●清記●
[20名60句]
01.雨いろの桜にさくらいろの雨
02.ぱらぱらと膝掛の飛花振り落とす
03.花屑を落として車椅子を積む
04.雨を得て大和三山草萌ゆる
05.この星の静謐願い花祭り
06.囀りの野山に溢れ明日香村
07.あけぼのの社の庭の落花かな
08.いとけなき落花をつかむ幼かな
09.次々に風にのりたる落花かな
10.襞なして肌ぬれてゆく甘茶仏
11.襟白く一年生のランドセル
12.菜の花の野に香を潜(くぐ)り隠れんぼ
13.小坊主はおさな馴染や甘茶寺
14.花冷えや姫路城なる野面積み
15.ひと風の花の吹雪きや姫路城
16.真直ぐを池に映して葦伸びる
17.葦芽吹く朝吹く風に揺れる丈
18.乳母車うまき夢見て花の下
19.花筏新河岸川の水面染め
20.朧夜の街を清かに花明り
21.爛漫の花影ゆれる樹下をゆく
22.花の屑付けて自転車帰りくる
23.地上にも空にもさくら夕暮れる
24.チューリップガラス器に茎のすっきりと
25.山歩き滴を宿す花惜しむ
26.散り敷ける花びらに幾筋もの轍
27.沸き起こる桜吹雪の下にいる
28.百段を数え登る子花の山
29.朱の鳥居眼下にひらく花見茣蓙
30.花御堂葺く子らどっと笑い声
31.山門をくぐればばっちり花祭り
32.崖のうえ空に近づく花御堂
33.雨続き土も柔らか草萌える
34.軽やかに水音たてて水温む
35.終日を老前整理菜種梅雨
36.咲き満ちて刻(とき)みちゆきて花の夜
37.花まつり花のトンネル抜け寺へ
38.満開の花の喜び誕生仏
39.裏山の菫すみれ色の濃し
40.甘茶仏甘茶にまろく濡れいたる
41.花御堂の花に加わる花さくら
42.さくら蕊のくれない深し瓦屋根
43.夜桜の広がる枝が照らされる
44.菜の花の群がる川辺快晴に
45.春光のまっすぐに射す散歩道
46.雨の粒ちりばめ光る花御堂
47.花御堂傘の色々さし連ね
48.寺の苔ふっくら青み花祭り
49.陽春へ季語つぎつぎと宅配食
50.月蝕や白白白白ゆきやなぎ
51.二日灸の動画をそえしメールかな
52.供花挿せば日差しの中に初音澄む
53.初つばめ駅舎を抜けて野の風へ
54.風音の野を渡りゆく仏生会
55.花冷えの午後を娘と歩きけり
56.吹き溜まりなれど見事な落花かな
57.山笑い一両列車の汽笛なる
58.花祭りいつもと違う飾りつけ
59.真っさらの制服の列入学式
60.桜散る中を歩いて学校へ
◆互選のご案内◆
①選句は、清記の中から5句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、4月8日(水)午後6時から始め、同日午後9時までに済ませてください。
③選句の投稿は、下のコメント欄にご投稿ください。
※1) 入賞発表は、4月8日(水)午後10時
※2) 伝言・お礼等の投稿は、4月8日(水)午後10時~4月9日(木)午前10時です。
★鈍行の列車に剥ける春卵 正子
鈍行の列車に揺られつるりと剥く春卵、おのずと春の明るく軽やかな旅心が伝わります。急ぐ旅ではないだけに、ゆったりと長閑な旅の一時がいっそう楽しく感じられます。(藤田洋子)
○今日の俳句
山辛夷一気に空の青へ咲く/藤田洋子
「一気に」が野生である山の辛夷らしい。待ちこがれたように噴き出して咲く。辛夷の見方に元気があり新しい。(高橋正子)
●箱根湿性花園に水芭蕉を見に行く予定。湿性花園は3月20日開園。入園料700円。小田原駅までJRで。小田原駅東口4番バス乗り場から箱根登山バスで仙石案内所前まで。そこから徒歩8分で至る。
○信之先生と娘の句美子との三人で箱根湿性花園に出掛ける。
高原に白き花咲き水芭蕉/高橋信之
○花楓

[花楓/横浜日吉本町(左:2013年4月1日・右:2011年4月13日)]
★楓咲きまだこぼれねば石すがし/水原秋櫻子
★花楓こまかこぼるる又こまか/皆吉爽雨
★花楓数へて小さき旅にあり/岡本眸
★花嫁にそそぐ日と風花楓/西宮舞
★日ごと読む詩の一書あり花楓/永見嘉敏
★境内に少女の合唱花楓/大信田梢月
★花楓昼間静かに学生寮/高橋正子
★凝らし見て色はくれない花楓/高橋正子
楓の若葉が開くころ、 すでに深紅の楓の花がちらちらと咲いているのに気づく。若緑と深紅が空にそよぐとなかなかいい風情。日吉本町2丁目の丘に慶応大学のゲストハウスか、あるいは中高校生の寮らしい建物がある。その庭に大きな楓があり、四月の新学期を迎えて、辺りはフレッシュな空気が漂う。反対側の民家にも楓があり、ちょうどトンネルのようになって潜り抜けると気分爽快。メイン道路なんてものもなく、気ままに歩くと出くわす花楓である。
カエデ(槭、槭樹、楓)とはカエデ科(APG植物分類体系ではムクロジ科に含める)カエデ属 (Acer) の木の総称。モミジ(紅葉、椛)とも呼ばれるが、その場合は様々な樹木の紅葉を総称している場合もある。主に童謡などで愛でられるものはそれである。赤・黄・緑など様々な色合いを持つ為、童謡では色を錦と表現している。
日本のカエデとして代表されるのは、イロハモミジ (A. palmatum) である。福島県以南の山野に自生しているほか、古くから栽培も行われている。園芸種として複数の栽培品種があり、葉が緑色から赤に紅葉するものや最初から紫色に近い葉を持ったものもある。一般に高木になる。落葉樹が多く落葉広葉樹林の主要構成種であるが、沖縄に自生するクスノハカエデのように常緑樹もある。葉は対生し、葉の形は掌状に切れ込んだものが多く、カエデの名称もこれに由来する(下記参照)。しかし、三出複葉(メグスリノキ)や単葉(ヒトツバカエデ、チドリノキ、クスノハカエデ)のものもある。花は風媒花で、花弁は目立たなく小さい。果実は二つの種子が密着した姿で、それぞれから翼が伸びる翼果である。脱落するときは翼があるので、風に乗ってくるくる回って落ちる。
日本では鮮やかな紅葉が観賞の対象とされ、庭木、盆栽に利用するために種の選抜および、品種改良が行われた。諸外国では木材や砂糖の採取、薬用に利用されるのみであったが、明治時代以後に西洋に日本のカエデが紹介されると、ガーデニング素材として人気を博し、西洋の美意識による品種も作られ、日本に「西洋カエデ」として逆輸入されている。
◇生活する花たち「菜の花・片栗の花・山桜」(横浜・四季の森公園)

★鈍行の列車に剥ける春卵 正子
鈍行の列車に揺られつるりと剥く春卵、おのずと春の明るく軽やかな旅心が伝わります。急ぐ旅ではないだけに、ゆったりと長閑な旅の一時がいっそう楽しく感じられます。(藤田洋子)
○今日の俳句
山辛夷一気に空の青へ咲く/藤田洋子
「一気に」が野生である山の辛夷らしい。待ちこがれたように噴き出して咲く。辛夷の見方に元気があり新しい。(高橋正子)
○花楓

[花楓/横浜日吉本町(左:2013年4月1日・右:2011年4月13日)]
★楓咲きまだこぼれねば石すがし/水原秋櫻子
★花楓こまかこぼるる又こまか/皆吉爽雨
★花楓数へて小さき旅にあり/岡本眸
★花嫁にそそぐ日と風花楓/西宮舞
★日ごと読む詩の一書あり花楓/永見嘉敏
★境内に少女の合唱花楓/大信田梢月
★花楓昼間静かに学生寮/高橋正子
★凝らし見て色はくれない花楓/高橋正子
楓の若葉が開くころ、 すでに深紅の楓の花がちらちらと咲いているのに気づく。若緑と深紅が空にそよぐとなかなかいい風情。日吉本町2丁目の丘に慶応大学のゲストハウスか、あるいは中高校生の寮らしい建物がある。その庭に大きな楓があり、四月の新学期を迎えて、辺りはフレッシュな空気が漂う。反対側の民家にも楓があり、ちょうどトンネルのようになって潜り抜けると気分爽快。メイン道路なんてものもなく、気ままに歩くと出くわす花楓である。
カエデ(槭、槭樹、楓)とはカエデ科(APG植物分類体系ではムクロジ科に含める)カエデ属 (Acer) の木の総称。モミジ(紅葉、椛)とも呼ばれるが、その場合は様々な樹木の紅葉を総称している場合もある。主に童謡などで愛でられるものはそれである。赤・黄・緑など様々な色合いを持つ為、童謡では色を錦と表現している。
日本のカエデとして代表されるのは、イロハモミジ (A. palmatum) である。福島県以南の山野に自生しているほか、古くから栽培も行われている。園芸種として複数の栽培品種があり、葉が緑色から赤に紅葉するものや最初から紫色に近い葉を持ったものもある。一般に高木になる。落葉樹が多く落葉広葉樹林の主要構成種であるが、沖縄に自生するクスノハカエデのように常緑樹もある。葉は対生し、葉の形は掌状に切れ込んだものが多く、カエデの名称もこれに由来する(下記参照)。しかし、三出複葉(メグスリノキ)や単葉(ヒトツバカエデ、チドリノキ、クスノハカエデ)のものもある。花は風媒花で、花弁は目立たなく小さい。果実は二つの種子が密着した姿で、それぞれから翼が伸びる翼果である。脱落するときは翼があるので、風に乗ってくるくる回って落ちる。
日本では鮮やかな紅葉が観賞の対象とされ、庭木、盆栽に利用するために種の選抜および、品種改良が行われた。諸外国では木材や砂糖の採取、薬用に利用されるのみであったが、明治時代以後に西洋に日本のカエデが紹介されると、ガーデニング素材として人気を博し、西洋の美意識による品種も作られ、日本に「西洋カエデ」として逆輸入されている。
◇生活する花たち「菜の花・片栗の花・山桜」(横浜・四季の森公園)
