8月27日(名)
作業中
桑本栄太郎
窓越しの夜気に目覚むや夜半の秋★★★
ごみ出しの朝の置き場の穂草かな★★★★
うそ寒や吾が八十年の誕生日★★★
傘寿の誕生日おめでとうございます。
祝・傘寿
穂草にも朝日の金のふりかかり 正子
小口泰與
大沼へ鋭声残せし鵙の声★★★
浮かびたる句は平凡や秋燕★★★
雨風に閉ざす雨戸や秋の暮★★★
多田有花
<あさご芸術の森三句>
初秋の川のほとりで昼ごはん★★★
秋めく空へ噴水の鴎飛ぶ(原句)
噴水より秋めく空へ翔つ鴎(正子添削)
「噴水の鴎」の部分ですが、鴎はふつう,海や河口近くにいるので、よくわからないです。(髙橋正子)
動物の最後の午餐秋の森
「最後の午餐」の意味がよくわからないです。餌を食べるのが、そのひ最後となった午餐と言う意味でしょうか。(髙橋正子)
8月26日(3名)
多田有花
<あさご芸術の森三句>
秋浅し森の緑は濃きままに★★★
稲穂はや黄金となりて揺れており★★★
オブジェが映す早秋の山と空★★★★
桑本栄太郎
耕衣忌の鉢の葱摘み朝餉かな★★★
診察を待つ間も冷える待合に★★★
秋暑しエレベーターの二階まで★★★★
土橋みよ
夏衣水の子供えてお施食会
「施食会」(施餓鬼会)は秋の季語になっていますので、「夏衣」が気になります。この夏衣は僧衣ですかご自分の着物ですか。(髙橋正子)
西日差し蕊の黄光るチランジア★★★
この句は、「チランジア」が読み手に訴える植物そのもののイメージが弱いのが難点です。「西日差し蕊の黄光る。」はとても良い観察です。(髙橋正子)
夏野菜並ぶ食卓色深し★★★★
8月25日(3名)
多田有花
<あさご芸術の森三句>
彫刻の機関車置かれ処暑の森★★★
法師蝉鳴くや屋外彫刻に★★★
空は初秋彫刻のある広場★★★★
桑本栄太郎
黒雲の集い嬉しき残暑かな★★★
鳴き声の少し弱りぬ秋の蝉★★★
何となく雨の催いの愁思かな★★★
土橋みよ
秋うららエアープラント蕾持つ★★★
秋の昼ブルーベリー煮る鍋の音★★★
庭仕事終え青梨の生ジュース★★★★
8月24日(2名)
桑本栄太郎
つくづくと惜しみて余るつく法師★★★
カナカナのカナの途切れや夕間暮れ★★★
秋暑し会話途切れの長きかな★★★
多田有花
秋暁に等間隔のツバメかな★★★
弾けるを待つ毬栗の青さかな★★★
秋の風鈴公民館に吊るされて★★★
8月23日(3名)
桑本栄太郎
京なれや”ちくりんよし”と秋の蝉★★★
落蝉の翅の哀れに透けにけり★★★
きちきちの足下飛びぬ地道かな★★★
小口泰與
鳴きながら水面めがけし秋翡翠★★★
とんぼうの岸に沿いて翔け行けり★★★
蜻蛉や水面に映る蒼き影★★★★
廣田洋一
賜りし葡萄一房洗いけり★★★
ほほばりて甘さ広がる葡萄かな★★★
梨園の梨一つ落ち雨上がり★★★
8月22日(6名)
高橋秀之
虫の音を聞きつつ歩く三男と★★★
風そよぎ和らぐ残暑夜の道★★★
秋風を全身で受け背伸びする★★★
上島祥子
シーツ干す竿に戌亥の秋西日★★★
朝の日に虫の響きの遠去かり★★★
夜の更けて窓に届くや虫時雨★★★
小口泰與
秋川蝉のつとに小沼を離れずに★★★
鷺まれに鴉つねなり沼の秋★★★
つらつらと秋翡翠の羽の色★★★
多田有花
白百合や新涼の朝に開きけり★★★
おしろいや終夜営業の店を出る★★★
秋草をマリアの像に供えおり(原句)
秋草のマリアの像に供えられ(正子添削)
廣田洋一
爽やかや風吹き抜ける裏通り★★★
秋うらら鯉の餌撒く橋の上★★★
ゆらゆらと群れては離れ赤とんぼ★★★★
桑本栄太郎
露草の露のきらめく地道行く★★★
ぎんなんの少し色づく並木かな★★★
前髪のみだれ愛しき藤村忌★★★
8月21日(5名)
土橋みよ
揺らめいてコップに揺れる玉氷★★★
障子越しに南天揺れて秋近し★★★
障子越しに南天揺れる処暑の夕★★★
小口泰與
波立ちて秋の小沼のにぎにぎし★★★
遠近に鳥の鳴き声秋の沼★★★
勝ち残り沼の主たる秋翡翠★★★
廣田洋一
引き売りのラッパの音や新豆腐★★★
さわやかに朝の挨拶園児達★★★
秋の川底石白く光りおり★★★
多田有花
建つ店舗壊される家秋の朝★★★★
昨今の案山子は光るものとなり★★★
残る田に今年もかかる鳥威し★★★
桑本栄太郎
稜線の鉄塔ならぶ秋の色★★★
おちこちに落蝉ありぬ木蔭かな★★★
林花忌のひと雨来るや西の空★★★