NEW2025年 月例ネット句会金賞作品/選句用

2025年 月例ネット句会金賞作品
●好な句を金賞作品11句から3句選び、コメント欄に番号をお書きください。句の冒頭の番号を<①、②、③ >のようにお書きください。よろしくお願い致します。

① 初日さし湖の昏さを破りけり     弓削和人
② 蜜柑摘み汽笛近づく海を背に     吉田 晃
③ 水際の色となりつつ柳の芽      藤田洋子
④花透かせ花に溶けゆく夕茜      柳原美知子
⑤つるバラの開花弾けるように増え    上島祥子
⑥残照の空へとあがる遠花火       多田有花
⑦青田風四万十川へ抜けてゆく      吉田 晃
(⑧休会)
⑨石狩に雲の一刷毛稲稔る        土橋みよ
⑩陽が沈む稲架の垂れ穂を赤く染め    吉田 晃
⑪縺れあう黄蝶のふたつ天高し     川名ますみ
⑫冬蝶を目で追いゆけばもどりくる     吉田 晃

●一年間、句会にご参加くださいまして、ありがとうございました。ここに一年間の金賞が揃いました。8月はブログの移転で句会はお休みしましたので、11句が揃いました。

花冠代表 髙橋正子
2025年12月14日

 

NEW■12月月例ネット句会入賞発表■

■12月月例ネット句会入賞発表■
2025年12月14日
【金賞】
26.冬蝶を目で追いゆけばもどりくる/吉田 晃
冬の蝶の儚さを写しながら、蝶を追う眼差しの優しさと、蝶の飛ぶ自然の律動を表している。静かな冬の空気の中に、蝶の一瞬の舞いが「戻る」という言葉によって永遠性を帯び、余韻を残す一句となっている。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
07.寺の柚子洗いし手の甲水弾けり/土橋みよ
寺でもらった柚子はたくさんあったのだろう。柚子を洗った手の甲が水をはじいたのは、柚子も、手の甲もきびきびと若々しい。

11.銀杏散り尽し街空澄む碧さ/藤田洋子
並木の銀杏黄葉もすっかり散って、街の空は、青一色に澄んでいる。散ってしまった黄葉ではあるが、青空に対比されて、脳裏にはその色が残っている。それだからこと、「澄む碧さ」となるのだ。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
04.浮寝鳥群れたるままに流れおり/ 廣田洋一
水に浮いたまま寝むる水鳥の群れは、流れがあれば、群れごとに流れている。自然の営みのままに眠る浮き寝鳥は、自然の一部となっているのだ。
(髙橋正子)

29.餅搗けるまでドラム缶の火を囲み/柳原美知子
集まって餅を搗いているのだろう。餅搗きの場書には、ドラム缶に焚火が焚かれ、暖が取れるようになっている。餅が搗きあがるまで、みんなで火を囲んで話も、身近なことなど尽きない。年末の共同体のなごやかな風景が詠まれている。(髙橋正子)

09.手に掬う湯の柔らかき蜜柑風呂/土橋みよ
蜜柑風呂に入った。蜜柑の香りがして、手に掬うと柔らかい。家庭的な蜜柑風呂の柔らかさに和むひとときだ。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
09.手に掬う湯の柔らかき蜜柑風呂/土橋みよ
手をこぼれ落ちた湯が柔らかい音を立てる。湯の柔らかい匂い、湯のこぼれる柔らかい音、柔らかい湯気、そして蜜柑の柔らかな匂い。ゆったりと流れる時間に包まれた作者。(吉田晃)

04.浮寝鳥群れたるままに流れおり/ 廣田洋一
07.寺の柚子洗いし手の甲水弾けり/ 土橋みよ
08.手に掬う湯の柔らかき蜜柑風呂/ 土橋みよ
11.銀杏散り尽し街空澄む碧さ/藤田洋子
26.冬蝶を目で追いゆけばもどりくる/吉田 晃
27.海光り港静かな暖冬に/吉田 晃
29.餅搗けるまでドラム缶の火を囲み/柳原美知子

【入選/15句】
13.朝に掃き夕に掃いても落ち葉あり/高橋秀之
紅葉、黄葉の時季を過ぎれば、あとは落葉落葉の連続です。当に落葉時の光景を詠んで落葉の切りの無さが思われます。(桑本栄太郎)

23.日が射して枯葉がひらり吾子の手に/西村友宏
明るい冬の日差しを受け、ベビーカーの中のお子様も押すお父様も心地よく、子の手に舞い降りた枯葉に自然の息吹を感じつつ歩む父と子の至福のひとときです。(柳原美知子)

24.はじめてのおすわり祝す冬日和/西村友宏
 おめでとうございます。生まれて間もない赤子が、冬の温かい天気の良い日にに日向ぼこをする如く、初めて座った。健康に成長していて、真に喜ばしい。(廣田洋一)

36.深呼吸ひとつ大きな冬の月/友田 修
澄んだ冬の空に浮かぶ月の下で、雄大な自然を全身で味わいながら、大きく深呼吸する様子が目に浮かびます。(土橋みよ)
冬なればこそ、くっきりと光りを放つ大きな冬の月の存在感です。澄み渡る澄んだ大気の中での作者の深呼吸に共感いたします。(藤田洋子)
澄み渡る空気、明るく照らす冬の月。自然の醍醐味が大きな深呼吸で味わえる。この深呼吸に幸せな時間と空間を感じます。(高橋秀之)

02.冬ぬくし始業チャイムの緩やかに/桑本栄太郎
08.ひび割れし苅田に糠の山一つ/土橋みよ
10.窓拭いて空の青さに師走来る/藤田洋子
14.澄み渡る冬空を行く鳥の群れ/高橋秀之
15.大根の煮物みそ汁食卓に/高橋秀之
20.朴落葉踏み天文台への道/多田 有花
22.冬日向ベビーカー揺れ眠りけり/西村友宏
28.落葉する大銀杏抜け子ら登校/柳原美知子
30.里祭り抜け来し川辺枇杷の花/柳原美知子
31.冬灯夜を切り取りて黒猫来/川名ますみ
32.銀杏黄葉樹の膨らみて弾け散る/川名ますみ

■選者詠/髙橋正子
17.木の葉ちる朴には朴の音のして
色鮮やかだった紅葉も冬になると木々の葉は枯れて舞い落ちる。丸まってカサカサになり風に舞うように散るものもあれば、朴葉のようにゆったりと落ちてゆき、ふわっと音を立てるものもある。木々それぞれの散り方にそれぞれの音があるように、人の人生にもそれぞれの音があるのだろう。
(友田修)

16.鍵開ける冬満月を仰ぎつつ
18.プラタナス落葉となって地を走る

●互選最高点句(5点)
09.手に掬う湯の柔らかき蜜柑風呂/土橋みよ

集計:髙橋正子
※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。

NEW■12月月例ネット句会清記■

■12月月例ネット句会清記■
2025年12月14日
36句(12名)

01.葉を落とし銀杏冬芽の楽譜かな
02.冬ぬくし始業チャイムの緩やかに
03.松山のことは想い出漱石忌
04.浮寝鳥群れたるままに流れおり
05.コンビニのおでんの匂い昼餉時
06.黄ばみたる障子まとめて張り替えぬ
07.寺の柚子洗いし手の甲水弾けり
08.ひび割れし苅田に糠の山一つ
09.手に掬う湯の柔らかき蜜柑風呂
10.窓拭いて空の青さに師走来る

11.銀杏散り尽し街空澄む碧さ
12.冬欅灯し現る樹の形
13.朝に掃き夕に掃いても落ち葉あり
14.澄み渡る冬空を行く鳥の群れ
15.大根の煮物みそ汁食卓に
16.鍵開ける冬満月を仰ぎつつ
17.木の葉ちる朴には朴の音のして
18.プラタナス落葉となって地を走る
19.日時計の針になりけり冬晴に
20.朴落葉踏み天文台への道

21.太陽のフレアを見るや冬真昼
22.冬日向ベビーカー揺れ眠りけり
23.日が射して枯葉がひらり吾子の手に
24.はじめてのおすわり祝す冬日和
25.木が枯れて森の浅きを鵙猛る
26.冬蝶を目で追いゆけばもどりくる
27.海光り港静かな暖冬に
28.落葉する大銀杏抜け子ら登校
29.餅搗けるまでドラム缶の火を囲み
30.里祭り抜け来し川辺枇杷の花

31.冬灯夜を切り取りて黒猫来
32.銀杏黄葉樹の膨らみて弾け散る
33.にわか雨冬の日差しの潤える
34.冬紅葉蹲に浮き沈みけり
35.最中とは満月と知る冬の月
36.深呼吸ひとつ大きな冬の月

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

NEW12月13日(土)

曇り、ときどき晴れ
鍵開ける冬満月を仰ぎつつ
木の葉ちる朴には朴の音のして
プラタナス落葉となって地を走る

●12月ネット句会の準備。
●俳壇1月号を7冊発注。
●花冠の編集。正子の俳句日記を仕上げる。リルケについて書いた記事が8月かなりあるので、別の文章にまとめて書くことにした。主なテーマは2つ。
●風邪を引きそうなので、喉を潤すようにする。病気の時のために買い置いOS-1ゼリーとアクアサポートを飲む。ずっと炬燵に入って編集。アクアサポトが効き目がある感じだ。喉が楽になった。