2月月例句会ネット清記録(別枠)

★髙橋秀之さんの句を別枠で受け付けました。選が可能な方は、一人一句選をお願いします。選は、ここのコメント欄にお願いします。(コメントは自由です。)よろしくお願いします。(髙橋正子)
2月月例ネット句会別枠清記
髙橋秀之
43.春の夜の灯りの下で妻を待つ
44.建国の日の丸眺める銀婚日
45.受験する子におはようと声をかけ

■2月月例ネット句会清記■

■2月月例ネット句会清記■
2023年2月12日
14句(42名)
01.足下の池のそこひや蘆の角
02.薄氷の片方に寄りぬにはたづみ
03.まんさくの花芽ふくらむ葉のままに
04.月光に妙義の奇岩冴返る
05.噴煙の広ごる先の余寒かな
06.また二人餅草摘みに現れし
07.みちのくの道はさびしや雪霰
08.初風呂や新たな湯気を胸いっぱい
09.寝て起きぬひかりて根づく雪の原
10.鳥帰る川面の影の途切れずに

11.差し出せる手に飛び込みぬ福の豆
12.カメラ持ち男も並ぶ針供養
13.雪国へ送る蜜柑の香をぎっしり
14.手拭を浸せば透けて寒の水
15.冬灯し万年筆の黒き字へ
16.葉の落ちて新芽立ち上がる自然
17.束ねらる菜の花蕾開きそう
18.頂きし冬の野菜はキッチンへ
19.早春の朝ぽっかりと月浮かぶ
20.空の青薄く明るき春の朝

21.珈琲をほっと頂く木の芽時
22.春の水峡の四方の山鳴らす
23.村はずれ一樹に咲き初む薄紅梅
24.伊予柑食ぶしたたる果汁に顔うずめ
25.春の雪片手のクレープほかほかと
26.新しきワイシャツ白く春の朝
27.白梅や神社参りの背を伸ばす
28.春光の畦道続く雨上がり
29.節分の赤鬼の面陳列され
30.豆まきの升からあふれ跳ねる豆

31.たらの芽がしずかに白い皿の上
32.蓮根の穴が九つこれ立春
33.みな赤くパックに詰まり春いちご
34.つぎつぎと水をくずして春の鴨
35.満作の花よ悴む手を触れて
36.雪どけの道濡れきって春の月
37.足もとに青き輝きいぬふぐり
38.梅咲けば庭おのずから光りだす
39.かいつぶりのつがい浮かべて春の川
40.春立つ日新しき刃が髪を断つ

41.新しき鋏の響き今朝の春
42.春みぞれ訪問看護師手を頬に

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

自由な投句箱/2月11日~2月20日

※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

今日の秀句/2月11日~2月20日

2月20日(1句)
★陽が差せば騒めき見ゆる銀杏の芽/桑本栄太郎
陰っている時はよく見えなかった銀杏の芽。陽が差すと、陽に輝いたり、陰ったままだったり、にぎやかに騒めいているように見える。「陽が差すと騒めき」の観察がいい。(髙橋正子)
2月19日(2句)
★春雪や運ばれてゆく競走馬/多田有花
運ばれてゆく競争馬が春の雪に降られ、美しい。美しいながらも運ばれてゆくさびしさがあって、深く印象に残る。(髙橋正子)
★梅花を通う人みな麗しき/弓削和人
「梅花」は少し落ち着かない表現に思える。「白梅」にしてはどうかと思うが、一考をお願いしたい。梅の花が咲いているところを通る人はみんな麗しく思えるというのだ。特に咲き初めの梅の花の清らかさが人を麗しくさせている。(髙橋正子)
2月18日(1句)
★奥山の姿を隠し春の雪/多田有花
奥山の姿は、しきりに降る春の雪でかくれてしまった。それほどまでに降る春の雪に、奥行きのある雪景色を見ることとなった。さらりとした詠みぶりが上手。(髙橋正子)
2月17日(1句)
★寄せ太鼓高くひびきて風光る/廣田洋一
寄せ太鼓が高くひびくのを聞くと、面白い事があるのだろうと、気を引かれる。ましてや日光が強くなり、吹く風もきらきらと光ると浮足立ちそうにもなる。「風光る」の季語がよく効いている。(髙橋正子)

2月16日(1句)
★新幹線星の過ぎゆく余寒かな/弓削和人
新幹線の車窓から夜空を見ていると星が次々に過ぎてゆく。車内は暖房されているだろうが、星がゆく空は冬とは違いつややかにも思えるが、「余寒」を感じてしまう。冬と春の間合いを捉えた繊細な感覚。(髙橋正子)
2月15日(2句)
★朝海にわずかな春や照る山辺/弓削和人
朝の海にわずかに春が来ている。山辺が照っていることを見ても春だとわかる。春の兆しがほんのわずかに感じられたときの心の明るさがいい。(髙橋正子)
★雪解水流れ早める街の中/廣田洋一
雪解水を集めてきた川は街中に入ると流れが速まる。「流れ速める街の中」という着眼点は俳句が得意とするところで、面白い。(髙橋正子)
2月14日(1句)
★藪つばきつやつやと葉を従えて/多田有花
つやつやとした葉に赤い藪つばきの花がくっきりと見える句。花をそれほど言っていないのに、花の印象が強い。(髙橋正子)
2月13日(1句)
★山風を身に孕ませて蓬摘む/小口泰與
赤城颪の山風か。「身に孕ませて」は、あまりに風が吹くので着ている衣類が体にぴたっと纏いつき、その身に風を孕ませたと解釈できる。(髙橋正子)
2月12日(1句)
★春ぐもりペンキ塗りたての香る/多田有花
「ペンキ塗りたて」が名詞のように使われている。つまり、「ペンキ塗りたて」という物や事態がある。うすく光がもれるような曇りかたが春ぐもり。そんな日はペンキがよく匂う。(髙橋正子)
2月11日(1句)
★春雪や雁字搦めの裏の門/小口泰與
春の雪が思わぬ時降って、裏の門はとくに人の出入りがないので、「雁字搦め」になっている。それを面白く捉えた。(髙橋正子)

2月11日~2月20日

2月20日(5名)
小口泰與
山駅のホーム短し鳥交る★★★
大利根の荒き白波巣立鳥★★★
鶯や背の順に行く登校児★★★
廣田洋一
緑青の屋根に映えたり枝垂梅★★★
鳥居より放物線の枝垂梅★★★
枝先に一輪残る枝垂梅★★★
多田有花
コーヒーを挽く香溢れて余寒なお★★★
残り湯をリサイクルする春の朝★★★
春雨の音にしばし耳を澄ます★★★
桑本栄太郎
陽が差せば騒めき見ゆる銀杏の芽★★★★
白梅の己が明かりを誇りけり★★★
ものの芽の濡れて耀やく日差しかな★★★
Unknown(弓削和人?)
外に出ず雪の名残に雪の舞い★★★
凍て返る夜道はるかや買い出して★★★
紅梅のぽつりぽつりや園の池★★★
2月19日(5名)
弓削和人
始発駅春のわずかに目覚めたり★★★
通い路に子の弾む歩や春来る★★★
梅花を通う人みな麗しき★★★★
小口泰與
あけぼのの白き浅間や揚雲雀★★★
ワイシャツの1日の皴白き梅★★★
風の無き我が産土や百千鳥★★★
廣田洋一
風強く曇り空なる雨水かな★★★
鉢の土入れ替えたるや雨水の日★★★
花咲けと絵馬の飾られ梅の花★★★
桑本栄太郎
春雨のけぶりのやうに視界満つ★★★★
ベランダの鉢の濡れたる雨水かな★★★
枝先の濡れてしずくや木の芽雨★★★
多田有花
鞄より首出す犬や冴返る★★★
春雪や運ばれてゆく競走馬★★★★
湯を取りに戻る朝なり冴返る★★★
 
2月18日(5名)
小口泰與
まんさくや白き浅間に黒き筋★★★
春浅し利根の川波たつ仔細★★★
噴煙の西か南か春の風★★★
廣田洋一
シャンシャンに別れを告げて春寒し★★★
春の水こんこんと湧く神の池★★★★
桜の芽膨らみたれど色付かず★★★
多田有花
メレンゲをつんと尖らせ冴返る★★★
奥山の姿を隠し春の雪★★★★
車窓よりひとひら舞い込み春の雪★★★
桑本栄太郎
との曇る空に確かに木の芽かな★★★
遅き日や子共ら庭に遊び居り★★★
奔放と云われ子に継ぐかの子の忌★★★
 
2月17日(名)
小口泰與
きらきらと光る渓流放ち鮎★★★
「放ち鮎」がどうした(どのようだった)のですか。「きらきらと光る渓流鮎放つ」なら、「鮎を放った」ことがわかり、句が生き生きしてきます。「下五は体言止めが効果的」と言う説にとらわれてないでしょうか。(髙橋正子)
畦道やひたと鳴き止む夕蛙★★★
硝子戸へ雀どすんと山笑う★★★
多田有花
沖遥か霞のかかる淡路島★★★
梅が香に触れる位置まで接近す★★★
小さき緋鯉数多わき出て春の池★★★
桑本栄太郎
久方の友と出会いぬ春きざす★★★
山膚にしがみつき居り斑雪(はだれ)かな★★★
遠き日の想い出おもう春の雪★★★
廣田洋一
池の端首筋撫でる柳の芽★★★
青空に彩り添へて河津桜★★★
寄せ太鼓高くひびきて風光る★★★★
2月16日(5名)
小口泰與
この窓に朝日差しけり百千鳥★★★
春雷や九十九折なる山の径★★★
春風や野鳥手に来る森の路★★★
廣田洋一
軒下に野菜並べて春寒し★★★
駅中で大福売られ春寒し★★★
赤飯の横に売られし鶯餅★★★
多田有花
古墳ある春の山道を辿る★★★
風光る重なりあいて島の影★★★★
頂に寝転んで見る春の空★★★
桑本栄太郎
竹林の百幹揺るる余寒かな★★★
白きもの混り風吹く冴返る★★★
山膚にしろきもの見ゆ春の山★★★
弓削和人
講演を待ちて静まり桃の花★★★★
新幹線星の過ぎゆく余寒かな★★★★
春花の楚々と揺れたり蒸汽船★★★
2月15日(5名)
小口泰與
全容の火の山忽と霞みけり★★★★
端正の雛に座したる吾子の顔★★★
春雪や悉く木の花とせる★★★
弓削和人
朝海にわずかな春や照る山辺★★★★
春の海滞船わずか揺らぎけり★★★★
つづきたる足跡はるか春の海★★★
廣田洋一
飛沫上げ雪を投げ込む雪解川★★★
雪解水流れ早める街の中★★★★
どこまでも二匹並びて猫の恋★★★★
多田有花
高木の伐られ広々春の空★★★
切株に坐し梅林を眺めおり★★★
播磨灘望む梅林となれり★★★★
桑本栄太郎
淡雪の陽射しの中を舞いにけり★★★
降ればすぐ歩道吸い込む春の雪★★★
ふるさとを遠くに想う名残り雪★★★★
2月14日(3名)
小口泰與
庭隅の椿へ翔る野鳥かな★★★
風光る湖まんまんと水湛え★★★★
種の違う鳥の争う春の枝★★★
多田有花
藪つばきつやつやと葉を従えて★★★★
つやつやとした葉に藪つばきの花がくっきりと見える句。花をそれほど言っていないのに、花の印象が強い。(髙橋正子)
早春の日差し明るき森をゆく★★★
紅梅咲く花びらを陽に透かせつつ★★★
廣田洋一
看護師に貰ひしチーズケーキバレンタインデー★★★
バレンタインのチョコ菓子作る女の子★★★
春苺きらきら光放ちをり★★★
2月13日(4名)
小口泰與
揚雲雀聲騒がしや野犬居り★★★
いぬふぐり湖畔のボート綱とかれ★★★
山風を身に孕ませて蓬摘む★★★★
廣田洋一
縁側に並ぶ雛菊鮮やかに★★★
三色菫揃ひてこちら向きてをり★★★★
薔薇の芽や棘より小さくふふみたる★★★
多田有花
恋猫の長き夜あるいは短き夜★★★★
すべきこと最小限に二月早や★★★
咲き初めし紅梅の下とらつぐみ★★★
桑本栄太郎
ものの芽のしつとり青に春の雨★★★★
雨降れば午後より寒く冴え返る★★★
<2月12日近鉄小坂駅>
駅前に鉢植えならべ菜の花忌★★★
2月12日(4名)
小口泰與
喧騒と言うほかは無し猫の恋★★★
春風に大利根の瀞目覚めける★★★★
大沼の梢の小鳥風光る★★★
多田有花
春ぐもりペンキ塗りたての香る★★★★
コンバーターにインク吸い上げ春はじめ★★★
丘の家へ春の朝日の差しにけり★★★
廣田洋一
斜張橋白くそびえて風光る★★★★
列なして紫光る菫かな★★★
若草や駆け回りたる子らの声★★★
桑本栄太郎
山里の甍まぶしき春日かな★★★★
溝川の春の小川となりにけり★★★
足下の花びら震え犬ふぐり★★★
2月11日(4名)
小口泰與
春雪の静寂に忽と猫の声★★★
春雪の刹那背の順登校児★★★
春雪や雁字搦めの裏の門★★★★
廣田洋一
雪止みて空晴れ渡る建国の日★★★
駅前に国旗はためく紀元節★★★
畑横切る犬の足跡春浅し★★★
多田有花
雨上がり朝日まぶしき建国日★★★
早春にふんわりと焼くパンケーキ★★★
犬連れる人の遊べる春の午後★★★
桑本栄太郎
佇みて色めく余寒さくら芽木★★★
へんぽんと旗ひるがえる建国日★★★
さざ波のわらわら走り風光る★★★