■3月月例ネット句会清記■

■3月月例ネット句会清記■
2023年3月12日
39句(13名)
01.白梅を通う人みな麗しき
02.朝海にわずかな春や照る山辺
03.春の湖白鳥翔てりと聞くばかり
04.ひと畝の早やも咲きたる茎立菜
05.歩みゆく人立ち止まる初音かな
06.木蓮のにつとはにかみ咲く構え
07.湖へ径まっすぐやつくつくし
08.全山を震わす声や昼蛙
09.如月や際立つ山のきららかに
10.おはようの朝の挨拶受験の日

11.梅開く大阪城を仰ぎ見て
12.今日は右明日は左春の風
13.朧月書斎の窓の磨硝子
14.観音の柔和な顔や玉縄桜
15.池巡る橋桁覆ふ春の泥
16.藍色の空に滲むは春満月
17.街灯の照らす花壇のチューリップ
18.青天に確かに梅は散りぬべし
19.春寒し掛けた布団をさらに寄せ
20.麦味噌の汁にたっぷり春野菜

21.絵馬古き堂訪う人の梅見かな
22.かわいいね屈む親子のチューリップ
23.雛色紙京の歩きで求めしもの
24.菜の花の帯の2本を抜き水へ
25.旅立ちの春改札に手を振りぬ
26.春風に凧あげの父娘河川敷
27.花の香の部屋に溢れて春の朝
28.紅白梅樹影踏んでは香を吸って
29.海統べて石鎚連山はだれ雪
30.雛分け愛猫座してすまし顔

31.吹く風に花を浮かせて黄水仙
32.春の坂旅のかばんを引き上る
33.高空の曇りて濁る花こぶし
34.園児らが手を挙げ歩く春の朝
35.寝そべって河津桜と川の音
36.あたらしい帽子が舞った春一番
37.うららかに東京駅舎人流れ
38.黄水仙そよぐ斜面にレンズ向け
39.蝋梅の透けし青空屋根を越え

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

3月12日(日)

晴れ。
春の坂旅のかばんを引き上る 正子
吹く風に花を浮かせて黄水仙 正子
高空の曇りて濁る花こぶし  正子
●3月月例ネット句会。午前中までに9名投句。
●久しぶりに5丁目の丘へ。今日は桜の木にオナガが来ていた。3,4羽。
●ひろそ火3月号、たんぽぽいっぱいの表紙で届く。
●救急車で運ばれてから、特に病気ではないのに、信之先生を散歩に連れ出すのが、恐ろしい。単なる水分不足によるものなので、ジュースとか、牛乳とか、コーヒー、紅茶、なんでも飲んでいるのにもかかわらず。
春の陽気でも昼頃は危ない感じがする。朝は朝で、夕方は夕方で問題あり。結局本人任せにすると、運動なしの日が続く。そして、あまりお腹が空かない、となる。二人で一人前分(麺類一玉を二人で)を原則に食事を作っているが、これでも残ることしばしば。これが結構ストレス。

自由な投句箱/3月11日~3月20日

※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

今日の秀句/3月11日~3月20日

3月20日(1句)
★「一樹の高く」に、やまざくらの姿が見えて、ここが作者の捉えどころとなっている。よほど大樹の山桜であろう。満開の姿に風格が見える。(髙橋正子)
3月19日(2句)
★芽柳のすらりかがやく雨の中/小口泰與
芽柳の枝がすらりと垂れている。それに雨が降り注いで輝いている景色。「すらりかがやく」に芽柳の繊細な息吹がよく出ている。(髙橋正子)
★レガッタや土手まで届く舵手の声/廣田洋一
力強くオールを揃え水を漕ぐレガッタは爽やかな若さの象徴。船首で声を上げる舵手の声がひときわたくましい。(髙橋正子)
3月18日(1句)
★囀りや湖面につづく遠き山/弓削和人
「湖面につづく」が、広々と静かな湖面を想像させてくれる。その湖面に一続きの遠い山が作者の眼差しの遠さを示している。囀りがより近く耳に届く。(髙橋正子)
3月17日(1句)
★はくれんの白きはばたき校舎前/多田有花
「校舎前」がすこしぶっきら棒な感じだが、少年のような良さがある。はくれんは今も飛び発ちそうに咲いている。はくれんがはばたく、飛びそうな、などは良く見られる発想だが、「校舎」がそれを救っている。(髙橋正子)
3月16日(1句)
★山風に揺られゆられし蜆蝶/小口泰與
小さなうすむらさきの蜆蝶が飛ぶ姿を見る眼差しに愛情がある。荒い山風が吹けば、小さな蜆蝶は揺られゆられて、なかなか止まれない。(髙橋正子)
3月15日(1句)
★菜の花やビニールハウスの眩しかり/桑本栄太郎
菜の花とビニールハウスは春の田園の風景として決まって来た。黄色い菜の花の光と、白いビニールハウスの反射光がともに目に眩しい。(髙橋正子)
3月14日(1句)
★芽柳や仁徳天皇陵に沿い/多田有花
仁徳天皇陵と芽柳の取り合せで成り立っているが、芽柳にも風格が見えてゆったりとした句だ。(髙橋正子)
3月13日(1句)
★仲春の音追うおとや丘の鐘/小口泰與
丘に鳴る鐘の音が始めの音を次の音が追って、聞こえてくる。春も半ばのうららかな空。(髙橋正子)
3月12日(1句)
★木の芽晴利根の流れの轟轟と/小口泰與
ぞくぞくと木の芽が芽吹くころ、よく晴れた利根川は、雪解け水で水量が増えて轟轟と音を立てて流れている。坂東太郎の名に相応しい利根川の流れである。(髙橋正子)
3月11日(1句)
★風光るみんなで集う日は最後/多田有花
卒業の日のことであろうか。みんなで集まるのは今日が最後。その日は穏やかな日和で風がきらきらと光っていた。一握りの哀愁もある、最後の集い。その言い難い気持ちが表れた句。(髙橋正子)

3月11日~3月20日

3月20日(4名)
小口泰與
次つぎに河津桜へ野鳥かな★★★
百本のばらの新芽のほころびし★★★
木木の芽や野鳥帰心の沼真中★★★
廣田洋一
園児らの朝の散歩や初蝶来★★★
その辺りあでやかに染め陽光桜★★★
噌漬けの甘き香りや鰆焼く★★★
多田有花
買物はスマホ清算彼岸かな★★★
やまざくら一樹の高く満開に★★★★
「一樹の高く」に、やまざくらの姿が見えて、ここが作者の捉えどころとなっている。よほど大樹の山桜であろう。満開のすがたに風格が見える。(髙橋正子)
峰々に日毎桜の開きゆく★★★
桑本栄太郎
うぐいすの団地の庭にホーホケキョ★★★
植込みの風の過ぎるや連翹黄★★★
ときおりの風に蹲踞や雪やなぎ★★★
3月19日(4名)
小口泰與
次つぎに河津桜へ野鳥かな★★★
河津桜や野鳥に集うカメラマン★★★
芽柳のすらりかがやく雨の中★★★★
廣田洋一
レガッタや土手まで届く舵手の声★★★★
レガッタへ声援送る風さやか★★★
入り彼岸運転免許更新す★★★
多田有花
駅前の小さき古墳春の午後★★★
プリンターWi-Fiに繋ぐ入り彼岸
彼岸太郎スマホセットアップ完了★★★
桑本栄太郎
目覚め居て父の夢見を入彼岸★★★
コンクリートの小さき割目に菫咲く★★★
乙女らの傷つきやすし白もくれん★★★
3月18日(5名)
小口泰與
連翹と土佐水木黄を競いけり★★★
木の芽山手の餌に来る野鳥かな★★★
次つぎに下枝秀つ枝に春めじろ★★★
廣田洋一
ひらひらと花弁舞へり白木蓮★★★
庭の隅ひそと群れたる菫かな★★★
山茱萸の花駆け回る子ら照らしをり★★★
多田有花
丹精の椿の鉢が並びおり★★★
花々に囲まれ桃源台の春★★★
山桜いつもの木より咲き初めし★★★★
桑本栄太郎
雨上がり滴垂れ居り馬酔木かな★★★
咲き募ることの止まらず冴返る★★★
音もなく視界ぬれたる春しぐれ★★★
弓削和人
湖畔過ぐ坂をあがて蕗の薹★★★
囀りや湖面につづく遠き山★★★★
春暁や村の農具のいきいきと★★★
3月17日(4名)
小口泰與
枝垂れ梅咲くや秀つ枝の鳥の糞★★★
連翹や園児の帽子同じ色★★★
木蓮やテレビアンテナ同じ向き★★★
廣田洋一
参道の入口飾る桜かな★★★
桜咲く咲かざる枝を切り落とし★★★
その辺り紫に染め諸葛菜★★★
桑本栄太郎
春暁の夢のつづくや途切れなし★★★
咲き募ること止められず冴返る★★★
傷つきて花の仕舞いや白木蓮★★★
多田有花
はくれんの白きはばたき校舎前★★★★
春の日に前撮りをするふたりかな★★★
たいりょうざくら桜鯛の花の色★★★
3月16日(4名)
小口泰與
山国や千里翔け居る蝶の顔★★★
山風に揺られゆられし蜆蝶★★★★
羽閉じて蜜を吸いたる黄蝶かな★★★
多田有花
ぽつぽつと枝垂桜も咲き初めし★★★
盆栽の椿の幹のうねりかな★★★
雛飾る寝殿越しに光あり★★★
廣田洋一
街角の桜が咲きて景となり★★★★
春暁の足音速く新聞来る★★★
丈高き椿の花の零れけり★★★
桑本栄太郎
アマゾンの不審メールや春愁ふ★★★
散り敷けば更に華やぐ落つばき★★★
春宵の子等の嬌声庭に満つ★★★
3月15日(3名)
小口泰與
猫車積みし三月大根を(原句)
「積みし」の「し」が問題です。「し」は、過去の助動詞「き」の連体形で「三月大根」を修飾しています。
猫車に積みぬ三月大根を★★★(正子添削)
叢雲を割りて山越ゆ帰雁かな★★★
蜜蜂ややつとこさあと巣に戻り★★★
多田有花
春風のなかの陪塚ひとつひとつ★★★★
拝所より大仙古墳木の芽時★★★
お弁当はや満開の花の下★★★
桑本栄太郎
山茱萸の灯かりとなりぬ狭庭かな★★★
菜の花やビニールハウスの眩しかり★★★★
房しだれうす紫や馬酔木咲く★★★
3月14日(3名)
小口泰與
ばら赤芽風に刷かれし禽の声★★★
彩雲の浅間目指せる帰雁かな★★★
眼間の浅間煤けて雪解かな★★★
多田有花
はくれんの穢れなき白賜りぬ★★★
庭先の八重紅梅を愛で歩く★★★
芽柳や仁徳天皇陵に沿い★★★★
仁徳天皇陵と芽柳の取り合せで成り立っているが、芽柳にも風格が見えてゆったりとした句だ。(髙橋正子)
桑本栄太郎
春風や茶髪なびかせハーレーに★★★
午後よりの日射し明るく白木蓮★★★★
春宵の嶺の茜の日暮れかな★★★
3月13日(3名)
小口泰與
雲抜ける奇岩の山や鳥渡る★★★
つんつんと天を支えしつくつくし★★★
仲春の音追うおとや丘の鐘★★★★
丘に鳴る鐘の音が始めの音を次の音が追って、聞こえてくる。春も半ばのうららかな空。(髙橋正子)
廣田洋一
切りてなほ身のふんわりと鰆かな★★★
アフリカの空の青さや丁字の香★★★★
握りこぶし開くが如き白木蓮★★★
多田有花
<堺市役所展望ロビー二句>
見渡せば大仙古墳春霞★★★
春景色望むロビーにゴルゴ13★★★
とさみずき咲かせる古き街道筋★★★
3月12日(4名)
小口泰與
朝の日の沼へ直射や百千鳥★★★
ふらここや朝の訓示のまた同じ★★★
木の芽晴利根の流れの轟轟と★★★★
ぞくぞくと木の芽が芽吹くころ、よく晴れた利根川は、雪解け水で水量が増えて轟轟と音を立てて流れている。坂東太郎の名に相応しい利根川の流れである。(髙橋正子)
廣田洋一
忘れ得ぬ津軽の湖や蜆汁★★★
うらうらと空地の草のそよぎ居り★★★
卒業子袴の帯を締め直し★★★
桑本栄太郎
U・F・の斯くやと想う土佐みづき★★★
<事故現場>
”花さんの花壇”と云うや春愁う★★★
うぐいすの初音なれども訛りけり★★★
弓削和人
春の湖砂山くずれ並びおり★★★
春眠や石投げ入れし夕の湖★★★
3月11日(4名)
小口泰與
光源は日の出や蜥蜴穴を出づ★★★
はくれんや棚田へ流る風の香よ★★★
風に乗る鳶の鋭声や畑鋤く★★★
廣田洋一
鳴声の鶯と知る朝かな★★★
啓蟄や連れ立ちくぐる赤提灯★★★
春泥飛ばし空回りする車輪かな★★★
多田有花
風光るみんなで集う日は最後★★★★
卒業の日のことであろうか。みんなで集まるのは今日が最後。その日は穏やかな日和で風がきらきらと光っていた。一握りの哀愁もある、最後の集い。その言い難い気持ちが表れた句。(髙橋正子)
佐保姫の今年は突然駆けだしぬ★★★
干支ひとつめぐり東日本震災忌★★★
桑本栄太郎
東北のあの日あのとき震災忌★★★
山茱萸の花の明かりの狭庭かな★★★
もくれんの飛び翔ちそうに咲きにけり★★★