自由な投句箱/2月11日~2月20日

※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。

今日の秀句/2月11日~2月20日

2月20日(2句)

★青空へ明かりゆらゆら花ミモザ/廣田洋一
ミモザの花の明るさを「明かり」と捉えて詠んだ句。「ゆらゆら」がミモザの咲く枝をよく思わせてくれる。(髙橋正子)

★残る雪遠くの雲と同じ色/弓削和人
遥かな雲と、残る雪をつなげて思うのは、詩人。いい句だと思う。(髙橋正子)
2月19日(1句)

★堰落ちる水音軽し春の川/廣田洋一
堰を落ちる水の音が軽い。さらさらと心地よさそうに流れる水の音を聞くのは心楽しい。川の水量は雨や雪の降りかたによって変わるので、季節の変化があらわれて来る。(髙橋正子)
2月18日(1句)

★いにしえの四天王寺の春そこに/多田有花
調べると、四天王寺は1400年ほど前の推古天皇元年(593)に聖徳太子が四天王を祀るために建立し、伽藍の形式は中門から講堂まで一直線でそれを囲む回廊が周りにある日本で最も古い建築様式をもつ寺であるという。いずれにしても、「いにしえ」の寺なのだ。その寺にも春はそこに来ているという。「いにしえ」を思うだけで、大らかな春が想像される。(髙橋正子)
2月17日(1句)

★湖の面に夕日まだあり帰る雁/小口泰與
「帰る雁」は、春になって北へ帰る雁のこと。鳴きかわす声には悲哀の情がある。湖に水面には沈みかけた夕日の光がまだ残っている。帰る雁の背景とし詠まれている。(髙橋正子)
2月16日(1句)

★野放図と云うは畑の野梅かな/桑本栄太郎
庭や梅園の梅は、選定されて木の形が整っているが、畑の梅は野放図というほど、枝が奔放に伸びている。それが野梅の風情。(髙橋正子)
2月15日
※該当句無し
2月14日
※該当句無し

2月13日(2句)

★金色の花蕊光りクロッカス/廣田洋一
「金色の花蕊」がローマン的で、感性が若い。生き生きとしたクロッカスの可愛らしさがでている。(髙橋正子)

★あおぞらの尾根くつきりと春の山/桑本栄太郎
春の山はやさしく、なだらかな印象をもつが、背景に青空があると、霞もなく、尾根がくっきりとしている。それだけ日が麗らかということ。(髙橋正子)
2月12日(1句)

★野を焼くや飛行場への道すがら/廣田洋一
これから飛行機で旅に出かけるようだ。飛行場への道すがら、野焼きをしているのを見た。バスの窓から野焼きをする早春の季節を思い、旅への期待が膨らんでいる。(髙橋正子)

2月11日(1句)

★水鏡して雪の木立の今朝の色/小口泰與
雪を冠った木立が水鏡に映っている。その静寂。その色は、夕べと違う今朝の色。どんな色なんだろう。静寂に息を与えるようなしずかな明るさが絵画のようだ。(髙橋正子)

2月11日~2月20日

2月20日(名)

小口泰與
早春の温みたまわる峡の径★★★★
三山を諸共に消す春の雲★★★
春の日や木陰もろもろ動きける★★★

桑本栄太郎
水滴の風に混じりぬ春しぐれ★★★★
枝先のほんのり赤く春の雨★★★
陸橋や帽子抑える春疾風★★★

廣田洋一
暖かや思い切り背を伸ばしたり★★★
門前に紅白並びてシクラメン★★★
青空へ明かりゆらゆら花ミモザ★★★★
弓削和人
残る雪遠くの雲と同じ色★★★★
早春や閉じたる門を開け放ち★★★★
夕東風や湖畔の小屋に人の影 ★★★
2月19日(4名)

小口泰與
利根川の波尖りたり麦青む★★★
上州の風の物言い春浅し★★★
百年を経し床柱冴返る★★★

廣田洋一
春時雨昼には止みてそぞろかな★★★
堰落ちる水音軽し春の川★★★★
遊水池空のままなり春の川★★★

桑本栄太郎
釣り人の湾処に一人春の川★★★
咲きみつる河川畑の野梅かな★★★
黒雲の嶺に集いぬ雨水かな★★★

弓削和人
料峭や浮木の影に白き砂★★★
牡丹の芽折り重なりて触れ合わず
牡丹の芽は、幼葉が畳まれたように「折り重なって」いますが、「触れ合わず」の状態がわかりません。(髙橋正子)

春の水足音まったき消えにけり(原句)
「まったき」の語尾変化が問題です。
春の水足音まったく消えにけり(正子添削)
 
2月18日(4名)

小口泰與
有明の早春の天鳥の声★★★
春雷や犬は納戸へ駆け込みし★★★
もたれたる木に日の射すや鳥交る★★★★

廣田洋一
季重り詠んでしまいし梅の花★★★
また一羽目白の来たる梅の花★★★
夜の卓や白魚の目に謝りぬ★★★

桑本栄太郎
<四条大橋界隈散策>
せせらぎのきらめき温む高瀬川★★★
芽柳の川端通り人の波★★★
外つ人の花見小路や春日さす★★★

多田有花
<四天王寺三句>
いにしえの四天王寺の春そこに★★★★
阿弥陀堂にあべのハルカス二月空★★★
春淡し乳がん封じの乳布袋★★★
2月17日(4名)
小口泰與
並び居て春暖めずる老夫婦★★★
春風やことに女の子の通学路★★★
湖の面に夕日まだあり帰る雁★★★★

廣田洋一
神の庭香り良きかな梅の花★★★
青き目の人も愛でたる梅の花★★★
池の端うすうす香る河津桜★★★

多田有花
<大阪七福神巡り三句>
狛犬はねずみよ二月の大黒天★★★
春浅し人情深し通天閣★★★
新世界の春に聳える通天閣★★★

桑本栄太郎
びょうびょうと風の田道や犬ふぐり★★★★
午後よりの春日燦々田道行く★★★
こつ然と天の静寂やひばり落つ★★★

2月16日(3名)

小口泰與
水草の水を睦ぶる朝かな★★★
一瞬に春雪とけて空しけり★★★
料峭や鳥に目ざときカメラマン★★★

桑本栄太郎
夜もすがら雄叫び聞きぬ春一番★★★
うすらいの風の行へに彷徨いぬ★★★
野放図と云うは畑の野梅かな★★★★

廣田洋一
梅東風や穴稲荷より弁天堂★★★
公園のひときわ赤き椿かな★★★
緑青の屋根より枝垂梅赤き★★★
2月15日(4名)
  
弓削和人
春寒の泉岳寺はや坂くだる
春寒いのに、「はや」坂をくだる、と言う意味ですが、このような「はや」の使い方は、疑問です。(髙橋正子)

鞦韆を漕ぎたくなりし春近し(原句)
鞦韆を漕ぎたくなりぬ春ちかし(正子添削)

陽光の村から街へ春しぐれ★★★
小口泰與
春の日をむさぼる髪膚ありにけり★★★
薔薇の芽の未だ硬きや蒼き空★★★
春の鳥梢に睦ぶ朝かな★★★

廣田洋一
人影の無き公園や冴え返る★★★
池の面漣立ちて冴え返る★★★
卵とじ白魚の目の点々と★★★

桑本栄太郎
朝からの雲かかすみか春しぐれ★★★
咲きみつるつらつら椿ピンクかな★★★
春雨や欠伸ひとつのバス待つ娘★★★
2月14日(5名)
小口泰與
榛名富士空青青や春の利根★★★
紅梅の花の向き向き昼の雨★★★
春蝉のぽとんと落ちし骸かな★★★

桑本栄太郎
我が影の背ナの曲がりや春日さす★★★
あおぞらを背景に撮り梅真白★★★
午後からの峰の彼方のかすみけり★★★

多田有花
<大阪七福神巡り三句>
千両や弁財天に春淡し★★★
毘沙門天ビルの谷間の春の空★★★
春昼や鶏唐揚を山盛りで★★★

弓削和人
旅立ちて荒子観音梅凛と(原句)
「旅立ちて」が問題です。(髙橋正子)

遠山の彼方より来し淡し春(原句)
「淡し春」は、「淡し」が終止形なので、「淡し」と「春」が切れます。
全体を通すと意味として無理があります。「淡き春」としてください。(髙橋正子)
紅梅の繁りに白き梅ありぬ(原句)
「繁り」は、俳句では、「葉」や「木」に使います。「紅梅の繁り」で紅梅の花がびっしり咲いている様子を表すには無理があります。(髙橋正子)
2月13日(4名)

小口泰與
子犬居り春雪に吠ゆ家の中(原句)
家うちに仔犬吠えおり春の雪(正子添削)

紅梅や真白き庭へ朝日射す(原句)
紅梅や真白き雪へ朝日射す(添削正子)
俳句の詠み方にはおおまかに二通りあります。
①「紅梅」など季題を読む場合(ホトトギスの俳句など)は季語を決めて詠むので、季が重なることはありません。季節が重なることを「季重なり」と言って嫌います。
⓶秋櫻子(ホトトギスに反発してホトトギスを出ました)のような句には、季語が重なったり、違う季節の季語が混じったりしています。実際そのような句が散見されます。この場合は、主となる季語がないといけません。
どちらの立場をとられますか。

見つめいる沼の水面や百千鳥★★★

多田有花
<大阪七福神巡り三句>
早春の浪花の七福神巡る★★★
采配の幸村像や春早し★★★
春の坂くだりて出会う福禄寿★★★

廣田洋一
金色の花蕊光りクロッカス★★★★
春一番テニスボールの音高し★★★★
犬と子の駆けまわる芝春早し★★★

桑本栄太郎
あおぞらの尾根くつきりと春の山★★★★
ブランコの風の子待ちて二列かな★★★
紅梅のすでに満ちたり梅二月★★★
2月12日(3名)

小口泰與
丘越ゆる鷹の羽音や朝な朝な★★★★
見つけたる雪の浅間の神神し★★★
連れ立ちてカメラ二台や目白追う★★★

廣田洋一
春一番ポニーテールを揺らしけり★★★
野を焼くや飛行場への道すがら★★★★
バレンタインデーチーズケーキを贈らるる★★★

桑本栄太郎
春しぐれの上がり鋪道の光りけり★★★
料峭の首筋寒き日差しかな★★★
<近鉄小坂駅より記念館へ>
駅前の鉢植え誘う菜の花忌★★★★
2月11日(4名)

小口泰與
水鏡して雪の木立の今朝の色★★★★
枯葉落つ白き庭の目印に★★★
目の前を雪の塊どんと落つ★★★★

多田有花
春淡し芽吹きまではいま少し★★★★
春しぐれ郵便局まで歩きおり★★★
遠山の霞みて明日はハイキング★★★

廣田洋一
ほんのりと色付き初めし桜の芽★★★
紀元節セピア色なる写真集★★★★
暖かな日差し浴びたる本の束★★★

桑本栄太郎
老いたれど矜持の香り梅白し★★★
へんぽんと見よ建国の日章旗★★★
木々の枝の梢色づき木の芽張る★★★★

■2月月例ネット句会清記■

■2月月例ネット句会清記■
2024年2月11日
36句(12名)

01.忽然と俳句が来るよ春の雪
02.水底へ春の来ており賑賑し
03.朧夜や波の穂先のほろほろと
04.料峭のさざ波たつやにわたずみ
05.枝先の色づき来たる楓の芽
06.あおぞらの風の田面や犬ふぐり
07.ぐんぐんと岸の白梅ふくらめり
08.雪に濡れさくらの枝のほの赤き
09.大粒の春雪ぺたぺたボンネット
10.投函の新聞かんと春浅し

11.節分の夕餉を映えさす鰯かな
12.まさおなる空にこぼるる寒椿
13.りんりんと鈴を鳴らして針供養
14.切支丹の墓の十字架冴え返る
15.暖かな日差しの中の木椅子かな
16.曙の雲をまといて春の山
17.梅が香に誘われ歩く散歩道
18.その歴史長き国なり建国日
19.いちご食う結婚記念の夕食会
20.新芽出すホームの隅のプランター

21.見上げれば春の大空雲ひとつ
22.星めぐりの歌の余韻に明日立春
23.球音を聞きつつ見上ぐ城二月
24.しだれ梅塀歩く猫尾を振って
25.寒ごやし麦の吹かれている畝に
26.餅黴を削りつつ焼く二月来る
27.牡蠣鍋の牡蠣の一つをすくいけり
28.冬空へタワーの建つを見上ぐ朝
29.春一番歯医者帰りの頬を打つ
30.春夕べ商談まとまりホットココア

31.椿活け夜は背ナよりしんと冷ゆ
32.春の雪積もりし量の屋根にあり
33.春の雪ことば真摯な葉書きかな
34.梅林の賑やかな小さな街
35.節分の豆を数えてカラカラと
36.立春の風が高く流れゆく


※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

■2月月例ネット句会ご案内■

■2月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠
1月8日(月)午前6時~1月14日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:2月11日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:2月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、2月12日(月)正午~2月15日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏

花冠2月号発送


●花冠2月号ができました。年末の合同句集『泉』の編集に注力していましたので、冬号が少し遅れましたが、本日2月11日(日)に横浜・綱島郵便局から発送いたしました。お手元に届くのは、2月14日以降となります。お楽しみください。
届きましたら、下のコメント欄に、その旨お書きください。よろしくお願いします。
花冠代表 髙橋正子
2024年2月11日

■花冠2月号(No.370)発送

●花冠2月号ができました。年末の合同句集『泉』の編集に注力していましたので、冬号が少し遅れましたが、本日2月11日(日)に横浜・綱島郵便局から発送いたしました。お手元に届くのは、2月14日以降となります。お楽しみください。
届きましたら、発行所ブログのコメント欄に、その旨お書きください。よろしくお願いします。
発行所ブログ:https://blog.ne.jp/kakan100

花冠代表 髙橋正子
2024年2月11日