◆8月ネット句会清記◆

■8月ネット句会■
■清記/19名57句

01.盆波や小雨の沖に舟一艘
02.入れ替わり立ち代り来る盆の客
03.色褪せし遺影をかざり終戦日
04.きちきちの鎌に追はれて右左
05.手をつなぎ母の古里桃実る
06.特攻の鹿屋の球児甲子園八月
07.嬬恋の空の深しや濃竜胆
08.風に乗り霧とくとくと森の中
09.釣糸のもつれ解くや鳳仙花
10.黒揚羽いろはにほへと一筆箋

11.嘶きて駒駆け抜くる秋野かな
12.玄関を開くれば入る盆の月
13.墓洗い高祖父の名に触れてみる
14.秋の虹妻と同時に気付きたり
15.秋来る明治の大屋根威厳あり
16.茄子の馬腹を空かせて見し時も
17.ひと雨の過ぎて澄みいる法師蝉
18.細き音して清流の秋花火
19.鈴虫の声がかすかに夜の道
20.秋晴れて千本鳥居の中を行く

21.欄干の上を蜻蛉が浮き上がる
22.晴れの日も雨降る日にも夏帽子
23.台風次々日本列島駆け巡る
24.彩雲のぽっかり浮かび秋立ちぬ
25.水鳥の泳げる池にハスは実に
26.草むらの吾亦紅見つけ触れてゆく
27.盆参り盛り上がりおり島言葉
28.揚げ花火最中来る船かえる船
29.若者のおぅと打ち込む盆太鼓
30.牧に風立ちて殖えたる赤蜻蛉

31.秋蝉に雨後の夕風立ちそめし
32.仏花入れ山のひぐらし鳴き始む
33.盆過ぎて朝風の入る窓を拭く
34.立秋の堀に浮かべる飛行雲
35.稲穂揺れ雲たなびける今朝の空
36.白桃をむく指先の力抜き
37.みんみんのど真ん中で聞く車椅子
38.田舎にはこんな物しかと岩魚焼く
39.三ヶ月の昇る力に空仰ぐ
40.小ぶりなる桃に残暑の光あり

41.黒きみどり銀杏並木は秋暑し
42.高き木の蝉音指差す幼き児
43.丘の家に盆来て盆の瓜なすび
44.歩くのが好き歩き始めし児の夏よ
45.留守居して独り聞く冷房の音を
46.ゆるキャラが輪の外で待つ盆踊り
47.秋出水泥をものともせぬ球児
48.台風もB29も南から(終戦忌)
49.うら若き僧の読経や盆の月
50.茄子の牛父幾たびも振り返り

51.川岸を覆ひ尽くすや虫の声
52.時早しいつしかちちろの庭となる
53.入れる刃に白桃つるりと潔し
54.観音像を丸くまわりてオニヤンマ
55.桔梗咲き一輪青く陽にあたる
56.秋茄子の香ばしく焼ける新居
57.新しい包丁すっと桃を剥く

※選句を開始してください。

◆互選のご案内◆
①選句は、清記の中から5句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、8月19日(火)午後6時から始め、同日(8月19日)午後10時までに済ませてください。
③選句の投稿は、下のコメント欄にご投稿ください。
※1) 入賞発表は、8月20日(水)午前10時です。
※2) 伝言・お礼等の投稿は、8月20日(水)午前10時~8月21日(木)午後6時です。

8月19日(火)

★白桃の無疵を少女に剥き与う  正子
お子さんへ選ばれた無疵の白桃、向きあい、お話をしながら剥いてわたす、幸せな一時です。(祝恵子)

○今日の俳句
足場組む上へと徐々に秋空へ/祝恵子
足場が徐々に組まれ行く様子を見上げて、秋空をよく感じている。丁寧な写生がよい。(高橋正子)

○カンナ

[カンナ/横浜市港北区日吉本町]      [カンナ/横浜市港北区箕輪町]

★老いしとおもふ老いじと思ふ陽のカンナ/三橋鷹女
★鶏たちにカンナは見えぬかも知れぬ/渡辺白泉
★王様はこのごろ不安花カンナ/丸山海道
★押してゆく自転車カンナの海へ出る/西川碧桃
★カンナ咲く遥かな海を照らしつつ/鈴木夏子
★ピアニカを吹く緋のカンナ黄のカンナ/丹沢亜郎

カンナ科はカンナ属のみで構成されます。熱帯アメリカを中心に約50種が分布する毎年花をさかせる多年草で、地下に根茎(球根)をつくります。日本には江戸時代前期にカンナ・インディカ(和名:ダンドク)が渡来し、現在では河原などで半野生化しているものが見られます。カンナはギリシア語で「アシ(葦)」を意味し、その草姿がアシに似ているところに由来します。
草丈が1m-2mになる大型種と40cm-50cm程度におさまる矮性種(わいせいしゅ)に大きく分けられます。冬は地中の根茎の状態で越し、春に芽を出して葉を広げます。葉は長だ円形や先のとがったやや細長いかたちで、色は緑や赤銅色、葉脈に沿って美しい斑の入るものもあり花のない時期も充分楽しめます。
花どきは主に夏-秋、花の形態はやや特異で6本ある雄しべが1本を残してすべて花びらになり※1、雌しべはへら状になります。花色は緋色、ピンク、オレンジ、黄色、白などがあり、葉に斑点や模様のはいるものも多く非常にカラフルです。

生活する花たち「白むくげ・萩・藤袴」(東京・向島百花園)