●6月月例ネット句会投句案内●
①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2017年6月5日(月)午後1時~2017年6月11日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:6月11日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:6月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、6月12日(月)正午~6月14日(水)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之
明るくて深い 現代語による俳句を。よい生活から よい俳句を。
●6月月例ネット句会投句案内●
①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2017年6月5日(月)午後1時~2017年6月11日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:6月11日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:6月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、6月12日(月)正午~6月14日(水)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之
※当季雑詠3句(夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之
◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
http://blog.goo.ne.jp/kakan02
★八十八夜のポプラに雀鳴きあそぶ 正子
八十八夜と言えば童謡「茶摘み」を思い起こします。この頃は柔らかな日差しと眼にも優しい若葉がそよぎ爽やかな風を心地よく感じられる季節です。また雀たちは日脚の伸びた明るいポプラに何時までもその喜びに囀っていたのでしょう。若葉と囀り、明るさに満ち溢れた夏の近づく音を感じます。また、「鳴きあそぶ」に可愛い雀に対して作者の優しい眼差しをも思われます。 (佃 康水)
○今日の俳句
筍を茹でつつ糠を噴き零す/佃 康水
筍を茹でるとき油断すると灰汁を抜き、柔らかくするために加えた糠が吹きこぼれる。鍋や釜の縁に吹きこぼれた糠がこびりつくこともある。しかし、こういう事に季節の暮らしがある。(高橋正子)
○八十八夜
★磧湯(かわらゆ)の八十八夜星くらし/水原秋桜子
★きらきらと八十八夜の雨墓に/石田波郷
★逢ひにゆく八十八夜の雨の坂/藤田湘子
★旅にて今日八十八夜と言はれけり/及川 貞
★八十八夜都にこころやすからず/鈴木六林男
八十八夜(はちじゅうはちや)は、雑節のひとつで、立春を起算日(第1日目)として88日目、つまり、立春の87日後の日である。21世紀初頭の現在は平年なら5月2日、閏年なら5月1日である。数十年以上のスパンでは、立春の変動により5月3日の年もある。
あと3日ほどで立夏だが、「八十八夜の別れ霜」「八十八夜の泣き霜」などといわれるように、遅霜が発生する時期である。一般に霜は八十八夜ごろまでといわれているが、「九十九夜の泣き霜」という言葉もあり、5月半ばごろまで泣いても泣ききれない程の大きな遅霜の被害が発生する地方もある。そのため、農家に対して特に注意を喚起するためにこの雑節が作られた。八十八夜は日本独自の雑節である。
この日に摘んだ茶は上等なものとされ、この日にお茶を飲むと長生きするともいわれている。茶の産地である埼玉県入間市狭山市・静岡県・京都府宇治市では、新茶のサービス以外に手もみ茶の実演や茶摘みの実演など、一般の人々も参加するイベントが行われる。
「♪夏も近づく八十八夜…」と茶摘みの様子が文部省唱歌『茶摘み』に歌われている。
昭和7年(1932年)『新訂尋常小学唱歌 第三学年用』
茶摘/文部省唱歌
一、
夏も近づく八十八夜、
野にも山にも若葉が茂る。
「あれに見えるは
茶摘ぢやないか。
あかねだすきに菅の笠。」
二、
日和つづきの今日此の頃を、
心のどかに摘みつつ歌ふ。
「摘めよ、摘め摘め、
摘まねばならぬ、
摘まにや日本の茶にならぬ。」
★高僧も爺でおはしぬ枇杷を食す 虚子
★青峡の中に一樹の枇杷の鈴 風生
★飼猿を熱愛す枇杷のあるじかな 蛇笏
★枇杷の実の上白みして熟れにけり 石鼎
★降り歇まぬ雨雲低し枇杷熟れる 久女
★枇杷を吸ふをとめまぶしき顔をする 多佳子
★枇杷買ひて夜の深さに枇杷匂ふ 汀女
★枇杷の種赤く吐き出す基地の階 不死男
枇杷(ビワ、学名: Eriobotrya japonica)は、バラ科の常緑高木およびその果実。中国南西部原産。英語の「loquat」は広東語「蘆橘」(ロウクワッ)に由来する。日本には古代に持ち込まれたと考えられている。またインドなどにも広がり、ビワを用いた様々な療法が生まれた。中国系移民がハワイに持ち込んだ他、日本からイスラエルやブラジルに広まった。トルコ、レバノン、ギリシャ、イタリア南部、スペイン、フランス南部、アフリカ北部などでも栽培される。葉は互生し、葉柄は短い。葉の形は20cm前後の長楕円形で厚くて堅く、表面が葉脈ごとに波打つ。縁には波状の鋸歯がある。花期は11~2月、白い地味な花をつける。花弁は5枚。葯には毛が密に生えている。自家受粉が可能で、初夏に卵形をした黄橙色の実をつける。果実は花たくが肥厚した偽果で、全体が薄い産毛に覆われている。長崎県、千葉県、鹿児島県などの温暖な地域での栽培が多いものの若干の耐寒性を持ち、寒冷地でも冬期の最低気温-10℃程度であれば生育・結実可能である。露地成熟は5月~6月。
枇杷の実で思い出すことはいろいろある。昔は田舎には、どの家にもというほどではなかったにしろあちこちに枇杷の木があった。雨がちな季節に灯をともすような明るさを添えていた。晩秋、枇杷の花が匂い、小さな青い実をいつの間にかつけて、この実が熟れるのを待っていた。枇杷が熟れると籠いっぱい葉ごともぎ取っていた。おやつのない時代、子どもは枇杷が大好きで沢山食べたがったが、大人から制裁がかかった。衛生のよくない時代、赤痢や疫痢を恐れてのことであった。サザエさんの漫画にもそんな話がある。枇杷を買ってきて、子どもに内緒で夜、大人だけこっそり食べる話。ところが寝ぼけた子どもが起きてきて、急いで食卓の下に枇杷を隠したものの、結んだ口から枇杷の種がポロリとこぼれ、露見するという話。
もうひとつ、童謡に「枇杷の実が熟れるよ、ねんねこ、ねんねこ、ねんねこよ」「枇杷の木がゆれるよ、ねんねこ、ねんねこ、ねんねこよ」という歌詞があった。灯ともすような枇杷の実の色は、幼子をやすらかな眠りに誘うような色だ。
今は、茂木枇杷など、立派で高価な枇杷が果物屋に宝物のように箱に詰められて並んでいる。
★枇杷の実の熟れいろ雨に滲みたり/高橋正子
6月10日(3句)
★幾たびもカーネーションの立ち上がる/川名ますみ
カーネーションの鉢植えだろう。水が足りなかったりしてし萎れ、水を遣ればまたしっかりと立ち上がる。それが幾たびも立ち上がり、健気だ。(高橋正子)
★日光の朝かっこうの声響く/多田有花
旅で聞くかっこうの声はまた特別の感慨であろう。日光の朝が、さわやかだ。(高橋正子)
★街灯下緑の中に銀杏の実/谷口博望(満天星)
銀杏の実は青くて太陽の強い光では葉にうずもれて見分けが付きにくい。街灯が当たると、銀杏の青い実がはっきりと見える。緑の中の、また違う緑の実。かわいい。(高橋正子)
6月9日(2句)
★一つとて同じ顔無き馬鈴薯掘る/古田敬二
買ってきた馬鈴薯は、大きさが揃えられているが、掘り起こしたばかりは、一つ一つ、大から小まで顔形が違う。丹精して育てた馬鈴薯。みんな違って、うれしい収穫。(高橋正子)
★たまさかに将棋指し居り庭涼み/桑本栄太郎
将棋界も中学生プロの藤井四段が現れ、今日6月10日25連勝となって、日本を沸かせている。たまには、涼みがてら将棋をさすものいい。庭涼みの将棋は、古き良き時代にタイムスリップしたよう。(高橋正子)
6月8日(2句)
★降る雨に逆らひ上る立葵/廣田洋一
雨は細かい雨であろう。雨に打たれるという風でなく、逆らうように、咲き上っている。立葵の立ち姿が、可憐ながらもきりっとしている。目の付け所がユニーク。(高橋正子)
★残業を帰りし吾子と新茶汲む/古田敬二
残業を終えて帰った我が子に、労いの新茶を汲む。酒ではなく、新茶であるのが清々しい。夜もまだ涼しいころ新茶を飲みながらの父子のさわやかな情愛。(高橋正子)
6月7日(2句)
★梅雨晴や木木鮮やかな照葉峡/小口泰與
梅雨晴の照葉の鮮やかなこと。特に、照葉が狭まる峡をゆくとき、その照葉の旺盛な力をもろに感じる。(高橋正子)
★金魚鉢一匹足して賑やかに/廣田洋一
金魚鉢に金魚が2匹いる、そこへ一匹入れ3匹に。3匹なら、一匹入れ四匹に。見慣れた数の金魚に一匹加わることで、金魚鉢が賑やかに、華やかになる。いきいきとした金魚、きれいな水。うれしくなる。(高橋正子)
6月6日
★飛行機雲泰山木の花の間に/谷口博望(満天星)
泰山木の大らかなぽっかりとした白い花は、高いところに咲くのも魅力だ。空に近い。飛行機雲が走るそのなかの白く大きな花の魅力がたっぷりな句だ。(高橋正子)
6月5日(2句)
★畦川の川音(かわと)高きや夏つばめ/小口泰與
田んぼへ水を行き渡らせる畦川の水が勢いよく流れ、夏つばめがさっそうと飛んでいる。さっぱりとした、潔い風景だ。(高橋正子)
★遠雷やハウス野菜の香り立つ/廣田洋一
ハウスの中なのだろう。遠雷を聞く。その小さな聴覚の緊張に、ハウス栽培の野菜の瑞々しい匂いがした。
(高橋正子)
6月4日(3句)
★紫陽花や曲がり角にて青信号/廣田洋一
曲がり角に来て運よく青信号。その青信号の色と紫陽花の色の青が響いて、軽く幸せ。(高橋正子)
★県道を麦焼く煙覆いけり/小口泰與
麦秋の季節の昔の経験を懐かしく思した。県道沿いの畑で麦藁を焼くと煙が広がって前も見えないほど。その煙と匂いの中を子供たちは、面白がって走り抜けた。(高橋正子)
★外つ人の祇園闊歩や半ズボン/桑本栄太郎
外国人は、日本の湿気のある暑さに閉口するようだが、それにしても不思議なほど早くからタンクトップや半ズボンで街を歩く。そんな外国人の闊歩も京都祇園を生き生きとさせている。(高橋正子)
6月3日(2句)
★小さな巣子燕二羽が首を出す/廣田洋一
可愛いと、誰もが思う風景だ。「二羽」が可愛い。(高橋信之)
★青空と雲の流れやあめんぼう/桑本栄太郎
「青空と雲の流れ」の中に「あめんぼう」を捉えた。「あめんぼう」を身近に引き寄せた的確な観察は、その存在を捉えた。(高橋信之)
6月2日(2句)
★銭あおい上り電車の近づきぬ/多田有花
銭あおいは線路の近くによく咲いている。「上り電車」が、生真面目に力を入れて近づいてくる。庶民的な花と庶民の生活の脚のである電車を詠んで生活感のある句となった。(高橋正子)
★赤城より出づる川なり草苺/小口泰與
赤城山の清涼な水が川となって流れる。川辺には草苺が熟れて、生き生きとした景色が目に見える。(高橋正子)
6月1日(2句)
★ヒロシマの過去を背負いて夾竹桃/谷口博望 (満天星)
夾竹桃は暑い盛りを咲き続け、強靭な花だ。私には、8月の田舎の夏の暑さのやるせなさを思い出させる。そして、戦争の後や、戦争写真などから、こうであったろうという思いと結びつく。ヒロシマの原爆に焼けなかった夾竹桃がある。(高橋正子)
★翅たたみ草と揺れゐる糸蜻蛉/廣田洋一
翅をたたみ、動きを静止した糸蜻蛉が、草の葉の揺れに身を任せている。かすかな、青い細い体が自然に身を委ねることで、強く思える。(高橋正子)
6月10日(6名)
●川名ますみ
夏帽子空席に載せ会いに行く★★★
太陽と同じ姿にダリア咲く★★★
幾たびもカーネーションの立ち上がる★★★★
カーネーションの鉢植えだろう。水が足りなかったりしてし萎れ、水を遣ればまたしっかりと立ち上がる。それが幾たびも立ち上がり、健気だ。(高橋正子)
●廣田洋一
白百合のそつぽ向き合ひ咲きにけり★★★★
見て見てと黄色く咲けり百合の花★★★
百合匂ふ愛でたる人の高きかな★★★
●多田有花
<日光への旅三句>
日光の朝かっこうの声響く★★★★
旅で聞くかっこうの声はまた特別の感慨であろう。日光の朝が、さわやかだ。(高橋正子)
若楓宿の窓辺に光りおり★★★
日光や殉死の墓に九輪草★★★
●小口泰與
山風や山梔子の香を誘いける★★★★
白菖蒲祖父より継ぎし草双紙★★★
花蜜柑園児輪になる遊戯かな★★★
●桑本栄太郎
みどり濃き葉裏に放つ花ざくろ★★★★
真夏日や眠気催すプロペラ機★★★
あめんぼの流れに飽きて飛びにけり★★★
●谷口博望(満天星)
晩鐘や翡翠岩に来てをりぬ★★★
翡翠のホバリンブ見て被爆川★★★
街灯下緑の中に銀杏の実★★★★
銀杏の実は青くて太陽の強い光では葉にうずもれて見分けが付きにくい。街灯が当たると、銀杏の青い実がはっきりと見える。緑の中の、また違う緑の実。かわいい。(高橋正子)
6月9日(5名)
●谷口博望(満天星)
緑さす球果の踊るヒマラヤ杉★★★
「安らかに眠つて下さい」菩提樹咲く★★★
緑陰や外人同志囲碁を打ち★★★★
●古田敬二
一つとて同じ顔無き馬鈴薯掘る★★★★
買ってきた馬鈴薯は、大きさが揃えられているが、掘り起こしたばかりは、一つ一つ、大から小まで顔形が違う。丹精して育てた馬鈴薯。みんな違って、うれしい収穫。(高橋正子)
指先を染めて甘き桑イチゴ★★★
桑の実に指染められて故郷かな★★★
●小口泰與
鐘の音と更紗満天星響き合う★★★
綿菅や志賀高原に雲もなし★★★★
昼顔や田川の流れ滔滔と★★★
●廣田洋一
走り梅雨いつも通りのパンケーキ★★★
梅雨入りす形ばかりの雨降りぬ★★★★
梅雨晴間古きアパート解体す★★★
●桑本栄太郎
なめくぢや家の無き子に辛き雨★★★
たまさかに将棋指し居り庭涼み★★★★
将棋界も中学生プロの藤井四段が現れ、今日6月10日25連勝となって、日本を沸かせている。たまには、涼みがてら将棋をさすものいい。庭涼みの将棋は、古き良き時代にタイムスリップしたよう。(高橋正子)
灯を消して夜風に愛でる蛍かな★★★
と6月8日(5名)
●小口泰與
若竹や夕映え盛ん浅間山★★★
釣竿を弾ます岩魚釣にけり(原句)
釣竿を弾ませ岩魚釣られけり★★★★(正子添削)
十薬や蹠に集う子犬達★★★
●廣田洋一
青空へ咲き上りける立葵★★★
降る雨に逆らひ上る立葵★★★★
雨は細かい雨であろう。雨に打たれるという風でなく、逆らうように、咲き上っている。立葵の立ち姿が、可憐ながらもきりっとしている。目の付け所がユニーク。(高橋正子)
立葵すらりと立ちて華やげる★★★
●谷口博望 (満天星)
菱形の鎧を纏ふ花柘榴★★★
青春の泰山木の花匂ふ★★★
梯梧散るプロムナードの石畳★★★★
●桑本栄太郎
雨脚の着かず放れず梅雨の峰★★★★
雨垂れの音に眠気の梅雨入りかな★★★
言霊の詐欺師ならんや七変化★★★
●古田敬二
夕日射す芍薬優しき色となる★★★
残業を帰りし吾子と新茶汲む★★★★
残業を終えて帰った我が子に、労いの新茶を汲む。酒ではなく、新茶であるのが清々しい。夜もまだ涼しいころ新茶を飲みながらの父子のさわやかな情愛。(高橋正子)
三粍の命となりてメダカ生る★★★
6月7日(4名)
●小口泰與
梅雨晴や木木鮮やかな照葉峡★★★★
梅雨晴の照葉の鮮やかなこと。特に、照葉が狭まる峡をゆくとき、その照葉の旺盛な力をもろに感じる。(高橋正子)
先行者居らぬ渓流風かおる★★★
四方八方(よもやも) の鳥語さかんや五月山★★★
●廣田洋一
餌ねだる金魚の声かあぶく湧く★★★
金魚鉢一匹足して賑やかに★★★★
金魚鉢に金魚が2匹いる、そこへ一匹入れ3匹に。3匹なら、一匹入れ四匹に。見慣れた数の金魚に一匹加わることで、金魚鉢が賑やかに、華やかになる。いきいきとした金魚、きれいな水。うれしくなる。(高橋正子)
金魚逃げ水を掬ひて破れけり★★★
●谷口博望 (満天星)
慰霊碑の供花の中にマリア像★★★
片蔭を遠眼鏡手に探鳥会★★★★
凝然と鷺の立ちたる青田かな★★★
●桑本栄太郎
梅雨冷や昼餉終わりて茶碗の湯★★★
雨垂れの音に眠気の梅雨入りかな★★★
標的の愛しき娘なり草矢打つ★★★★
6月6日(4名)
●小口泰與
新緑をふわりと包む白き雪★★★
懸命に終の一滴新茶かな★★★
時計屋の時報まちまち走り梅雨★★★★
●廣田洋一
玉葱やサラダに混ぜる恋心★★★
さくさくと新玉葱のサラダかな★★★★
枯れ葉色玉葱剥きて白き肌★★★
●満天星
時計台鳴れば開ける蓮の花★★★
飛行機雲泰山木の花の間に★★★★
泰山木の大らかなぽっかりとした白い花は、高いところに咲くのも魅力だ。空に近い。飛行機雲が走るそのなかの白く大きな花の魅力がたっぷりな句だ。(高橋正子)
「ちちをかえせ」の原爆詩碑やバラの花★★★
●桑本栄太郎
鴨川の堰水光る川床座敷★★★
新緑の峰に十字架天王山★★★★
朽ち来たる頭巾となりぬ山法師★★★
6月5日(4名)
●小口泰與
畦川の川音(かわと)高きや夏つばめ★★★★
田んぼへ水を行き渡らせる畦川の水が勢いよく流れ、夏つばめがさっそうと飛んでいる。さっぱりとした、潔い風景だ。(高橋正子)
反対の杓文字なつかし風かおる★★★
花茄子や老斑の手にぐい呑よ★★★
●廣田洋一
遠雷や別れし友の声聞こゆ★★★
遠雷やハウス野菜の香り立つ★★★★
ハウスの中なのだろう。遠雷を聞く。その小さな聴覚の緊張に、ハウス栽培の野菜の瑞々しい匂いがした。
(高橋正子)
遠雷や鈍色の空濃くなりし★★★
●谷口博望 (満天星)
音立てて泰山木の花開く★★★★
被爆川盥のようなボート行く★★★
菩提樹咲き燃え続けたる平和の灯★★★
●桑本栄太郎
つぶつぶの雨を乞い居り額の花★★★
鴨川の宵風そよぐ川床座敷★★★
子燕や祇園小路の軒の端に★★★★
6月4日(5名)
●谷口博望 (満天星)
屋根瓦拾ふ人あり夏の川★★★★
慰霊碑の池に手を入れあめんぼう★★★
慰霊碑へ世界から来て蝌蚪生る★★★
●廣田洋一
白き花ぽつぽつ咲けり額紫陽花★★★
紫陽花や毬を広げて雨を待つ★★★
紫陽花や曲がり角にて青信号★★★★
曲がり角に来て運よく青信号。その青信号の色と紫陽花の色の青が響いて、軽く幸せ。(高橋正子)
●小口泰與
著莪の花図書館の灯の消えにけり★★★
県道を麦焼く煙覆いけり★★★★
麦秋の季節の昔の経験を懐かしく思した。県道沿いの畑で麦藁を焼くと煙が広がって前も見えないほど。その煙と匂いの中を子供たちは、面白がって走り抜けた。(高橋正子)
花茄子や今朝の赤城の紫紺なる★★★
●多田有花
熊が出たという話あり初夏の山★★★
ほととぎす森の奥へと誘いおり★★★★
明易きベランダに出て湯を沸かす★★★
●桑本栄太郎
<四条大橋界隈>
外つ人の祇園闊歩や半ズボン★★★★
外国人は、日本の湿気のある暑さに閉口するようだが、それにしても不思議なほど早くからタンクトップや半ズボンで街を歩く。そんな外国人の闊歩も京都祇園を生き生きとさせている。(高橋正子)
見晴るかすはるか鞍馬の青嶺かな★★★
風抜ける木下闇なり高瀬川★★★
6月3日(4名)
●谷口博望 (満天星)
島間の眠るタンカー河鵜飛ぶ★★★
川底に揺るる子犬や青嵐★★★
行々子深い眠りの乳母車★★★★
●小口泰與
いちはつの屋根や赤城の山の風★★★
てつせんや山の裾野の大風車★★★★
隣よりカレーの匂い草むしり★★★
●廣田洋一
小さな巣子燕二羽が首を出す★★★★
可愛いと、誰もが思う風景だ。「二羽」が可愛い。(高橋信之)
さわさわと木々の囁く緑夜かな★★★
緑陰を流れる風に立ちつくす★★★
●桑本栄太郎
青空と雲の流れやあめんぼう★★★★
「青空と雲の流れ」の中に「あめんぼう」を捉えた。「あめんぼう」を身近に引き寄せた的確な観察は、その存在を捉えた。(高橋信之)
まだ少し列にうねりの青田かな★★★
薫風や名画音楽聴き過ごす★★★
6月2日(6名)
●川名ますみ
猫なくて姫檜扇を少し挿す★★★
陽の射してダリアひとひらずつひらく★★★★
一片のひらくダリアに日は入りぬ★★★
●谷口博望 (満天星)
絡み合ひ天中超えて紋白蝶★★★
椎の花仄かに匂ふ山の昼★★★★
里山の夏鶯のしじまかな★★★
●多田有花
染め抜きし暖簾の下の吊玉葱★★★
六月の風が木漏れ日の下を★★★
銭あおい上り電車の近づきぬ★★★★
銭あおいは線路の近くによく咲いている。「上り電車」が、生真面目に力を入れて近づいてくる。庶民的な花と庶民の生活の脚のである電車を詠んで生活感のある句となった。(高橋正子)
●廣田洋一
店先の琵琶の実光り客を呼ぶ★★★★
琵琶の実や黄色く灯る皿の上★★★
琵琶すする口より溢る甘き汁★★★
●小口泰與
木苺や杣も稀なる獣径★★★
日の差すや葉の際やかに雨後の薔薇★★★
赤城より出づる川なり草苺★★★★
赤城山の清涼な水が川となって流れる。川辺には草苺が熟れて、生き生きとした景色が目に見える。(高橋正子)
●桑本栄太郎
まつりごとの天の怒りや真夜の雷★★★
木々の枝の影の頻りや青嵐★★★
裏返る葉裏の白く涼気来る★★★★
6月1日(5名)
●谷口博望 (満天星)
ヒロシマの過去を背負いて夾竹桃★★★★
夾竹桃は暑い盛りを咲き続け、強靭な花だ。私には、8月の田舎の夏の暑さのやるせなさを思い出させる。そして、戦争の後や、戦争写真などから、こうであったろうという思いと結びつく。ヒロシマの原爆に焼けなかった夾竹桃がある。(高橋正子)
英霊へ線香一本木下闇★★★
花ユッカいつまで続く自爆テロ★★★
●小口泰與
気に入りのジーンズ見つく二重虹★★★
天命を守りて来しや心太★★★
あけぼのの木隠れ沢の岩魚かな★★★★
●多田有花
組み立ててかたわらに据え扇風機★★★★
街薄暑鍼灸院へつづく道★★★
六月やしばらく珈琲をやめる★★★
●廣田洋一
頭と尾瑠璃の色濃き糸蜻蛉★★★
翅たたみ草と揺れゐる糸蜻蛉★★★★
翅をたたみ、動きを静止した糸蜻蛉が、草の葉の揺れに身を任せている。かすかな、青い細い体が自然に身を委ねることで、強く思える。(高橋正子)
美しき色敵を呼び寄す糸蜻蛉★★★
●桑本栄太郎
陸橋に立てば吹き上ぐ青葉風★★★★
目覚居て夢の途切れや真夜の雷★★★
モノ黒の母も褪せ居り写真の日★★★