NEW9月2日(火)

晴れ
  ゆうまくん二句
秋の蚊のさしあと赤く児がねむる 正子
寝返りがあそびで暑き日が暮れる 正子
秋暑しラッシュアワーに乗合す  正子

●朝の日が少し斜めに差すようになって、秋めいてきた。角川の自選5句のについて、美知子さんからメール。「谷水を啄み鶺鴒水の上/美知子」の句について、好きな句なのだが、すこしもわっとした感覚が残るのはなぜか考えた。「啄み」が説明になっているのだ。「啄む鶺鴒」とすれば鶺鴒のイメージがはっきりする。そこなんだと気づいた。

●かなりリルケに頭が侵されている。夜中、イタリア語講座を見ていた。語学よりも文化的なものを伝えてくれるので面白いから見ていたのだが、講師の男性の一人が髭を生やしたリルケの似顔絵によく似ているのだ。

最近では、髭を蓄えた男性が目につくようになった気がする。私の父親も戦地で軍馬に乗り、髭を生やした姿で写真に収まっていた。これは第二次世界大戦中のこと。最近では、テレビの広告に「どうする?GOする」に出て来る髭の男性も魅力的だし、某企業の社長の髭は文豪の誰かのようだ。某社長は、たまごサンドが外国人に人気なので、これの世界展開を考えていると、一見ミニマムでありながらも世界規模の話を自然な日本語で話した。わたしはてっきり、彼を日本人と思い、「日本人の髭もジェントルマンらしくなった」と感想をもったのだ。ところが、字幕に出た彼の異国人らしい名前に思い込みが外れた。「日本人の」は、行き場を失った。

髭を生やした男性について。私は旧知のある方を若い時しか知らないでいる。ところが最近、ウェブサイトを検索中に、偶然にその方らしい写真をネット上で見て、思わず息を呑むほど驚いたのだった。本当にその方かどうか確認したかったが、二度とそのサイトが出てこなかった。その方の若い時のイメージからは、決して想像できない変化なのだ。その写真は現役時代の講演の時の写真らしかった。夜ねむりながら、その方のイメージを作り直していた。その口髭は、彼の地位を表し、彼の人生の成熟の現れなのか、彼はお洒落を楽しむ余裕があるのかなどを思い、口髭を蓄えたその方を静かに受け入れた。その方の若い時、わが家でみんなで食事した時の楽しそうな会話を思い出した。そうだ、その方にはそういう一面があったのだと思い直した。それは多分、その方の色気というものであろうと。時の流れをまとい、成熟と余裕が滲むような魅力とでも言おうか。

●俳句日記を8月1日にWordPressに移転してはじめてUSAからアクセスがあった。
Thank you for visiting and viewing my Haiku Journal. This is the first time someone from the USA has accessed it since I opened the journal on August 1st on WordPress.