●デイリー句会投句箱/9月13日~19日●


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今日の秀句/9月13日~19日


[9月19日]

★風に揺れコスモス明るく野を飾る/迫田和代
コスモスの愛らしさは見るものの心を和ませる。野に揺れれば、野は明るく飾られる。素直な句だ。(高橋正子)

[9月18日]

★玄関のチャイムが鳴って月明り/高橋秀之
玄関のチャイムに戸を開けると月の明かりが差し込んだ。平和な月明かりの夜だ。(高橋正子)

[9月17日]

★夕茜へ吹かれ飄々秋の蝶/佃 康水
夕茜へ吹かれて飛ぶ秋の蝶を、「飄々」と捉えたのは、作者の心の在り様と推察するが、世俗を超えた印象がする。(高橋正子)

★かろがろと秋の草花硝子器へ/川名ますみ
秋草と硝子器の取り合わせが自然体でさわやか。「かろがろと」した秋草の印象が強まる。(高橋正子)

[9月16日]

★昇り来る日の壮大や稲穂波/小口泰與
豊かに稔る稲穂の波を輝かせて昇ってくる朝日を「壮大」と思う。大きな朝日への祈りがある。(高橋正子)

[9月15日]

該当句無し

[9月14日]

★水平線わずかに丸し秋の海/福田ひろし
遠く水平線を眺めると、地球の丸みに水平線がわずかに弧を描いているのがわかる。さわやかな秋の海が快く詠まれた。(高橋正子)

[9月13日]

★山すその畑のしじまや威し銃/桑本栄太郎
山すその畑は、静まり返っている。そこに威し銃がしじまを破って鳴り響く。威し銃の音によっていっそう静かさが強調される。(高橋正子)

9月13日〜19日


9月19日(4名)

●迫田和代
青々と峠の道の草の花★★★
風に揺れコスモス明るく野を飾る★★★★
コスモスの愛らしさは見るものの心を和ませる。野に揺れれば、野は明るく飾られる。素直な句だ。(高橋正子)

白桃の力を胸に句をつくる★★★

●小口泰與
ここよりは谷川岳や渡り鳥★★★
十州の境縦横渡り椋鳥(むく)★★★
虫の音や匂い振りまく草刈機★★★★

●河野啓一
山深き丹波高原吾も紅★★★
赤屋根の秋の牛舎や六甲山★★★
秋冷の杉木立かな水の音★★★★

●高橋秀之
秋日差す京都御苑の砂利の路★★★
秋雲は鴨川上流の山の上★★★★
秋風に吹かれて歩く河川敷★★★

9月18日(5名)

●祝恵子
水に影落として夫々案山子立つ★★★
作り手のかかし子らの名を連ね★★★
色つきし鬼灯雨の雫つけ★★★★

●小口泰與
靄の中忽と案山子のデスマスク★★★
水澄むや手のひらの上榛名富士★★★
あけぼのや稲穂の色の定まりぬ★★★★

●河野啓一
明日香野の棚田に稲架の二つ三つ★★★
大和より地酒届くや敬老日★★★
吾が肩をふわと追い越す草の絮★★★★

●桑本栄太郎
<古希同窓会にて上京>
<名古屋>
秋日さすビルの高きは名古屋かな★★★
<浜松・浜名湖>
池の面にソーラーパネルや秋日影★★★
<富士吉田>
秋天の煙突あまたやけぶり居り★★★★

●高橋秀之
梨の皮慣れぬ手つきで剥く息子★★★
口の中にじわっと水分冷えた梨★★★

玄関のチャイムが鳴って月明り★★★★
玄関のチャイムに戸を開けると月の明かりが差し込んだ。平和な月明かりの夜だ。(高橋正子)

9月17日(5名)

●小口泰與
火口湖の風の中なる秋桜★★★★
湖の稚魚を見ている走り蕎麦★★★
忽然と人と見まがう案山子かな★★★

●河野啓一
森の辺を群れて軽々赤とんぼ★★★★
雨を得て土手に並ぶや曼珠沙華★★★
秋夕焼け早く帰ろう日が暮れる★★★

●佃 康水
夕茜へ吹かれ飄々秋の蝶★★★★
夕茜へ吹かれて飛ぶ秋の蝶を、「飄々」と捉えたのは、作者の心の在り様と推察するが、世俗を超えた印象がする。(高橋正子)

色変えぬ松や古刹に影の濃し★★★
掛稲へ棹ごとシート掛けられる★★★

●川名ますみ
かろがろと秋の草花硝子器へ★★★★
秋草と硝子器の取り合わせが自然体でさわやか。「かろがろと」した秋草の印象が強まる。(高橋正子)

草の実にえのころ添えし一束を★★★
案ずるはその粒ほどに実むらさき★★★

●福田ひろし
路地裏に秋潮の香のさやかなり★★★★
海軍の施設は朽ちて秋の海★★★
西の果ての岬に立ちし秋の暮★★★

9月16日(2名)

●小口泰與
走り行くボートの影や秋の暮★★★
すれ違う朝の挨拶稲雀★★★

昇り来る日の壮大や稲穂波★★★★
豊かに稔る稲穂の波を輝かせて昇ってくる朝日を「壮大」と思う。大きな朝日への祈りがある。(高橋正子)

●桑本栄太郎
走りゆく雲の茜や鳥威し★★★★
つり人の通う小径や荻の風★★★
のぞき見るコスモス畑やバスの窓★★★

9月15日(2名)

●小口泰與
赤赤と夕日そびらに夕化粧★★★★
稲雀こぼれし二羽の行方かな★★★
寝そびれてはや梢に小鳥来る★★★

●河野啓一
曼珠沙華虎尾草とコンサート★★★
新小豆大納言とて売られけり★★★
路地裏の鬼ごっこかな白粉花★★★★

9月14日(2名)

●福田ひろし
水平線わずかに丸し秋の海★★★★
遠く水平線を眺めると、地球の丸みに水平線がわずかに弧を描いているのがわかる。さわやかな秋の海が快く詠まれた。(高橋正子)

南洋へ貨物船出づ秋の朝★★★
鰯雲返信のなき些事に倦む★★★

●小口泰與
稲の穂や羽音高らか群雀★★★
飛び立ちて大うねりせる稲雀★★★★
あさがおや独り大工の匠技★★★

9月13日(2名)

●小口泰與
いと古りし柱時計や秋扇★★★
初紅葉山は冠雪あらまほし★★★
靴先を濡らす畷や暁の虫★★★★

●桑本栄太郎
山すその畑のしじまや威し銃★★★★
山すその畑は、静まり返っている。そこに威し銃がしじまを破って鳴り響く。威し銃の音によっていっそう静かさが強調される。(高橋正子)

雨止めば風のくすぐり猫じやらし★★★
裏庭の軒の木蔭や蘇枋の実★★★

9月19日(土)

★たっぷりと雲湧く台風過ぎしより  正子
台風が過ぎ去った後には秋晴れの好天となり、もくもくと白い雲が湧きあがりさわやかな日になります。 (小口泰與)

○今日の俳句
間引菜やあかあかと朝日出づ/小口泰與
朝の露を踏んで菜を間引くと、朝日があかあかと昇る。素晴らしい秋晴れの朝だ。間引菜の稚いみずみずしさと朝日は生まれ出た喜び。(高橋正子)

○2011年9月19日/イギリス旅行
 早朝、イギリス旅行へ、娘の句美子と横浜の自宅を発つ。娘に誘われての旅である。20年ほど前の家族4人でのドイツ旅行が思い出される。1990年に家族でドイツ旅行をした。二十一年の歳月が流れ、六歳の句美子は9月3日に二十八歳になった。信之先生は、留守番役。帰国は、9月26日の予定。
 午前11時30分成田空港発のヴァージン・アトランティック航空0901便でロンドンへ出国。宿泊は、ロンドンから北へ314km離れたチェスターのホテル。リヴァプールの近くです。(信之記)

▼イギリス一美しいと言われるチェスター:
http://urara-y.at.webry.info/201007/article_10.html

○稲刈

[稲刈/横浜市緑区北八朔]          [稲干す/横浜市緑区北八朔]

★世の中は稲刈る頃か草の庵 芭蕉
★みるうちに畔道ふさぐ刈穂哉 杉風
★稲刈れば小草に秋の日のあたる 蕪村
★落日が一時赤し稲を刈る/青木月斗
★稲を刈る夜はしらたまの女体にて/平畑静塔
★月の水ごくごく飲んで稲を刈る/本宮哲郎

早苗取り、田植え、田草取り、稲刈り、脱穀、籾干しなど、一連の稲作の仕事は、小学生から中学生ぐらいまではすべて手伝って経験した。稲刈りは、今よりもっと遅く、日暮れが早かったと思う。子どもは、手が小さいので、刈り取る稲も少しずつしか刈り取れない。鎌で指を切ったこともあるが、それでも猫の手よりましだったのだろう。子供の主な仕事は、大人が束ねた稲を運んで稲架(はざ)架けることだった。稲を刈ったあとの田んぼは広くなり、虫も飛び出し、自由に遊べたので、稲刈りは結構面白かった。夏の田草取りは、手ではなく、小さい回転刃のある農具を稲株と稲株の間に入れてざぶざぶと押して田草の根を切るものだった。暑い盛りだったが、田んぼを吹く風が気持ちよかった。大人は苦労だったろうが、子供には、田草取り以外は楽しいものだった。親類が集まって、早苗を植える間隔を決めるコマのついた綱を張り田植えをした。稲は鎌で刈る。脱穀も足踏み式のものだったが、ごりんごりんと調子よく稲穂が藁から離れていった。籾干しは、筵に広げて干すが、籾干し用たの農具があった。グランドを均すような溝のある道具だ。庭に干すので、籾を干した傍で遊ぶのは厳禁。ボールが飛んで行ったときは、ひやひやして筵の端を踏んで取りにいった。小石が籾に入ったのでは大変だから。そのほかにも籾と玄米を風を起こして振り分ける大げさな農具もあった。50年ほども前のことで、今なら農具資料館などに展示されてあるようなものだ。

★田の土の匂いが強し稲を刈る/高橋正子
★稲を刈りバッタ飛びたる弧が澄みぬ/〃

 稲刈り(いねかり)とは、熟したイネを収穫するために切り取る農作業で、普通は根元からその穂ごと切り取る。古代には穂のみを切り取ったと考えられるが、現在では株の基部で切り取るのが普通である。刈り取った稲は、普通はその基部で縛って束ね、ぶら下げて乾燥させる。実際の米の収穫はこれ以降の脱穀の過程で行われる。人力のみで行われていたころは、大きな人数を要し、集中して行う必要のある作業であった。稲刈りは古来より、日本の農村部における秋の代表的な風物でもある。秋祭りは、その年のイネが無事に収穫されたことを祝い、来年も豊作であることを祈願する祭りである。日本では第二次世界大戦後も久しく、鎌を用いて手作業で稲刈りが行われた。稲刈りに使用する鎌は、刃先が鋸になった特殊なもので、イネの茎の切断が容易に出来るよう工夫されている。稲刈りの実際の作業は、近年のコンバインの登場によって大きく様変りした。
 コンバインは1940年代に初めて登場し、徐々に普及した。稲刈りから脱穀までの作業を一貫して行えるのがコンバインの特徴である。稲刈りから脱穀をまとめて行うが、その間籾の乾燥工程がないので、脱穀された籾は直ちに専用の穀物乾燥機にかけられる。現在でも、山間地や棚田など大型の農業機械の導入が困難な田んぼ(圃場整備が行われていない千枚田など)では、バインダーで刈り取り、稲架にかけて乾燥、ハーベスターで脱穀するという組み合わせで収穫するか、もしくは鎌を用いた従来通りの作業方法が採られている。
 コンバインの普及により作業時間は大幅に短縮されたが、車両後方に排出される藁のくずが皮膚に付着すると、比較的大きな痒みや(人によっては)肌荒れが起きる為、コンバイン搭乗者以外の作業従事者は作業時の風向きに十分注意する必要がある。稲刈りを行っている農家が顔を覆うようにタオルや手ぬぐいを着用しているのは、その痒みを事前に防ぐ為である事が多い。近年は高価ではあるがキャビン(操縦席が密閉されているもの)付きの車両も登場しており、エアコンが搭載されている事も含め、搭乗者の負担は大幅に減少しているようだ。
 刈り取られた稲は水分が多いので、稲架にかけて天日干しされ、十分乾燥した頃に脱穀を行う。人力のみに頼ったころは、多人数が必要であったから、当然のように子供も動員された。そのため農村域では学校でも休暇を設定しているのが普通であった。農繁休暇と呼ばれたが、一般には稲刈り休みと呼んでいた。
 神社で神に捧げる少量の稲を神職や氏子などの手により作られている場合もあり、この場合、稲刈りはだいたい手作業で行われる。皇居でも生物学御研究所脇に御田があり、毎年9月下旬頃に天皇が自ら手作業で稲刈りをする。この行事は昭和天皇が始めたもので今上天皇にも引き継がれている。収穫した稲は伊勢の神宮に納めたり、皇居内の神事に使うほか、天皇一家の食事にも使用されている。

◇生活する花たち「犬蓼・吾亦紅・チカラシバ」(横浜下田町・松の川緑道)