●デイリー句会投句箱/9月7日~12日●


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今日の秀句/9月7日~12日


[9月11日]
★天高し飛機滑走路を離れたり/河野啓一
滑走路を離れ飛行機が晴れた空へを飛び立つ。青く高く晴れた空へ、飛行機と共に飛んで行きたいような晴れやかな気持。(高橋正子)

[9月10日]
★雨上がり玲瓏として草ひばり/小口泰與★★★★
草ひばりはフィリリリと鳴いて、鈴を振るような声とされる。塵が洗われた雨上がりは、特に秋気が澄み、小さな草ひばりの声も「玲瓏」と感じられる。(高橋正子)

[9月9日]
駄菓子屋の軒先き深し秋澄めり/福田ひろし
軒が深く、レトロな看板も昔のままであるような駄菓子屋のたたずまい。その駄菓子屋がくっきりと印象づけられるのも、空気が澄んできたせい。「秋澄む」ころは郷愁も湧く。(高橋正子)

★瀬戸内を大きく跨ぎ秋の虹/高橋秀之
瀬戸内の海を大きく跨いで架かる虹が、大きな夢を見させてくれる。大きな虹の弧をくぐって、晴れ晴れとした世界へゆきたいような気持になる。(高橋正子)

[9月8日]
 剣山登山
★竜胆やつるぎの霧にまぎれつつ/多田有花
登山の道で竜胆に出会えたのは、実にうれしいもの。私が来るのを咲いて待っていてくれたかのように思える。高山の霧にまぎれながら咲く竜胆が美しく可憐。(高橋正子)

[9月7日]
★山峡の湖青からむ鬼やんま/小口泰與
補虫網を手にし、蜻蛉や鬼やんまを追いかけていた少年の頃を懐かしく思う。少年にとっては、父母がいて、家族があって、世の中が平和で、幸せであった。(高橋信之)

9月7日~12日

9月12日(2名)
●小口泰與
曼殊沙華はや彼岸花まんじゅさげ★★★
竹春や牧の子馬の脚の丈★★★
料理待つその間も酒と新生姜★★★★

●桑本栄太郎
青空の底抜けにけり野分去る
(添削)野分去り青空の底抜けるほど★★★★
芸大の垣根につづく葛の谷★★★
パソコンの機嫌斜めや夜半の秋★★★

9月11日(3名)

●小口泰與
白塗りの稚児の泣き顔秋祭★★★
三日月の刃の如し忠治の温泉(ゆ)★★★
月白や小諸の宿の鯉料理★★★★

●河野啓一
天高し飛機滑走路を離れたり★★★★
滑走路を離れ飛行機が晴れた空へを飛び立つ。青く高く晴れた空へ、飛行機と共に飛んで行きたいような晴れやかな気持。(高橋正子)

花カンナ芝生抽んで背比べ★★★
大口を開けて人形胡桃割る★★★

●桑本栄太郎
朝冷えや想いめぐらす旅の空★★★★
身に沁むや病院バスの演歌聞く★★★
鬼怒川の憤怒なりしや秋出★★★水

9月10日(3名)

●小口泰與
雨上がり玲瓏として草ひばり★★★★
草ひばりはフィリリリと鳴いて、鈴を振るような声とされる。塵が洗われた雨上がりは、特に秋気が澄み、小さな草ひばりの声も「玲瓏」と感じられる。(高橋正子)

上州の風と育つや秋キャベツ★★★
風の中リフトの下の藤袴★★★

●河野啓一
干されたるするめ烏賊かな日に映えて★★★★
露草のつゆの雫や日を返し★★★
秋めくや茅で葺かれし鄙の里★★★

●高橋秀之
飲み会を終えて帰りの秋の空★★★
秋の夜の始発駅で待つ列車★★★★
秋の夜の夫婦の会話のすれ違い★★★

9月9日(6名)

●小口泰與
竜胆や鴉の声の高かりし★★★★
夕ぐれの雨の竜胆杣の宿★★★
我が髪膚病も無しや色葉散る★★★

●河野啓一
さわさわと野道たどれば女郎花★★★★
秋の道逍遥すれば合歓の花★★★
秋台風通り抜けたり静寂に★★★

●福田ひろし
駄菓子屋の軒先き深し秋澄めり★★★★
軒が深く、レトロな看板も昔のままであるような駄菓子屋のたたずまい。その駄菓子屋がくっきりと印象づけられるのも、空気が澄んできたせい。「秋澄む」ころは郷愁も湧く。(高橋正子)

秋遍路かなた備前か備中か★★★
秋めきて麒麟のような雲流る★★★

●桑本栄太郎
秋雨や飛沫とび去る阪急線★★★
鬼灯の鉢飾りたる町家かな★★★★
秋雨の祇園の路地へ異邦人★★★

●小川和子
雲奔る蒼穹に立つ秋の虹★★★
秋の虹薄れわが街茜さす★★★
新秋刀魚きらり光るを焼き上ぐる★★★★

●高橋秀之
ただいまの声より前に梨あるよ★★★
台風が過ぎて大空星多し★★★

瀬戸内を大きく跨いで秋の虹
(添削)瀬戸内を大きく跨ぎ秋の虹★★★★
瀬戸内の海を大きく跨いで架かる虹が、大きな夢を見させてくれる。大きな虹の弧をくぐって、晴れ晴れとした世界へゆきたいような気持になる。(高橋正子)

9月8日(5名)

●谷口博望
花薄瀬戸の島々見晴るかし★★★★
曼珠沙華こうのとりとの交信中★★★
秋めくや瓔珞の如梧桐の実★★★

●小口泰與
すすき野のすすき揺るがす入日かな★★★
馬追や朝日煌煌田を照らす★★★★
下り簗こちら見ている禽三羽★★★

●河野啓一
物産展阿波のすだちは小箱入り★★★
夕まぐれグランドの隅ちちろ鳴く★★★
秋場所の近きや隅田のふれ太鼓★★★★

●桑本栄太郎
秋雨の銀杏色づく梢かな★★★
鬼やんま見透かすように眼の遇いぬ★★★
赤とんぼ風の行方を報せけり★★★★

●多田有花
九月来る昼の驟雨に迎えられ★★★
秋の陽が差し込む森や蝉の声★★★
剣山登山
竜胆やつるぎの霧にまぎれつつ★★★★
登山の道で竜胆に出会えたのは、実にうれしいもの。私が来るのを咲いて待っていてくれたかのように思える。高山の霧にまぎれながら咲く竜胆が美しく可憐。(高橋正子)

9月7日(3名)

●小口泰與
名山の山巓見えず薄見ゆ★★★
山峡の湖青からむ鬼やんま★★★★
補虫網を手にし、蜻蛉や鬼やんまを追いかけていた少年の頃を懐かしく思う。少年にとっては、父母がいて、家族があって、世の中が平和で、幸せであった。(高橋信之)

朝露やおちこちの畑爺と婆★★★

●谷口博望
秋あわれ赤く染りし辛夷の実★★★★
秋さびし黒い実付けし花蘇枋★★★
秋懐や赤い実付けし山法師★★★

●桑本栄太郎
身のうえを嘆くようなり草ひばり★★★
緋色のみ残る畦あり曼珠沙華★★★★
田道ゆき溝の流れや稲穂波★★★

9月12日(土)

  尾瀬
★山小屋の湯にいて秋の笹の音  正子
山小屋でお湯につかっておられると、戸外で笹が擦れ合う音が聞こえてきました。山小屋の秋の夜の静かさ、清澄な空気が伝わってきます。 (多田有花)

○今日の俳句
傷に刃を当て傷物の梨をむく/多田有花
傷物の梨を剥こうとすれば、まず傷をとってからが普通の行為だが、「傷に刃を当て」と言われると神経がピリッとする。リアルな句だ。(高橋正子)

○瓢箪

[瓢箪/東京・向島百花園]          [瓢箪/横浜市緑区北八朔町]

★ありやうにすはりて青き瓢かな 涼菟
★花や葉に恥しいほど長瓢 千代女
★人の世に尻を居へたるふくべ哉 蕪村
★ひとりはえてひとつなりたる瓢かな 几董
★老たりな瓢と我影法師 一茶
★取付て松にも一つふくべかな 子規
★風ふけば糸瓜をなぐるふくべ哉 漱石
★吐せども酒まだ濁る瓢かな 碧梧桐
★露の蟻瓢の肩をのぼりけり 青畝
★あをあをとかたちきびしき瓢かな 蛇笏
★台風に傾くままや瓢垣 久女

私には弟がいて、男の子が喜ぶようなものとして、父が瓢箪と糸瓜を植えたことがあった。小型の瓢箪が沢山出来た。瓢箪の実から種を出さなければいけない。この種は水に瓢箪を付けて腐らせて出すのだと聞いたことがある。父がどのようにして種を抜いたか知らないが、いつの間にか、軽くなった瓢箪が家に転がっていた。おもちゃにした記憶はないが、なにかしら好ましい形で、我が家の瓢箪という感じだった。瓢箪は中にお酒を入れると艶よくなるそうである。瓢箪の好きなどこそこのご隠居さんは、お酒を含ませた布で毎日熱心に磨いているそうだと祖母が話していたこともある。最近は瓢箪集めという趣味も無くなってなっているのかもしれない、と思うと同時に、子供のころとは世の中が随分変わって来たのだと思う。昨年向島百花園に行ったときは、棚にうすみどり色のいい形の瓢箪が生っていた。

★瓢箪のさみどり色や向島/高橋正子

ヒョウタン(瓢箪、瓢簞、学名:Lagenaria siceraria var. gourda)は、ウリ科の植物。葫蘆(ころ)とも呼ぶ。なお、植物のヒョウタンの実を加工して作られる容器も「ひょうたん」と呼ばれる。最古の栽培植物のひとつで、原産地のアフリカから食用や加工材料として全世界に広まったと考えられている。乾燥した種子は耐久性が強く、海水にさらされた場合なども高い発芽率を示す。日本では、『日本書紀』(仁徳天皇11年=323年)の記述の中で瓢(ひさご)としてはじめて公式文書に登場する。茨田堤を築く際、水神へ人身御供として捧げられそうになった男が、ヒョウタンを使った頓智で難を逃れたという。狭義には上下が丸く真ん中がくびれた形の品種を呼ぶが、球状から楕円形、棒状や下端の膨らんだ形など品種によってさまざまな実の形がある。かつては、実を乾かして水筒や酒の貯蔵に利用されていた(微細な穴があるために水蒸気が漏れ出し、気化熱が奪われるため中身が気温より低く保たれる)。利便性の高さからか、縁起物とされ羽柴秀吉の千成瓢箪に代表されるように多くの武将の旗印や馬印などの意匠として用いられた。瓢箪は、三つで三拍(三瓢)子揃って縁起が良い、六つで無病(六瓢)息災などといわれ、掛け軸や器、染め物などにも多く見られる。ちなみに大阪府の府章は、千成瓢箪をイメージしている。
ヒョウタンは水筒、酒器、調味料入れなどの容器に加工されることが多い。乾燥したヒョウタンは、表面に柿渋やベンガラ、ニスを塗って仕上げる。水筒や食器など、飲食関係の容器に用いる場合は、酒や番茶を内部に満たして臭みを抜く。軽くて丈夫なヒョウタンは、世界各国でさまざまな用途に用いられてきた。朝鮮半島ではヒョウタンをふたつ割りにして作った柄杓(ひしゃく)や食器を「パガチ」と呼び、庶民の間で広く用いられてきた。また、アメリカインディアンはタバコのパイプに、南米のアルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルではマテ茶の茶器、またインドネシア・イリアンジャヤやパプアニューギニアなどでは先住民によってペニスケースとして使われている。ヒョウタンには大小さまざまな品種があり、長さが5センチくらいの極小千成から、2メートルを越える大長、また胴回りが1メートルを超えるジャンボひょうたんなどがある。ヒョウタンと同種のユウガオは、苦みがなく実が食用になり、干瓢の原料となる。農産物としても重要であり、近年は中国からの加工品輸入も増加している。主として生または乾物を煮て食べる。また、強壮な草勢からスイカやカボチャの台木としても利用される。

◇生活する花たち「葛の花①・葛の花②・木槿(むくげ)」(横浜日吉本町)