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麦秋の魚焼きけり塩光らせ 正子
●東の空に入道雲のような雲が湧き上がっていた。きのうより、湿気が多く、散歩で汗をかいた。今日もURの中を信之先生と歩いた。パイバス近くまでくると、小鳥の声が空に弾けている。目を凝らすと雲雀が空へ揚がっていくのが見えた。URのあるところは、元、田んぼ。雲雀が揚がるのも当然かもしれない。
●夕食は焼き魚にしようと思ってスーパーを覗くとイサキがあった。今頃のイサキは、瀬戸内では麦わらイサキと呼ばれて、美味しいのだ。麦わらで蛍籠を編むころ、ちょうどイサキがおいしい。焼いて一口食べて、ああ、と。イサキは麦秋の味。炊き立ての白いご飯がおいしい。
●「ボケ日和」(長谷川嘉哉著)を読む。認知症専門医の著書。笑う話であるが、これが現実となれば、すざましいことになる。高齢化社会は認知症との闘いかもしれないぞ、と思う。
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●気温はそこそこ高いが、風が心地よく吹く。午前中、信之先生とURの中を散歩して、バイパスのところまで行く。道路を隔ててベンツの店がある。夕方また散歩をし、近所の喫茶店に寄る。喫茶店には、ドバイの砂だの、サハラ砂漠の砂、モロッコの砂など10種類ほどが箱に入れてあった。店主夫妻が世界中旅行して持ち帰ったものとのこと。旅行が趣味で、行ってないのはアイスランドとどこかだと言っていた。
●俳壇から原稿依頼。好きな植物2種類以上で新作5句出句せよとのこと。101人の特集。好きな植物は、きりなくあるが、俳句映えするのとは違うので、どうしよう。で「稲」と「蓮の花」に今のところ決めた。好きというより、私の体に何年もかけて馴染じみ一体化している植物だ。角川歳時記やネットで「蓮の花」の俳句を検索すると、万とある。西洋の詩にも「蓮の花」ある。とても手ごわい。これを新しく詠んでこそではないかと、57年続けて来たのではないかと、思い直すと、いろいろなことが湧いてきた。
この5月オペラシティでウィーン在住の日本人のテノール歌手の初リサイタルがあった。行ってはないが、オールシューマンで「詩人の恋」が歌われたということだった。たまたま彼のYOUTUBEを見ていたので、「詩人の恋」からではないが、彼が「ミルテの花」からハイネの詩?の「蓮の花」を歌っているのを聞いていた。Lotosblumeとして出て来る。蓮の花と訳されている。「蓮の花が恋人の月に顔を向けて」とある。実際、蓮の花は明け方咲いて、昼頃すぼむ。月に咲く花ではない。睡蓮と言う訳もあったが、睡蓮はSeeroseと別にある。ちょっとこれは、不勉強で私的には謎である。蓮の花の句を詠むのに気になる。