじめる。