晴れ
●家族の写真の整理。未整理の写真がたまっている。嫌になっては中断し、思い直しはまた始めるので、なかなか進まないが、全く進まないわけではない。
●『リルケ詩集』(富士英郎訳/新潮社)の裏表紙に「生の不安を繊細な神経のふうるえをもって歌った二十世紀前半ドイツ最大の詩人リルケの詩から特にリルケ的特徴の著しい物を選んだ。」と書いてある。「生の不安を繊細な神経のふるえともって歌った」と言う箇所、抒情詩人なら、リルケに限らないのではと思う。
リルケを遠ざけて来た一因に気づいた、権威に傷つき、権威を恐れていたためだろうと思う。権威あるひとは、大方亡くなったし、自分の生きて来た時間より、死ぬまでの時間の方が短いようなので、自分の面白いと思うように読めばよいのではと思うようになった。それからすれば、リルケの詩が深いのは、確かだが、私には、リルケは面白い事を言う人だと思える。彼の1922年から1926年までの詩を読むと、彼は面白い人だわかる。「オルフォイスへのソネット」を成したあとのしっとりと落ち着いて、明るく洗練された詩は、俳人の軽みの俳句に通じるものを感じている。リルケの詩を俳句的に読めばどうなるか、試してみるつもりだ。