2月22日(土)

晴れたり曇ったり

●府中の妹より野菜など穫れたものがいろいろ段ボールで送られてくる。当分は野菜を買わなくてよさそうだ。むかごや干し柿もある。実家の妹が送ってくれた野菜がちょうど無くなり、聖護院大根の千枚漬け風なのが美味しくなっている。ほかの料理より漬物の方がおいしい。先に漬物を食べてしまっている。料理をしなくていいか。

家のプランターの春菊は秋に種を蒔いたが、それがこの前の一時の暖かさで、ようやく育ち始めている。いつ食べれるか。
●一日英訳俳句の仕事。直せばきりがない。本のサイズに落としこむ。編集中リリー・クラウスのピアノバリエーションをずっと聞いていた。これはいろいろあって、素晴らしい。
Mozart by Lili Kraus – Piano Variations, Sonatas, Fantasy, Adagio .. (Century's record.: Lili Kraus)YouTubeClassical Music/ /Reference Recording
2017年3月31日

自由な投句箱/2月21日~2月28日

※当季雑詠3句(春の句・冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。 
    
     🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊
      今日の俳句『現代俳句一日一句鑑賞』(髙橋正子著)より
   右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
   名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句
2月28日
★木屋町や裏を流る春の水      水原 秋櫻子(みずはら しゅうおうし)
2月27日
★昃れば春水の心あともどり     星野 立子(ほしの たつこ)
2月26日
★男坂一気に磴る梅祭り       石井 信雄(いしい のぶお)🌸
2月25日
★梅林を透かす光が空の色      平田  弘(ひらた ひろし)🌸 
2月24日
★うしろより見る春水の去りゆくを  山口 誓子(やまぐち せいし)
2月23日
★ひた急ぐ犬に合ひけり木の芽道   中村 草田男(なかむら くさたお)
2月22日
★野の虹と春田の虹と空に合ふ    水原 秋櫻子(みずはら しゅうおうし)
2月21日
★囀や海の平を死者歩く       三橋 鷹女(みつはし たかじょ)

今日の秀句/2月21日~2月28日

2月28日(1句)

★かまくらの構え崩さず春遅し/弓削和人
雪を固めて作られるかまくらは雪国の風物詩であるけれど、今年の大雪のせいで、2月の終わりになっても、かまくらの構えがびくともしない。待ち遠しいはるは、なかなか来そうにない。雪国に暮らす人の切なる想い。(髙橋正子)
2月27日(1句)

★春日背に大きく伸びる万歩計/桑本栄太郎
背中に射す日差しが暖かくなると、どんどん遠くへ歩いて行きたくなる。万歩計もどんどん歩数をのばして、自分でもおどろくほどだ。伸び伸びした気持ちが句のよく現れている。(髙橋正子)
2月26日(1句)

★雪掻けど掻けど今宵の雪降りぬ/弓削和人
今年の雪の降り方は尋常ではない。出入り口の戸が開かなかったり、あまり雪の降らない地方でも雪が積もったりしている。作者は、毎日毎日雪掻きをするが、今宵もまた雪が降っている。雪の多さに負けず、力強く雪掻きをする作者の姿が見える。(髙橋正子)
2月25日(2句)

★白梅や遠くに見ゆる富士の山/廣田洋一
白梅と富士山の取り合わせがすがすがしい。遠景色の白い雪を冠った富士山も晴れ晴れしている。俗念を忘れそう。(髙橋正子)

★不器用な紐の結び目雛飾る/上島祥子
雛人形はなにもかも小さい。冠の紐を結ぼうとしても、なかなかきれいに結ぶのは難しい。不器用に結ばれた紐にかえって暖かみと愛らしさを感じる。私も雛人形の紐を結ぶのは苦手。弛んでしまう。(髙橋正子)
2月24日(1句)

★地に青く瞬き初めしいぬふぐり/多田有花
この句の「いぬふぐり」は「おおいぬのふぐり」のこと。おおいぬのふぐりは明治初期に日本に入ったヨーロッパ原産の花。日本のいぬふぐりはほとんど見られないとのこと。
いぬふぐりが咲き始めると、真っ先に地に春が来たという印象を持つ。太陽の光を受けて花が開くので、「光で瞬いている」と言える。虚子に
「犬ふぐり星のまたゝく如くなり 虚子 」がある。(髙橋正子)
2月23日(2句)

★鴨川のはるか北山はだれ雪/桑本栄太郎
四条大橋のたもとからの景色とのこと。鴨川は京都を代表する川だが、はるかにはだれ雪を冠った北山がある。京都を俳句で画に描いた。(髙橋正子)

★川波のきらめき揺るる春隣/土橋みよ
「春隣」には、「川波のきらめき揺るる」がかかっている。そんな春隣なのですよ、ということ。広やかで、おだやかな心境が感じられる句。(髙橋正子)
2月22日(2句)

★知らぬ間に春の雪の降りいたり/多田有花
春の雪が、いつともなく、気が付かない間に降っている。いかにも春の雪らしく、はかなさと、やわらかさが感じられる。(髙橋正子)

★雀らの啄む春の土匂う/森下朋子
「春の土匂う」が、いい。春になると、土までも生命力が増すのか、科学的には微生物などが活発になるせいだろうが、土の匂いがする。雀たちも群がって啄んでいる。早春の感じがよく出ている。(髙橋正子)
2月21日(1句)
 
★水脈長く引きて一羽の残り鴨/桑本栄太郎
一羽の残り鴨が長く引く水脈が、水面の広さと静かさを想像させてくれる。残った鴨に孤独感より、むしろ平淡な感じだ。(髙橋正子)

2月21日~2月28日

2月28日(4名)
小口泰與
幾とせか仕舞いしままの雛飾り★★★
この湖畔恋の聖地や春の夕★★★
老犬のいさかう声や冴返る★★★

多田有花
大橋の上を雲ゆく二月尽★★★
陽春や肩の力を抜き歩く★★★
お出かけや春のショールをふわり巻き★★★

桑本栄太郎
走り根の縁石に添う春うらら★★★
頬よぎる風柔らかに二月尽★★★
番ごと入江につどう残り鴨★★★

弓削和人
船つき場葉もれ日かすか春浅し★★★
湖眩し小びとの運ぶ春きざし★★★
かまくらの構え崩さず春遅し★★★★

2月27日(5名)
小口泰與
雪浅間幾日雪解の春の朝★★★
幾十度訪ねし丘の百千鳥★★★
雪解水威勢の強き鳥の声★★★

廣田洋一
白魚や玻璃の器にきらめけり★★★
公園の入口塞ぎ犬ふぐり★★★
日を浴びて赤く燃え立つ桃の花★★★

桑本栄太郎
春日背に大きく伸びる万歩計★★★★
集落の甍きらめく春日かな★★★
ほろほろと馬酔木のつぼみ咲く構え★★★

弓削和人

来客にまったき笑顔やチューリップ★★★
正面の玄関を開く牡丹百合★★★
古書店の主のとなり鬱金香★★★

 土橋みよ
春の朝散歩の人の息弾む★★★
春夕べ味噌の香りの曲がり角★★★
柔らかき色をまといて猫柳揺る ★★★
2月26日(4名)
 
小口泰與
塩梅を聴きて登るや春の山★★★
鶯の鳴きいる声に跳ね起きし★★★
春なれや奇岩の妙義風の中★★★

桑本栄太郎
西山の嶺を駆けゆく春日影★★★
陽光の雲の切れ間や春きざす★★★
春の瀬の光り流るる在所かな★★★

廣田洋一
日向にて人待ち顔の犬ふぐり★★★
空の色青く取り込み犬ふぐり★★★
丼に白魚盛りて昼餉かな★★★

弓削和人
からいえのぽつりぽつりの雪野かな★★★
軒よりの氷柱風切り立ちにけり★★★
雪掻けど掻けど今宵の雪降りぬ★★★★
2月25日(5名)
小口泰與
庭に来る野鳥番や春夕べ★★★
朝の日の光の先の百千鳥★★★
年ふりて春の樹木の主かな★★★

廣田洋一
白梅や遠くに見ゆる富士の山★★★★
パリパリの若布溶かしてスープかな★★★
弘前城白一色に冴え返る★★★

桑本栄太郎
剪定を終えて瘤なす狭庭かな★★★
雲影の山はだ走る春きざす★★★
吹き抜ける風の田面やいぬふぐり★★★

土橋みよ
春日和柔らかき色纏いつつ(原句)
春日和やわらかき色纏いけり(正子添削)
添削は、柔らかき色をまとったのは、作者ということになります。原句は「つつ」があるので、纏いながら、誰が何をしたのか曖昧です。はっきり、何がどうだと言うことが大切と思います。(髙橋正子)

新海苔とチーズの恵み力満つ★★★

上島祥子
不器用な紐の結び目雛飾る★★★★
腹這いの子の写真立雛飾る
「写真立」は写真を入れるものになります。「写真立て」とすれば、写真を立てるの意味になります。(髙橋正子)

取説の文字は小さく雛飾る★★★
2月24日(5名)
小口泰與
初鮒や三山未だ覚めやらず★★★
あり合わせ物にて昼餉春祭★★★
三方は雪解の山や川荒るる★★★

桑本栄太郎
同じ夢又も見て居り朝寝かな★★★
降りつつも路面に消ゆる春の雪★★★
不器男忌やふるさとの雪想い居り★★★

多田有花
余寒とも言えぬ長びく寒さかな★★★
風に乗り流れくるかな春の雪★★★
地に青く瞬き初めしいぬふぐり★★★★

廣田洋一
折鶴と並べ飾りし紙雛★★★
人形飾る子はいなくなり雛祭★★★
東北の雪の止みたり風光る★★★
弓削和人
僧房のかそけき灯り山眠る★★★
長靴の跡を数える雪野かな★★★
冬の原けものの跡も音もなし ★★★★
2月23日(4名)

小口泰與
あぜ道をすたすたありく春の星★★★
囀りの朝朝聞こゆ庭の木木★★★
枝枝を翔けて雲雀のありどころ★★★

多田有花
街歩く余寒の風を身に受けて★★★
春浅き星を見上げて夜歩く★★★
早春の朝日が部屋に入り初めし★★★

桑本栄太郎
<京都四条大橋界隈より>
鴨川のはるか北山はだれ雪★★★★
そぞろ行く花見小路や春の雪★★★
せせらぎに春の鷺立つ高瀬川★★★

土橋みよ
川波のきらめき揺るる春隣★★★★
山茶花のこぼるる小径ひとり掃く★★★
冬日差し水路の壁はキラキラと★★★
2月22日(5名)
小口泰與
あわあわと風を巻きたる半仙戯★★★
春ショール雲のあわいに日を沈め
「雲」は比喩と思いますが、曖昧です。(髙橋正子)
大利根の荒ぶる波や春の風邪★★★

多田有花
われ知らぬ間に降りぬ春の雪★★★★
知らぬ間に春の雪の降りいたり(正子添削)
「われ知らぬ」の「われ」が強すぎるので、なくていいのではないですか。(髙橋正子)
光明るしいかに余寒の厳しくも★★★
天皇の驚く余寒の続きおり★★★

森下朋子
久々のお洒落ババ友針供養(原句)
お洒落して友も来ており針供養(正子)

雀群れパンくず啄む土匂う(原句)
雀らの啄む春の土匂う(正子添削①)
パンくずを啄む雀ら春の土(正子添削②)

季語がないので季語を入れました。(髙橋正子)
サァ散歩老犬老女に山笑う★★★

廣田洋一
大仏に合格祈る高校生★★★
残る鴨番の水脈を残しおり(原句)
残る鴨番の水脈を残しけり(正子添削)
元の句で、間違いではありませんが、詠嘆の気持ちをいれました。(髙橋正子)
白梅に紅梅の枝絡み合い★★★

桑本栄太郎
どうだんの枝の芽ぐみや稚けなく★★★
この句が惜しいのは、「芽ぐみと」「稚けなく」が同じ様子になっていることです。色などに気づかれませんでしか。(髙橋正子)
沈丁花のつぼみふくらむバス停に★★★
土曜日のブラスの音色春きざす ★★★
2月21日(2名)

小口泰與
冴返る上州風の甚だし★★★
東はやあまねく春の陽ざしかな★★★
足裏に春の音色を聴きに★★★

桑本栄太郎
一羽とて水脈の長きや残り鴨(原句)
「とて」が理屈っぽいので添削しましたが、一羽の残り鴨なのでしょうか。(髙橋正子)

水脈長く引きて一羽の残り鴨(正子添削)

うつし世を厭うて居りぬ鳰潜る★★★
ようやくに綻び来たり梅一輪★★★