3月25日(名)
作業中
多田有花
<室津三句>
春風に北限の野生蘇鉄かな★★★
早咲きの桜咲かせて浄運寺★★★★
友君塚春の廃校を望む★★★
廣田洋一
陽炎に柳の葉先消えており★★★
ひとつだけこじ開けたるや蜆汁★★★
スノーフレーク自信なさげにしかと咲く★★★
小口泰與
池の水けがし群れたる蛙の子★★★★
風に乗り鳥声さやか春の森★★★
上州の季節のけじめ雪消川★★★
土橋みよ
ハナニラや五稜郭のかたちして★★★
朝の土葉を重ねゆくフキノトウ★★★★
大木の根元やムスカリ咲きいづる★★★
3月24日(3人)
土橋みよ
トビウオの目の奥光る春厨★★★
「目の奥光る」をもう少し、感覚でとらえる(例えば「澄む」など)といいと思います。(髙橋正子)
馬鈴薯の芽取る指先春日差し★★★
そよ風や馬酔木の房の触れ合わず★★★★
廣田洋一
ムラサキツツジ燃ゆるが如く咲きにけり★★★
公園の四隅を照らし桜咲く★★★
思い切り胸をそらせて風信子(原句)
風信子のどこを「胸」と言うのか、花全体が胸を反らせた状態を言うのか、曖昧です。
思い切り花びら反らせ風信子(正子添削)
多田有花
<室津三句>
シーボルト讃えし春の絶景を★★★
陽春や馬足の龍持つ四脚門★★★
清盛も詣でし春の賀茂神社★★★
3月23日(2名)
廣田洋一
向こうから手を振る友の陽炎えり★★★
観音の肩に触れたり枝垂桜★★★★
二三個は開かぬままや蜆汁★★★
第1句、第3句は、俳句としての形は整って申し分ありませんが、類句があるので、ひとつ自分なりの見方があると、完璧です。(髙橋正子)
多田有花
<室津三句>
島影や春の渚に光あり★★★
島影と春の渚と焦点が二つあります。焦点はひとつに。「光あり」の「あり」が抽象的になっています。「光る」などにするとよいです。(髙橋正子)
春なれや室の泊の幾星霜★★★
「幾星霜」が抽象的です。この気持ちを具体的なもので表すとよいです。(髙橋正子)
賀茂神社春の海へと開かれて★★★
3月22日(3名)
小口泰與
暮れ急ぐ森の小川や春の月★★★
囀りや静寂の森の奮い立つ★★★
薔薇の葉の赤茶へ春日射しにけり★★★★
多田有花
<綾部山梅林三句>
梅林や淡路島まで遠望す★★★
陽の下に人を憩わせ梅咲きぬ★★★★
煙突と島影ありて梅満開★★★
上島祥子
水鉢の水清くあり春彼岸★★★
「清くあり」の「あり」が気になります。(髙橋正子)
蝋燭の光絞るる彼岸風★★★
コッペパン墓前に高く初彼岸★★★
3月21日(3名)
朝焼けや蓬這う土手歩みけり
「朝焼け」は夏の季語になります。「蓬這う」の「這う」が気になります。蓬は蓬は匍匐性ではなく、株立ちで広がる草で、写生の事実と違うからです。ひょっとして、「蓬生う」のミスタイプでしょうか。(髙橋正子)
飛び立てし鴉の溶けゆく春夕焼(原句)
飛び立ちし鴉溶けゆく春夕焼
↓
飛び立てる鴉溶けゆく春夕焼(正子添削)
「飛び立てし」は、已然形+過去の助動詞「き」の連体形「し」これは、和歌などの使われ雅語的です。
俳句では、「飛び立ちし」と「き(し)」は連用形に付くことがほとんどです。(髙橋正子)
夕廚稚児の目瞑る夏みかん★★★
多田有花
<綾部山梅林三句>
飼い猫に梅花の冠綾部山★★★
観梅の途中に駅そばを食す★★★
紅白の梅の下には歌碑ひとつ★★★
小口泰與
残雪の浅間山(あさま)見事や鳥の舞う★★★
「見事」はどんな様子で見事なのでしょうか。(髙橋正子)
熱き酒酌み交わしけり新社員★★★
残雪の浅間山(あさま)へ朝日射しにけり★★★