2月17日(月)

晴れのち曇り
冴返る月は小さく天心に     正子
凍てもどり夜をもどれる通勤人  正子
夜はもう本だけ読みぬ余寒かな  正子

●暖かさも今日まで。午後曇って来て寒くなっている。ハート内科受診。診察の待ち時間、ニトリにも寄ったが『マルテの手記』を読んでいた。今日読んだところは、ママンがマルテに話した事。
「マルテ、わたしたちはみんなうかうか暮らしているのね。世間の人々は何やかに気をちらし、ただ仕事だけに忙しそうで、ふだんの生活などにはちっとも気を配っていないのです。だから、まるで流星か何かが飛んだほどにも、気をかけぬのに違いないわ。誰一人見ようともせぬのだわ。このごろは、誰も心に願いを持つなんてことはなくなっていましました。けれども、マルテ、おまえは心に願いを持つことを忘れてはいけませんよ。願いごとは、ぜひ持たなければなりません。それは、願いのかなうことはないかもわからないわ。けれども、本当の願いごとは、いつまでも、一生涯、持っていなければならぬものよ。かなえられるかどうかなぞ、忘れてしまうくらい、長く長く持っていなればならぬのですよ。」
ここはさりげないようだが、花冠の俳句では大事にしているところ。信之先生が「人間は理想がないと生きられない」と時に話していたが、それを思い出した。ママンの言うことは人間には「願いが一生必要だ」ということ。願いは理想と置き換えてもいい。

●句美子に「わたしの本どうなってるの?」と聞かれる。そうなのだ。やりかけて、進捗状況は芳しくない。『手袋の色』の子ども俳句の部分「貝がら」を英語俳句に直したものをイラスト付きで本にする計画。翻訳はできている。「まえがき」と「あとがき」もほぼできているので見直しは必要だが、あとイラストを20個ぐらい探し、本の表紙をどうするか、この重要なところが残って、なかなか進まない。特に表紙の紙が難問。半分あきらめかけているが、これは句美子が許すまい。

●元希が来るからと、子どもの本を本棚から選り出しておいた。そのなかのパフィンブックスの『The Children of Noisy Village』(やかまし村のこどもたち)を開いてみた。リンドグレーンの童話だが、無邪気な子供たちの冒険やいたずらや、それにかかわる大人たちの一話一話が温かくて、素敵で、面白く、大人でも引き込まれて読まされる。今夜は病院に行ったし、本を読むだけにして眠る。