自由な投句箱/6月11日~20日


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今日の秀句/6月11日~20日


6月20日(2句)

★見晴るかす潮の彼方や青岬/桑本栄太郎
見晴るかす潮の向こうに見えるのは、青岬。青岬の見える景色に作者の思いは遥か。(高橋正子)

★木の匙に水饅頭の抵抗す/川名ますみ
「抵抗す」が面白い。木の匙は「切る」働きが弱い。けれど、手触りがあたたく、素朴なのがいい。葛饅頭と戯れの格闘もいいではないか。(高橋正子)

6月19日(2句)

★郭公や今朝は新聞休刊日/小口泰與
郭公の声が今朝はのどかに聞こえる。新聞も休刊日。世の中の喧騒と離れた静かな時間。(高橋正子)

★名勝園沢蟹道を横切りぬ/谷口博望(満天星)
広島の「縮景園」であろうか。私が広大大学院時代に訪ねた「縮景園」を懐かしく思い出す。(高橋信之)

6月18日(2句)

★割り箸の素直に割れて庭涼し/小口泰與
割り箸は、日本人の清潔好きから使われていると聞く。一度限り使う割り箸が抵抗なく割れて、庭の佇まいも風も涼しい。さっぱりとしたところに涼しさが生まれる。(高橋正子)

★郭公や神社の杉の高みより/廣田洋一
郭公の鳴き始めを畑仕事の合図としているところもある。神社の杉の高くで鳴く郭公の声に耳を澄ませば、いろんな思いが湧くであろう。涼しさも、淋しさも。(高橋正子)

6月17日(2句)

★懐かしき川べりの声蛍かな/廣田洋一
昔は川べりで蛍を楽しんだ。今また久しぶりに川べりを通ると昔蛍を楽しんだ声が聞こえる。懐かしさと嬉しさが湧く。(高橋正子)

★放したる目高器を我が物に/小口泰與
目高は、川でなくても、放されたところは、広い水。器のなかであろうと、そこは自由なところ。
(高橋正子)

6月16(2句)

★霊園の山より匂ふ栗の花/谷口博望(満天星)
「栗の花」には、独特な匂いがあって、遠くまで匂う。「霊園」との取り合わせは、更に独特な思いを読み手に与える。(高橋信之)

★激しさは快晴の日のほととぎす/多田有花
四国の松山にかっていた頃は、郊外をよく散策した。松山と高知との県境の山峡を一人歩くのを楽しみにしていた。ほととぎすが声高に鳴くのを聞いた日を懐かしく思う。(高橋信之)

6月15日(2句)

★梅雨空へ黄色いアドバルーンあがる/多田有花
梅雨空のグレーとアドバルーンの黄色の取り合わせが洒落ている。空高く揚がっているアドバルーンの軽さがいい。(高橋正子)

★時鳥こぞりて湖の白き波/小口泰與
時鳥が盛んに鳴き、梅雨時期の風があるのだろう、湖に白波が立っている。時鳥の声が刺さって湖が波立つようだ。(高橋正子)

6月14日

★山盛りの梅の実売らる道の端/廣田洋一
父は徳島の士族の出身で、私は、大阪の生まれだが、母は農家の出身で、妻も農家の出身なので、私は、農家の生活に馴染んできた。「梅の実」も懐かしい。母が自家製の梅干しや沢庵を作ってくれたのを喜んで食べ、育った。(高橋信之)

6月13日

★どんな過去コップの中の夏薊/満天星
コップの中の小さな世界を詠み、その世界を拡げた。作者の内面の世界の拡がりを見せてくれた。(高橋信之)

★鞍馬嶺の容(かたち)確たり梅雨晴間/桑本栄太郎
梅雨の晴間の季節をうまく詠んだ。街中に居て、遥かな「鞍馬嶺」の「容(かたち)確たり」と見た。「晴間」の喜びでもある。(高橋信之)

6月12日

★湖の色忽とかわりし夏座敷/小口泰與
湖の見える夏座敷。湖をずっと眺めているわけではないが、ふと湖に目を遣ると湖の色が変わっている。急に空に黒雲が湧き、夕立が来そうになったのか。変わりやすい天気の様子が見えて面白い。(高橋正子)

6月11日(2句)

★朝曇庭の花ばな仏壇へ/小口泰與
作者の優しさを読む。亡き人を悼む心は、先祖崇拝に繋がる。日本人の原点を見る。(高橋信之)

★あめんぼの流さることに倦みて跳ぶ/桑本栄太郎
俳句らしい俳句であり、しっかりした句である。(高橋信之)

6月11日~20日


6月20日(5名)

●谷口博望(満天星)
夏の月曙色の瀬戸遥か★★★★
夏の月被爆九輪の曲がりたる★★★
百日紅被爆鐘楼傾きぬ★★★

●小口泰與
杳として魔の山見ゆや朴の花★★★
きらきらと湖の光るやバンガロー★★★★
何時までも寝床に居たし時鳥★★★

●廣田洋一
万緑に紫煙たなびく三室戸寺★★★★
三室戸寺朱色際立つ紫陽花かな★★★
梅雨空に金色光る鳳凰堂★★★

●桑本栄太郎
<法要帰省三句>
夏潮や風の伯耆の発電塔★★★
見晴るかす潮の彼方や青岬★★★★
見晴るかす潮の向こうに見えるのは、青岬。青岬の見える景色に作者の思いは遥か。(高橋正子)

法要の父の話題や父の日に★★★

●川名ますみ
木の匙に水饅頭の抵抗す★★★★
「抵抗す」が面白い。木の匙は「切る」働きが弱い。けれど、手触りがあたたく、素朴なのがいい。葛饅頭と戯れの格闘もいいではないか。(高橋正子)

日の沈み紫陽花と空同じ碧★★★
紫陽花と日の沈みたる空の碧★★★

6月19日(5名)

●廣田洋一
葉の合間ぽつぽつ光る蛍かな★★★
あっちだよ指差す先に蛍かな★★★★
蛍園子の泣き止まぬ闇深し★★★

●小口泰與
郭公や今朝は新聞休刊日★★★★
郭公の声が今朝はのどかに聞こえる。新聞も休刊日。世の中の喧騒と離れた静かな時間。(高橋正子)

ぬか雨にばら崩れけり鳥の声★★★
薫風や燻製どれも川の物★★★

●谷口博望(満天星)
朝練の子の息荒く時計草★★★
名勝園沢蟹道を横切りぬ★★★★
広島の「縮景園」であろうか。私が広大大学院時代に訪ねた「縮景園」を懐かしく思い出す。(高橋信之)

黄鶲や曙色に瀬戸の海★★★

●高橋信之
 鶴見川源流
源流の涼しさに立ちわが旅よ★★★★
鶴見川の源流の泉は、源流の泉のひろばとなっている。たしかに泉は平らかに湧き、澄んだ水は流れでて
立っているだけで涼しい。小さな旅だが、旅と泉は、ドイツ的なイメージだ。(高橋正子)

泉湧く喜び胸に泉去る★★★
蟻が這うどの蟻も親しと思う★★★

●高橋正子
源流の泉のかたち丸くあり★★★★
「泉のかたち」を「丸く」とした素直な表現は、率直な表現であるが、まさに的確な表現である、といってよい。丸く、とは完結を意味する丸い円のことでもある。ものの初めは丸い。(高橋信之)

源流の泉一羽の鴨が住み★★★
源流を流れ出し水植田まで★★★

6月18日(3名)

●谷口博望(満天星)
天仰ぐ亀凝然と杜若★★★
ビオトープのせせらぐ音やあめんぼう★★★★
カヤックの立つて手を振る夏の川★★★

●小口泰與
打ちつけに子犬吠えけり浦島草★★★
割り箸の素直に割れて庭涼し★★★★
割り箸は、日本人の清潔好きから使われていると聞く。一度限り使う割り箸が抵抗なく割れて、庭の佇まいも風も涼しい。さっぱりとしたところに涼しさが生まれる。(高橋正子)

竹落葉我は足より衰えし★★★

●廣田洋一
郭公の声に追われる畑仕事★★★
人影の消えし畑の閑古鳥★★★

郭公や神社の杉の高みより★★★★
郭公の鳴き始めを畑仕事の合図としているところもある。神社の杉の高くで鳴く郭公の声に耳を澄ませば、いろんな思いが湧くであろう。涼しさも、淋しさも。(高橋正子)

6月17日(3名)

●谷口博望(満天星)
花菖蒲毛利元就ゆかりの地★★★
競水の母子像の背を濡らしをり★★★★
被爆川どろ舟浮いて翡翠来★★★

●廣田洋一
お堀端石垣照らす蛍かな★★★
源平の争わず飛ぶ蛍かな★★★
懐かしき川べりの声蛍かな★★★★
昔は川べりで蛍を楽しんだ。今また久しぶりに川べりを通ると昔蛍を楽しんだ声が聞こえる。懐かしさと嬉しさが湧く。(高橋正子)

●小口泰與
棚田へと水重なるや四十雀★★★
放したる目高器を我が物に★★★★
目高は、川でなくても、放されたところは、広い水。器のなかであろうと、そこは自由なところ。
(高橋正子)
支え立つ鉄塔のよう滝落つる★★★

6月16日(4名)

●谷口博望(満天星)
霊園の山より匂ふ栗の花★★★★
「栗の花」には、独特な匂いがあって、遠くまで匂う。「霊園」との取り合わせは、更に独特な思いを読み手に与える。(高橋信之)

いにしへの刑場跡へ梔子の香★★★
やまももやにじむ夕日はビルの端に★★★

●多田有花
夏燕ビルの谷間を旋回す★★★
激しさは快晴の日のほととぎす★★★★
四国の松山にかっていた頃は、郊外をよく散策した。松山と高知との県境の山峡を一人歩くのを楽しみにしていた。ほととぎすが声高に鳴くのを聞いた日を懐かしく思う。(高橋信之)

頂を鳴きつつ飛び立つほととぎす★★★

●小口泰與
青胡桃河原の石に嵌りけり★★★★
火の山の裾野は佐久や夏ひばり★★★
見逃しの三振の子や蝉の殻★★★

●廣田洋一
夕焼けの空を横切る戦闘機★★★★
ビルの窓過ぎ行く度に夕焼濃し★★★
夕焼けや母の呼ぶ声重なりぬ★★★

6月15日(5名)

●谷口博望(満天星)
車足の老犬我へアマリリス★★★
山深くかるがも親子川の中(原句)
かるがもの親子深山の夏川に★★★★(正子添削)
白鷺の田圃の中に佇みぬ★★★

●多田有花
満々と水をたたえて梅雨入の田★★★
町内会花壇植替え梅雨晴間★★★
梅雨空へ黄色いアドバルーンあがる★★★★
梅雨空のグレーとアドバルーンの黄色の取り合わせが洒落ている。空高く揚がっているアドバルーンの軽さがいい。(高橋正子)

●小口泰與
心せし山の梅雨寒あわず済む★★★
夕暮の薔薇散る心憎かりし★★★
時鳥こぞりて湖の白き波★★★★
時鳥が盛んに鳴き、梅雨時期の風があるのだろう、湖に白波が立っている。時鳥の声が刺さって湖が波立つようだ。(高橋正子)

●廣田洋一
東北絆まつり
東北の御魂をつなぐ踊りかな★★★
太鼓打ち裳裾をはねるさんさ踊り★★★★
踊り子のしなやかな手に見惚れたり★★★

●桑本栄太郎
茄子畑の支柱アーチの並びけり★★★★
遠き日の想い出今に枇杷熟るる★★★
あとすざりこの世地獄と知りしより★★★

6月14日(4名)

●谷口博望 (満天星)
沙羅咲いてフリルの女バスを待つ★★★★
簪をひとつ添えたし花菖蒲★★★
磴登る喪服の人や栗の花★★★

●多田有花
<日光の旅三句>
夏の夕静かに田母沢御用邸★★★
青葉して創業の地の金谷ホテル★★★★
金色(こんじき)の溢れ薄暑の陽明門★★★

小口泰與
新緑やダム放流の硬き水★★★★
新緑や残雪のこる照葉峡★★★
日曜日起床うながす時鳥★★★

●廣田洋一
山盛りの梅の実売らる道の端★★★★
父は徳島の士族の出身で、私は、大阪の生まれだが、母は農家の出身で、妻も農家の出身なので、私は、農家の生活に馴染んできた。「梅の実」も懐かしい。母が自家製の梅干しや沢庵を作ってくれたのを喜んで食べ、育った。(高橋信之)

青梅の雫光れる雨上がり★★★
青梅を落とした後の赤き屋根★★★

●桑本栄太郎
アパートの影の水面や青田晴れ★★★★
あとずさりこの世地獄と知りしより★★★
雨を乞う色の四葩となりにけり★★★

6月13日(4名)

●満天星
葉と茎と花の哀しき夏薊★★★
夏薊どこかの国の夕陽色★★★
どんな過去コップの中の夏薊★★★★
コップの中の小さな世界を詠み、その世界を拡げた。作者の内面の世界の拡がりを見せてくれた。(高橋信之)

●小口泰與
新緑や瀬音と共に鳥の声★★★★
萬緑やダムの放流藤原湖★★★
老鶯や森を映せる奈良俣湖★★★

●廣田洋一
連勝の大志を乗せる扇子かな★★★
通勤の鞄に一つ扇子入れ★★★★
白檀の香りゆかしき扇子かな★★★

●桑本栄太郎
鞍馬嶺の容(かたち)確たり梅雨晴間★★★★
梅雨の晴間の季節をうまく詠んだ。街中に居て、遥かな「鞍馬嶺」の「容(かたち)確たり」と見た。「晴間」の喜びでもある。(高橋信之)

あじさいの水面に浸かり高瀬川★★★
太宰忌のせりふ最後に「グッドバイ」★★★

6月12日(4名)

●小口泰與
湖の色忽とかわりし夏座敷★★★★
湖の見える夏座敷。湖をずっと眺めているわけではないが、ふと湖に目を遣ると湖の色が変わっている。急に空に黒雲が湧き、夕立が来そうになったのか。変わりやすい天気の様子が見えて面白い。(高橋正子)

夕暮の渓流釣りや一夜酒★★★
老鶯や田水に映る山の木々★★★

●谷口博望 (満天星)
噴水の大気の中に水おどる★★★
昼餉の子泰山木の花の下★★★★
屋根瓦拾ふ人々夏の川★★★

●廣田洋一
葭簀立て海水浴の白昼夢★★★
水をかけ風待ちしたる葭簀かな★★★★
脱衣所にためらう乙女葭簀小屋★★★

●桑本栄太郎
尺蠖の枝の余りて躊躇いぬ★★★
歩みゆき命急ぐや天道虫★★★
沙羅の花咲いて闇夜と知りにけり★★★★

6月11日(4名)

●小口泰與
朝曇庭の花ばな仏壇へ★★★★
作者の優しさを読む。亡き人を悼む心は、先祖崇拝に繋がる。日本人の原点を見る。(高橋信之)

夏料理鳥語瀬音とありにけり★★★
あの頃の夜行列車や月見草★★★

●廣田洋一
乙女らの円錐描く夏の脚★★★
腐葉土の草より出でし蛍かな★★★
マスターの泳ぎ促す声高し★★★★

●谷口博望 (満天星)
クレーンの後ろに出たり入道雲★★★★
晩鐘や翡翠を見に河原まで★★★
傾きて頭でつかち百合の花★★★

●桑本栄太郎
あめんぼの流さることに倦みて跳ぶ★★★★
俳句らしい俳句であり、しっかりした句である。(高橋信之)

夾竹桃風の一枝となりにけり★★★
蜘蛛の子や千の未来へつなぐ糸★★★

6月12日(月)

 東京幡ヶ谷
★下町の空に乾ける子の白シャツ  正子
明るく晴れた夏空のもと、下町ならではのあたたかみのある風景を思い浮かべます。からりと乾く白シャツの清潔感、清々しさに、親元を離れ、下町で暮らすわが子への親としての思いが感じ取れます。 (藤田洋子)

○今日の俳句
紫陽花にきれいな山の風が吹く/藤田洋子
梅雨入りしたばかり。ときに、山には涼しく透明な、さらっとした風が吹く。それが「きれいな風。」紫陽花をさわやかに、軽やかにしている。(高橋正子)

○萱草(カンゾウ)の花・忘草(わすれぐさ)

[藪萱草/横浜・四季の森公園]       [野萱草/横浜日吉本町]

★萱草の花とばかりやわすれ草/来山
★切かけし椋のくさりやわすれ草/百萌
★生れ代るも物憂からましわすれ草/夏目漱石
★萱草の一輪咲きぬ草の中/夏目漱石
★萱草も咲いたばつてん別れかな/芥川龍之介
★安達太良の梅雨も仕舞や甘草花/前田普羅
★大岩に萱草咲きぬ園の口/富安風生
★甘草を折つて帰れる裏戸かな/山口青邨

 萱草の花は、百合の花に似ていて、「kanzo」という音は花の姿にふさわしくないと思う。中国から生薬として伝播したのこともあって、そのように呼ばれるのだろう。梅雨のころ、ちょっと田舎びたところを歩いていると、遠くにオレンジ色がかった黄色い花が草の中や、青葉の下陰に見つかる。山裾の藪のような草の茂みにもある。梅雨の雨の中、青葉の下で、強烈な印象である。だから、薬になるのかと思う。この花を見れば、いつも似た花のニッコウキスゲやユウスゲの花を思う。思考がそのようにシフトする。萱草の花はリアリストで、キスゲの花はロマンチストという印象だ。高原を渡る風に咲き競うニッコウキスゲは、下界をわすれさせてくれそうだし、夕方から咲くユウスゲも高原で出会えば、どんなに素敵な夢が見られるかと思う。似た花の八重の藪萱草は、自分の姿を見るようで、なんだか、落ち着いて見ておれないのが常だ。

★風よりも萱草の花かがやきぬ/高橋正子
★萱草の花に凋みしきのうの花/高橋正子

 野萱草(ノカンゾウ)は、ユリ目ユリ科ワスレグサ属の多年草。夏、日本全国の野原の湿った場所で、花茎の先に橙色の一重の花を咲かせる。ワスレグサ(忘れ草)の変異体で、他のワスレグサ属の花と同様、一日花ですので朝咲いて夕方には萎びます。花の色には濃淡があり、赤みがかかっているものはベニカンゾウ(紅菅草)と呼ばれます。葉は細長く弓なりに曲がります。花や若葉、芽は食用となり、全草及び蕾を乾したものは金針菜という生薬になります。似た花に、八重咲きのヤブカンゾウ(藪萱草)、高原で黄花を咲かせるニッコウキスゲ(日光黄菅)、夕方から咲くユウスゲ(夕菅)などがあります。草丈は70~90cm、開花期は7~8月、花弁は6枚。歳時記での季語は、「萱草(カンゾウ)の花」、「忘草(わすれぐさ)」。

◇生活する花たち「紫陽花・立葵・百日草」(横浜・四季の森公園)

■6月月例ネット句会/入賞発表■


■2017年6月月例ネット句会■
■入賞発表/2017年6月12日

【金賞】
★光る水受けて芒種の田一枚/多田有花
芒種は、現行歴では24節季の5月節の第一日目をいう。今年は6月5日。麦の刈り入れや、稲の植え付けをするころで、天候では、蒸し暑くなって、梅雨入りするころである。晴天であれば、強い太陽が水を光らせて田に落ちる。田一枚とあるので、光り落ちる水と、それを受ける平らな田水が立体的構成をなして面白い。(高橋正子)

【銀賞/3句】
★枇杷熟れて雲間に空の青澄める/柳原美知子
枇杷の熟れるころ、空には雲が多いが、雲間からのぞく青空は、夏そのものの澄んだ青さだ。枇杷と、雲と、空の青が油彩のように美しい。(高橋正子)

★ちんどんやクラリネットは夏空へ/祝 恵子
ちんどんやは、今では大道芸のような存在になっているが、開放的な夏空へ向かって吹くクラリネットの音色がノスタルジック。「夏空へ」の開放感がたまらなくいい。(高橋正子)

★蛍見に田水明りの山里へ/藤田洋子
四国で暮らしていたころは、夕飯を早めに済ませて、すぐ裏を流れる山川の橋の袂へ子供たちと蛍を見に行った。そこから少し奥へ行けば本当に山里になるが、その光景を思い出した。田に水が張られ、夕方の「田水明かり」に里は一層静かになる。ふっと蛍が火をともす。乱舞することもある。抒情のある句。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★包みたる濡れ新聞の夏の鯉/小口泰與
水が滴りそうな濡れた新聞紙にぴちぴちした鯉が包まれている。獲ったばかりの鯉のいただきものであろう。「鯉のあらい」となって涼しげに登場するのだろう。(高橋正子)

★張り紙の矢印の先ツバメの巣/高橋秀之
張り紙があって、矢印が描いてある。その先にツバメの巣がある。矢印の意味は言葉以上に物語って微笑ましい。ツバメをあたたかく見守る心に人はほっと心和む。(高橋正子)

★時の日やひっくり返せる砂時計/廣田洋一
6月10日の「時の日」。時の日に砂時計をひっくり返すのも何かの意味がある。「時」について考えればきりがない。デジタル化された時、文字盤の長針短針が示す時、もっと原初に近づいて砂時計の砂の落ちる間の時、哲学的時、物理学的時などと。(高橋正子)

【高橋信之特選/8句】
★青梅も蕗もみどりよ夜の厨/高橋正子
「みどり」がいい。夏の夜の厨を見事に詠んだ。主婦ならではの佳句。 (高橋信之)

★青梅を沈める水のゆらぎけり/高橋正子
主婦ならではの、いい観察だ。主婦の生活から生まれた名句と言ってよい。(高橋信之)

★ちんどんやクラリネットは夏空へ/祝 恵子
作者の見た風景が明らかに読み手の眼に浮かぶ。都会の夏の風景がいい。都会の抒情が読み手に快く届いてくる。 (高橋信之)

★包みたる濡れ新聞の夏の鯉/ 小口泰與
「濡れ新聞」がいい。「夏」の季節感がいい。 (高橋信之)

★張り紙の矢印の先ツバメの巣/高橋秀之
★時の日やひっくり返せる砂時計/廣田洋一
★枇杷熟れて雲間に空の青澄める/柳原美知子
★青梅の紅刷くものの転がりぬ/高橋正子

【高橋正子特選/8句】
★光る水受けて芒種の田一枚/多田有花
田植が始まり、稲作には欠かせない「芒種」の頃。水を張る田一枚の輝きに、季節の節目を迎えての喜び、晴れやかな明るさが感じ取れます。(藤田洋子)

★蛍見に田水明りの山里へ/藤田洋子
昨日蛍を見に行く予定が崩れて残念。蛍見学の情景がよく見える。 (満天星)

★玉苗のずらりと置かれ水満々/柳原美知子
苗代より採られた玉苗が、水を満々と満たした代田に配られ、愈々田植え直前の光景である。玉苗との季語が良く働き、豊かな水と共にまさに豊穣の日本の原点がここにある。(桑本栄太郎)

★満ちみちて棚田の水や時鳥/小口泰與
里山の長閑な田植え前の一時が、時鳥の声に励まされるようです。 (祝恵子)

★噴水の雀の羽を濡らしをり/谷口博望(満天星)
噴きあがる噴水の勢いや飛沫に飛び立つ雀の動きが見てとれるようです。飛沫に濡れてきらめく雀の羽も清々しく、本格的な夏を前に清涼感あふれる光景です。(藤田洋子)

★包みたる濡れ新聞の夏の鯉/小口泰與
★張り紙の矢印の先ツバメの巣/高橋秀之
★ちんどんやクラリネットは夏空へ/祝 恵子

【入選/6句】
★せせらぎへ指差す先の初蛍/藤田洋子
幼子を囲み初めて見せる蛍でしょうか。せせらぎの音と幻想的な蛍火の闇に包まれて、家族の穏やかで平和な至福のひとときが思われます。(柳原美知子)
せせらぎの方に何かを見つけて指をさすとその先には今年の初蛍が飛んでいる。蛍の夕べは気持ちいい季節です。 (高橋秀之)

★夏風邪にソーダ水の缶冷たし/高橋句美子
夏風邪の手に持つソーダ水の缶、夏風邪の身なればこその、冷やされた缶の感覚がよく伝わります。長引く夏風邪にどうぞお気をつけて。 (藤田洋子)

★桑の実や母の無き子に甘く熟れ/桑本栄太郎
どこか郷愁を誘う桑の実。初夏に色付き実を結ぶ桑の実の甘さに、お子さまへ向けられる優しい心情がうかがえ、心温まります。 (藤田洋子)

★渓流の白銀の水夏木立/ 小口泰與
渓流に太陽の陽を受けて白銀に光る水と緑いっぱいの夏木立が涼し気な雰囲気を醸し出してくれます。 (高橋秀之)

★石畳の間にどくだみの真っ白い花/ 高橋句美子
★さらさらと葉より色のせ紫陽花の絵/祝 恵子

■選者詠/高橋信之
★夏座敷男三代健やかに
吹き抜ける風も心地よい夏座敷に男達三代が集まっている素晴らしい景が見えています。仲の良い素敵なご家族ですね。 (小口泰與)

★初夏健やかに子が居て孫がいて
三代揃って、本当に健康で明るい家庭が見えてくる。(廣田洋一)

★わが前を孫歩きいて初夏の風
孫が歩いている様子を後ろから見つめている愛情の気持ちと気持ちよい初夏の風がマッチングして、微笑ましく、そして爽やかな気持ちにさせてくれます。 (高橋秀之)

■選者詠/高橋正子
★青梅も蕗もみどりよ夜の厨
★青梅の紅刷くものの転がりぬ
★青梅を沈める水のゆらぎけり

■互選高点句
●最高点(5点)
11.光る水受けて芒種の田一枚/多田有花

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
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