晴れ
●「ヴァレの四行詩」(リルケ作・片山敏彦訳)にふれ、俳句的共鳴として俳句を作った。それぞれの詩の引用は第1行目だけを引用した。第1行目だけへの共鳴という意味ではなく、訳詩にまだ著作権があるための制約からである。「ヴァレの四行詩」はリルケが俳句を意識して作ったといわれる。四行詩(Quatrain)だが、四行だけではなく、四行を一連として2連~3連の詩となっている。俳句の本質から言えば、4行で収めてほしいところだが、西洋詩の構造からいうと、すくなくとも2連は欲しいのだと思う。俳句の前の番号は詩番号で、題名はない。
(一) 小さな滝つ瀬
滝つ瀬の奔りて己が水まとい 正子
リルケ作・「ヴァレ四行詩」(片山敏彦訳)第1行目
水の精(ニンフ)よ 裸身にさせるそのものを
(二)
初夏(はつなつ)の空へ空へと地や教会 正子
リルケ作・「ヴァレ四行詩」(片山敏彦訳)第1行目
山の路の中ほどに 地と空とのあいだに
(三)
夕翳のワインやきららに葡萄園 正子
リルケ作・「ヴァレ四行詩」(片山敏彦訳)第1行目
光の薔薇、それは今 こまかく砕ける一つの壁 ―
(四)
塔々に影さし光の葡萄園 正子
リルケ作・「ヴァレ四行詩」(片山敏彦訳)第1行目
昔ながらの国 いくつも塔はやはり立っている
(五)
ポプラ立ち山羊いる路の遠く行く 正子
リルケ作・「ヴァレ四行詩」(片山敏彦訳)第1行目
常春樹(きづた)に添うてつづくやわかな弧線(カーブ)
●WPのブログのコメント欄に書き込めない人のために、21スタイルの掲示板を使うことにして、昨日夜開設した。これは元俳句添削教室としてつかっていたもの。万一のときのために、費用は掛かるが残しておいた。災害などがあった場合、一つだけにしておくのは危険。オール電化の家で、停電した時のことを考えればわかる。どこか電気を使わなくても稼働するものをのこしておかないと。