自由な投句箱/9月11日~9月20日
今日の秀句/9月11日~9月20日
痰一斗糸瓜の水も間に合はず 〃
をとゝひのへちまの水も取らざりき 〃
9月11日~9月20日
並び咲く雨後の水玉曼珠沙華★★★★
強風にまどう秋蝶中天へ★★★
嵐去り秋の彼岸に入りにけり★★★
快晴や西瓜に光る刃を入れる★★★
子規庵に糸瓜を探す子規忌かな★★★★
豆の数くっきりと見え莢隠元★★★
野分去り峰の茜の入日かな★★★
汀女忌の追ひつつ追はれ赤とんぼ★★★★
月草の葎に添うて咲きひかる★★★
デュランタのすみれ色した秋来る★★★★
金色の稲穂は稔り空透きて(原句)
榛名湖の桟橋打つや秋の波★★★
雨後の藪竹伐る音の聞ゆなり★★★★
コスモスを揺らして遊ぶ子らの笑み★★★★
コスモスを愛でて動かぬ二人連れ★★★
ゆっくりと列島を辿る台風よ★★★
ヘッドフォンで恋の歌聴く台風圏★★★
子規の忌の根岸の里の豪雨かな★★★
生涯の現役を期する敬老日★★★
駅を降り曇りの坂の秋思かな★★★
秋日和順番待ちの滑り台★★★
名刹はみどりに満ちて秋日和★★★
大様な神代の恋や秋祭★★★
岩削る波の強さや稲光★★★★
台風の北上前に買い出しに★★★
台風接近窓閉め切って床に就く★★★
川上へ風に抗い赤とんぼ★★★
供えらる束の野菊や辻地蔵★★★★
雲流れ風のぬるしや台風圏★★★
颱風やテトラポッドの切りし波(原句)
颱風ののた打ち回り叫び過ぐ★★★
富草や鳶の舞いたる空の色★★★
湖の日や戯るる秋の蝶★★★★
十六夜の月鮮やかな家路ゆく★★★
稲の香や夜の家並み途切れれば★★★★
先生に見せる椎の実温かし★★★★
物憂げに鳴き出で居りぬ法師蝉★★★
新酒酌む夕餉摂りたる牧水忌★★★★
合唱す思い出尽きぬ敬老の日★★★
芸術祭歌手たからかに音頭する★★★
草の花遊具に並ぶ園児の帽★★★★
ひたひたと夕闇歩む秋の雨★★★
天高しここはおみくじ発祥地★★★
秋気澄む比叡横川をそぞろ歩く★★★
色づくにはまだしばしある楓かな★★★
見上げたるビルの屋上秋灯★★★
一声のじきに止みたる名残り蝉★★★
夕暮れの畑かしましき草ひばり★★★
烏瓜熟れて垣根にしな垂るる★★★
網目より無花果たわわに熟しけり(原句)
月祀る友と二人の酒宴かな★★★★
堂塔の朱塗り鮮やか秋の山★★★
森渡る風爽やかに比叡山★★★
鐘楼の鐘ひとつつき秋うらら★★★★
赤蜻蛉火の見櫓の中段に★★★★
蓑虫や赤城の風を目の当り★★★
さやけしや風に吹かれて推敲す★★★
開店を待つや古書店秋うらら★★★★
古書を手に水筒腰に秋日和★★★
古書買うて繰るるページに秋の香や★★★
蟋蟀や今も我家の納戸藏★★★
打ち出しは忙しせわしと鉦叩★★★
川沿ひの畦道歩む月見かな★★★★
秋灯に一人味はふ郷の酒★★★
爽やかに離合するなりケーブルカー★★★★
秋高しかわらけ投げの的があり★★★
秋天へぐんぐん登るロープウェイ★★★
西山の嶺の端うねろ秋気満つ★★★
さやけしや遊びせんとて生まれをり★★★
落日の蕊の紅さよ曼珠沙華★★★★
家居より眺めてひさし稲の秋★★★
底紅や昭和の御代の繁華街★★★
泡立ち草切りし切先匂い立つ★★★★
矢印の綺麗に残り焼秋刀魚★★★
台風の前の晴天稲穂刈る★★★★
「ひえい」ゆく秋の比叡の懐へ★★★★
仲秋や大悲万行と大書★★★
とんぼうの群れ飛びをりぬ停留所★★★★
心地良き風のベンチや秋日蔭★★★
ふるさとの書棚を眺め夜長し★★★★
水引の粒みなかかる夕日かな(原句)
段畑は泡立ち草や遠の里★★★
西天に白き満月浮かびをり★★★
園児らのお手々つなぎて秋日和★★★
静かなる遠くの風や二百ニ十日★★★
蟋蟀や耳を澄ませば鳴き止まり★★★★
秋の朝駆け抜けてゆく少年ら★★★★
ぽつぽつと刈田が住宅地の中に★★★
合歓の実の色づき干乾ぶ川の風★★★
青空に編隊飛行や赤とんぼ★★★★
浅間より吹かれ来し雲鵙高音★★★★
夕映えの峠越え来る雁の棹★★★★
邯鄲や旧家の池の水の色★★★
東屋に座り虫の音聞きにけり★★★
十六夜の今夜も嬉し在所かな★★★
鈴虫の音に誘われし奈良格子(原句)
ふと目覚め厠の窓やちちろ虫★★★
秋花のひっそり咲くや隠し道★★★
■9月月例ネット句会清記■
2022年9月11日
42句(14名)
01.流星や気散じの歩を湖辺まで
02.市松の切子硝子や秋うらら
03.蜩や湖にひと筋光りあり
04.あぶれ蚊の親しき声の纏い付く
05.身に入むや現世哀しき事ばかり
06.ふるさとの最後のひとつ梨を剥く
07.吾が影を追い越しトンボの影も飛ぶ
08.雨粒並ぶそれぞれに秋の色
09.辻地蔵稲穂出揃う裏通り
10.鶏頭の一群風にうねるかな
11.月やさしドビュッシーを聴きながら
12.ふと目覚めすこやかならむ母の秋
13.好天に恵まれし旅新酒酌む
14.高いわねと言ひて過ぎ行く秋刀魚かな
15.秋の虹新国王の城囲む
16.旅先で大空みれば中秋の月
17.目の前を行ったり来たり秋茜
18.秋の風ふと爽やかに頬を撫で
19.燕去り風は軽さを加えたり
20.名月のいま山の端を離れたり
21.名月の名残見送る夜明けかな
22.迎え火を焚く嬉しさよ茄子の牛
23.石鎚は白露の峰となり聳え
24.峡の田を守る案山子の首手拭い
25.名月のやすらう空の鉄色に
26.精霊バッタ飛び発ち翅のみどり透く
27.雹跡の疵梨剥くも野趣ふかし
28.待宵の田わたる風に身の軽く
29.月見団子丸めていれば雨あがり
30.名月のステンドグラスとなる高窓
31.旧友と並んで歩く秋の夜
32.弧を描く打球の先に光る月
33.読み終えて栞挟めば虫の声
34.海からの秋風の吹く大通り
35.秋晴れに雲一つなし海の青
36.梨届く段ボール畳む昼下がり
37.秋桜の揺れる畑よ青き空
38.重陽の雲間に見ゆる白き月
39.夕暮れの葉陰に揺れる栗のいが
40.黒ぐろと葡萄の粒が露を噴く
41.酢橘二個ころがり二個のみどり濃く
42.十五夜の盆にいびつな梨が載り
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