5月24日(土)

曇り、夜小雨
献句
芍薬の一夜経ぬ間にひらきけり   正子
投句
29.忍冬の花の香りに三回忌
忍冬、和名スイカズラの、甘い芳香の漂うなか迎えられた三回忌。忍冬の花の静かな趣き、その香りの優しさに、忌日となる一と日の思いが伝わり、しみじみと偲ばれます。(藤田洋子)
はや三回忌なのかと感じます。スイカズラは甘い香りがあり、昔は砂糖代わりに用いられました。ふとした瞬間に漂う香りはそのときの記憶を鮮烈に蘇らせてくれるものです。 (多田有花)

30.桜の実熟れるころなり夫の忌は
葉桜になる頃、桜は小さな実を結ぶ。この実は間もなく土に落ちて来年の発芽を待つのである。。その時期が先生の忌日である。我が家の桜も小さな赤い実を結んでいて、生前の先生の笑顔を思い浮かべる。(吉田 晃)
信之先生の忌は、都会地では市販されている桜桃の実をさくらんぼと言っている。一重桜の実で、桜桃よりずっと小さく、紅くなり、さらに紫黒色ととなる。とっても美味しい実です。このさくらんぼを見るといろいろの思い出が蘇ってきます。(小口泰與)
28.葉桜の濃き影踏みて墓所へまで

To my husband's tomb,
walking through the dark shadows 
of cherry leaves. ― Masako

●第2回芍薬忌(信之忌)ネット句会を開催。献句一句と当季雑詠3句の句会。人数は10人。3回忌の法事と重なっているので、大変なのだが、これをこなしてこそ、と清記の通し番号を間違えないように、慎重につける。私の句はみんなの投句を整理しながら作るという、荒業をつかい、即席の句ばかりになった。

●今日は信之先生の3回忌。墓所で3回忌の法要をする。出席は長男と私の二人。今年も尼僧の方がお経をあげてくれた。去年と同じく、「緑が多くて気持ちのよいところですね。」と感心したように言われる。四季折々、何らかの花が咲いている。薔薇を中心に咲かせている墓域もあれば、桜や卯の花などの墓域もある。今日はテイカカズラが崖の法面を覆うように咲き、いい匂いをこぼしていた。これだけのテイカカズラは見たことがない。

帰りは長男が送ってくれ、留守番の句美子、友宏さんの4人でお鮨で食事。舟盛りを頼んだが、会食には見栄えがよくて豪華に見えて、ちょっと面白いのでよい。「豪華に見える」と私が言うと、友宏さんが「見えるじゃなくて、実際豪華ですよ。」と。長男は「誰が頼もうと言ったのか」と。句美子が「おかあさんよ」と。私は昨日買った「荒茶」を美味しく淹れた。それから値段を言って味の秘密をばらす。「100g2000円よ」。荒茶は好き嫌いがあるらしいが、お茶の味がよくするので、三煎ぐらい美味しく飲める。お茶の味がするお茶なのだ。100g2000円を高いと言ってはいけない。
●食後、元に印刷機が印刷できなくなっていたのを直してもらう。ドライバーが使用できないと表示されるので、1週間ばかり使えなかったのだ。なぜそうなったかわからない。「素人が直すのは無理なのか」と聞くと、「無理じゃない」と言う。
●明け方、赤ん坊が全然寝ないので眠れていないと言うので,句美子とお守りを交代。ずっと抱っこして落ち着いたので寝かせると、声がよく出ている。何かことばのような声をだしている。この時間帯に法事の支度もあったが、端折ることにした。仕方がない。

■第2回芍薬忌ネット句会清記■

■第2回芍薬忌ネット句会清記■
2025年5月24日
30句(10名)

01.城山の眼下はるかに青葉潮
02.わらわらと葉裏白きや青あらし
03.瀬戸内の夕映え想う海峡に
04.大輪の芍薬ゆるる今朝の風
05.天高く光り輝く星ひとつ
06.大輪の芍薬空を奪いけり
07.打ち水して朝の手習い子規を読む
08.露地植えの花咲くミツバ香る朝
09.雨上がり鰈干す網母の影
10.目に見えぬ縁こそ深し時鳥


11.熊蜂の羽の旋風を肌に知る
12.夏つばめすいと滑空朝の空
13.時々は腰を伸ばして草むしり
14.裏庭や十薬の花満開に
15.芍薬の咲きて笑顔の広がりぬ
16.ブランコを待つ子ら青葉の影にいて
17,夜明け前玄関の灯に無言の守宮
18.鯖寿司の酸味嬉しき夏灯し
19.初めての自転車まっすぐ葉桜へ
20.田から田へ水入り泡立つ空の青

21.卯の花の真白咲き初む谷の香よ
22.雨伝う青葉の窓に師の句集
23.忌日来て紫陽花蕾持ち始む
24.柿若葉どの葉も雨の光る朝
25.噴水の大樹越したる水柱
26.噴水に着衣の犬は耳を伏せ
27.駅名に旧町残る茅花流し
28.葉桜の濃き影踏みて墓所へまで
29.忍冬の花の香りに三回忌
30.桜の実熟れるころなり夫の忌は


31.すきとおる新茶を淹れる益子焼
32.天窓に空の青見え夏近し
33.風薫る民家の庭に写真撮る

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

5月23日(金)

晴れ

●明日は信之先生の3回忌。仏花の束と芍薬を買って来た。花屋にいくと、ちょうど大量に芍薬が入荷したので、芍薬の花束をたくさん作っているところだった。ピンクしかないので、それにしたが、持ち帰るときはわずかに開いていたのに、夜中にはかなり開いている。気温が高いせいらしい。固かった蕾も開きかけた。お供えは、塩味饅頭と柑橘と林檎など。信之先生は八朔が好きだったし、塩味饅頭は明石の学生のお土産にもらったことがある。微妙な塩加減がいい信之先生好みの饅頭なのだ。

●朝顔の苗の植え替えと百日草の種を蒔いた。白いベゴニアを摘んでチョコレートコスモスの脇に差し芽をした。ベゴニアはすぐに根を出してくれる。今年はなぜかベランダの花がよく咲いてくれる。肥料はハイポネックスだけなのに。ミニ薔薇も地植えのように枝をのばして花を咲かせた。これを大きく育てようと欲が湧いて来た。

●赤ん坊の抱っこで夜は腰がひどく痛む。寝づらいほど。ひょっと思いついて
湿布薬を貼り、その上にホッカイロを衣類の上から貼って一晩過ごした。朝は、痛みが取れていた。なんとすばらしい。この赤ん坊、眠っている時に口元が笑うのだ。なかなか可愛いが、句美子が言うのに、笑っているのではなく、筋肉がそう動くのだとのこと。新生児や乳児の研究がよく進んでいるのを日々知るようになっている。