晴れ
山の端の枯木もっとも冬の日を 正子
●正子の誕生日。
●自由な投句箱、12月30日、31日、1月1日、2日の★印と秀句のコメントを書く。
※当季雑詠3句(新年・冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之
1月10日(2句)
★老犬の眠りこけたり寒ぬくし/多田有花
寒中といえども温い日、老犬は眠りこけている。暖かくて、気持ちよいのだろうなあと思うが、老いの安けさを感じる。(髙橋正子)
★風止むる田沢湖いまを鳥渡る/弓削和人
風が止んだ今を見計らったのか、田沢湖の上を鳥が渡っていく。田沢湖はその水の色が瑠璃色とまで言われ美しい。鳥渡る田沢湖の「今」をよく捉えている。(髙橋正子)
1月9日(1句)
★駅前に集う晴れ着や成人日/桑本栄太郎
晴れ着を着た成人たちが駅前に集っている。成人式の式場に行くためにみんなが電車を降りたところかもしれない。たくさんの晴れ着姿に、通りすがりにも成人を寿ぐ。(髙橋正子)
1月8日(1句)
★水鳥の水脈きらめかせ番かな/廣田洋一
番の水鳥が水脈を引いて泳いでいる。日にきらきら輝いて、番だからこそ見せる睦まじさが穏やかな景色となっていい。(髙橋正子)
1月7日(1句)
★探梅のような散歩や日差し居り/桑本栄太郎
静かにも明るい日差しのなかを散歩していると、まるで探梅をしているような気持ちになった。日差しに誘われてのことながら、はやも梅が咲くのが待ち遠しいころになった。(髙橋正子)
1月6日(1句)
★除雪車の過ぎて一条道ひらく/弓削和人
雪のなかに一条の道がひらかれてモノトーンの日本画のような印象の句。「ひらく」がいい。(髙橋正子)
1月5日(1句)
★せせらぎの水禽せせる高瀬川/桑本栄太郎
高瀬川はもと京都市街と伏見の物流のための運河。底の平らな高瀬舟によって物が運ばれた。水路は変遷を経たようである。川の浅さを物語るように、「せせらぎ、せせる」の語が使われている。「水禽」が季語の力を発揮している。(髙橋正子)
1月4日(1句)
★知らぬ人なれど春着や懐かしき/弓削和人
春着を着ている人はどの年ごろの人だろう。懐かしさを覚える感覚がいい。(髙橋正子)
1月3日(1句)
★初御空真白き連山重なれり/弓削和人
「真白き連山」が凛と連なる。その姿に粛然とし、初御空に晴れやかな気持ちになる。句姿がよく内容にふさわしい。(髙橋正子)
1月2日(1句)
★庭隅の枝に鳥居る二日かな/小口泰與
正月二日という特別な日でなければ、庭隅に鳥が居ることにも、さほど心が動かないだろうが、わが家の庭隅に鳥が居るだけで、正月二日がうれしく、楽しい日になる。(髙橋正子)
1月1日(2句)
★渓流の流れ清らや年新た/小口泰與
新年の静寂から流れ出したように、渓流の流れは清らか。新年の神事を思わせる清らかさがいい。(髙橋正子)
★元日や湖水の果てを見晴らせり/弓削和人
元日の湖水の果てを見晴らす。その心に、美しい湖水の果てに未来の確かな一点を見つけたい気持ちを感じる。(髙橋正子)