1月14日(水)

晴れ
万作のただ一木が山清め     正子
冬ざれに菜の花咲けば恋ほのか  正子
折り取りて老女に赤き寒椿   正子
猫柳日にみがかれて赤き芽を  正子
翡翠の野生光りぬ冬枯れて   正子
冬ざれて湿地をめぐる水の音  正子
冬ざれて菜の花長短ありて咲く 正子
笹藪に笹音あれば笹鳴きす   正子
寒禽の落葉をくぐる小ささよ  正子

●午前中、夕べ用意していた有花さんの句集のための選句用の句を晃さん、美知子さん、洋子さんに郵送。100g以内だった。金曜日には届くだろう。

●土曜日に鶴見川と矢上川を4.5キロほど歩いた。二日後、体調がよくなっているのに気づいた。二日後というのが微妙だが、事実はそうなのだ。週に2,3回は4キロぐらい歩くのがいいようだ。今日、午後、四季の森へ行った。今日の行程は3キロほど。中山駅のコンビニでグレープ味のメントスを買って今日のおやつにした。

菜の花が寒中の光のなかでひときわ華やかであった。睡蓮池や山から滲む水が小川になってはす池に注ぐが、それまでの小川が水音を立てて流れている。水量はあるほうだ。万作はほとんどの蕾は堅いが、一本だけがしていた。セツブンソウは、気配もない。蠟梅は素心蠟梅は黄色が濃いまま。三椏もまだうす灰色の蕾のまま。しかし、はす池の岸辺の猫柳が赤い芽をふくらませ、ニワトコが冬芽をしっかりつけていた。葦原のそばの小川にはミヤマホオジロと思われる小鳥がいた。笹藪のは、たしかに笹鳴きが聞こえた。早春の気配は十分あった。立寒椿が公園を彩っていた。講演のは、山茶花ではなく、立寒椿と思われる。今日はあまり歩いたとは言えない。翡翠いるあたりのベンチに長く腰かけて翡翠を撮る人を見ていた。帰宅は4時半。

●四季の森から帰り、早めの夕飯を食べ、藤田真央のモーツァルトに浸った。モスクワのザリャージェ音楽祭(2019)とスイスのヴァルビエ音楽祭(2021)を聞いた。
ヴァルビエがどこにあるか調べると、リルケが最晩年に住んだスイスのヴァレー州にある。山岳リゾート地だが、リルケの住んだシーエナから直線で27キロの距離にあるということで、私的には驚きである。

自由な投句箱/1月11日~1月20日

投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)

※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。

今日の秀句/1月11日~1月20日

1月20日(2句)
★水仙の日ごとに開く野辺となる/多田有花
水仙は冬の厳しさに耐えて凛と咲くイメージがある。その水仙が日毎伸びる日差に、日毎花をふやしているのである。野辺の水仙には、自然体の野にある美しさが加わってくるのもよい。(髙橋正子)

★柄杓持つ手に春寒の澄みし水/土橋みよ
柄杓に汲んだ春寒の水が澄んでいることへの感動。春寒の水は、少しずつ伸びる日の長さに応えるように明るいが、まだまだとても冷たい。それゆえに澄んでいる水。明るさのなかに凛とした気持ちががしっかり伝わってくる。(髙橋正子)

1月19日(2句)
★夜半の冬固定電話を廃止する/多田 有花
俳句と言うより短歌のような句。「夜半の冬」に固定電話を廃止する決断をした時のことをしっかりと句にしたのが、印象的。(髙橋正子)

★早梅の白々咲きしおんめ様/廣田洋一
「おんめ様」は、安産の神を祀る、鎌倉の大巧寺のこと。難産で亡くなった女性の霊を慰めるために建てられたと言う。その境内の雰囲気と早梅のきよらさが響き合っているのがいい。(髙橋正子)

1月18日(1句)
★船溜まりに寒の日差しの明るさよ/多田有花
船溜まりは、寒の日差しの強さによって、眩しいほどの明るさになる。この句は、見たままをそのまま読み下したよさがある。整えてもよいが、このままの味わいもまたよい。(髙橋正子)

1月17日(1句)
★石段を踏みしめ遅き初詣/土橋みよ
小正月近くになっての初詣であろうか。人込みを避けて、日にちを見計らって静かに初詣をすることも知恵であろう。石段を踏み外さないよう、しっかりと踏みしめた初詣に、生き方の確かさが見える。(髙橋正子)

1月16日(1句)
★初東風にピアス揺らして来たる友/土橋みよ
「初東風」が明るく作用して、「ピアス揺らして」来る友が若々しくて、互いが会えるよろこびに溢れている。(髙橋正子)

1月15日(2句)
★水が押す水の勢い冬日落つ/小口泰與
冬の日が落ちるなか、川の水が押されるように流れている。流れている水を流れてくる水が押しているのだ。その流れに永遠性が見える。(髙橋正子)

★雪冠る槙垣明けの庭囲む/上島祥子
雪を冠った常緑樹の槙の青々とした垣根。その垣根が庭を囲んで、静かな雪景色を作っている。精神の静かさが読みとれる句。(髙橋正子)

1月14日(1句)
★ジャケットを着てイタリアングレイハウンド/多田有花
伝統的は俳句が詠んでこなかった景色。「ジャケット」は冬の季語。冬の寒さに犬もジャケットを着せられている。ジャケットが紳士然として、イタリアングレイハウンドをお洒落に仕立てている。(髙橋正子)

1月13日(2句)
★鏨跡残れる寒の石垣よ/多田有花
石垣に鏨(たがね)の後が残っているのは、現場がそのまま残っていることでもある。寒という厳しい季節には、ことに鏨の後がリアルに見える。(髙橋正子)

★冬の森朝の静寂に嘴の音/小口泰與(正子添削)
寒さの厳しい冬の森の朝。その静寂を破る嘴の音。啄木鳥が木を叩く音が、森に響くと森の大きさがわかるような気がする。(髙橋正子)

1月12日(2句)
★初旅やきらきら光る伊豆の海/廣田洋一
初旅の新鮮さが、「きらきら光る」に表されている。伊豆の海の固有名詞が効いている。(髙橋正子)

★寒風に包み込まれて眠りにつく/多田有花
「包み込まれて」がいい。寒風が、眠る部屋をすっぽり包んでいる。部屋の中にねむろうとする者を直に包み込むような気配がある。(髙橋正子)

1月11日(2句)
★どっしりと石橋寒の陽を受けて/多田有花
石橋は物理的にはどっしりしているが、寒の陽を受けた石橋は、陽に輝き、その存在感がましている。それが「どっしりと」の言葉である。(髙橋正子)

★寒き朝木木の雀の動かざる/小口泰與(正子添削)
寒い朝の厳しさを詠んでいながら、小さい雀への眼差しが優しい。木木に止まったどの雀も、固まったようにじっとしている。寒さに耐えている小さきものたちである。(髙橋正子)

 

1月11日~1月20日

1月20日(2名)
多田 有花
大寒やすでに光は明るくて★★★
水仙の日ごとに開く野辺となる★★★★
寄せ植えの鉢にいくつもミニ葉牡丹★★★

土橋みよ
境内の梅の香ほのか春隣★★★★
柄杓持つ手に春寒の澄みし水★★★★

寒夜覚め若き女声の羅生門(原句)
寒夜覚め若き女声の『羅生門』(正子添削)
「寒夜覚め」と「若き女声の『羅生門』の間に、飛躍があり、読者の読み方を自由にさせてくれる良さがある。一方、飛躍をわかりにくい、説明不足と感じる人もいるが、この句の場合は、飛躍の余白が面白いと思う。羅生門は題名として『』でくくってわかりやすくした。
寒夜目覚めて、ラジオをつけると、多分NHKのラジオ深夜便の朗読だろうと思うが、若い女性の声で芥川龍之介の『羅生門』を朗読している。それに聴き入って寒夜を過ごした、と解釈した。(髙橋正子)

1月19日(2名)
多田 有花
夜半の冬固定電話を廃止する★★★★
真昼の散歩蝋梅の咲く道を★★★
紅白の実南天揃う玄関★★★

廣田洋一
厳寒や動き変わらぬ川の鯉★★★
蝋梅の透き通る黄の香りかな★★★
早梅の白々咲きしおんめ様★★★★

1月18日(1名)
多田有花
<明石市三句>
寒の内分大餅を買い求む★★★
明石鯛象る最中冬深し★★★
船溜まりに寒の日差しの明るさよ★★★★

1月17日(4名)
土橋みよ
  武州岩槻総鎮守 久伊豆神社3句
石段を踏みしめ遅き初詣★★★★
閑さや松過ぎ清き枯山水★★★★
新年の社を見下ろす青孔雀★★★

小口泰與
一枚の枯葉枝より離れざる★★★
風の無き森の木穴に冬の鳥★★★
あけぼのの冬翡翠の羽の色★★★

廣田洋一
寒卵使いしプリン売り出され★★★
初鏡年相応に老けし顔★★★
厳寒の富士の白さの際立てり★★★

多田 有花
<明石市三句>
生きのびるための記念碑阪神忌★★★★
一月や揚げたてたこ天定食を★★★
天和二年創業こうじやの寒★★★

1月16日(2名)
多田 有花
<明石城跡公園三句>
緋鳥鴨浮かびぬ緋鳥鴨同士★★★
ゆりかもめ波にゆらゆら揺れ浮かぶ★★★
青鷺の静かに立ちぬ寒の岸★★★

土橋みよ
種どれも赤く膨らむ寒苺★★★
冬薔薇の白く咲きいる裏参道★★★
初東風にピアス揺らして来たる友★★★★

1月15日(3名)
多田 有花
<明石城跡公園三句>
寒中の白壁ピラカンサ真紅★★★
山桃の巨樹空洞より寒の空★★★
門松や城跡の緑の相談所★★★

小口泰與
いかな日も二人は楽し寒牡丹★★★
水が押す水の勢い冬日落つ★★★★
冬赤城幾日仰いで春を待つ★★★

上島祥子
雪冠る槙垣明けの庭囲む★★★★
絵馬掛に明るき音うむ寒の風★★★★
床の間の花生け直し小正月★★★

1月14日(3名)
多田 有花
<明石城跡公園三句>
ジャケットを着てイタリアングレイハウンド★★★★
そこここに山茶花咲ける明石城★★★
巽櫓の彼方に寒晴の大橋★★★

廣田洋一
冬耕を終えし畑の静まれり★★★★
冬日差歩き始めし児を支え★★★
丈低き枯草覆う畑かな★★★

土橋みよ
動画添うメールの届く年始★★★
孫子来てその客もあり松の内★★★
八戸の真鱈子届き小正月★★★

1月13日(2名)
多田 有花
<明石城跡公園三句>
雲無き寒晴両櫓を包む★★★
白き山茶花坤櫓の下に★★★
鏨跡残れる寒の石垣よ★★★★

小口泰與
森の朝静寂を破る嘴の音(原句)
冬の森朝の静寂に嘴の音(正子添削)
季語があるほうが良いと思います。(髙橋正子)
空風や竹林右往左往して★★★
冬の朝木穴より出るニ羽の鳥★★★

1月12日(2名)
廣田洋一
働きますと決意を述べる成人の日★★★
厳寒やアルミシートを敷き詰める★★★
初旅やきらきら光る伊豆の海★★★★

多田 有花
寒風に包み込まれて眠りにつく★★★★
風荒れる音耳元に眠る夜★★★
風の音収まり穏やか成人の日★★★

1月11日(2名)
多田 有花
<明石城跡公園三句>
蹴鞠の場から寒の巽櫓★★★
どっしりと石橋寒の陽を受けて★★★★
明るさ増す寒の日差しや夫婦楠★★★

小口泰與
空風や上州言葉の荒々し★★★

寒き朝木木の雀も動かざる(原句)
寒き朝木木の雀の動かざる(正子添削)

山風に冬啄木鳥の嘴の音★★★