■6月月例ネット句会清記■

■6月月例ネット句会清記■
2021年6月13日
13名(39句)
01.葭切や微塵もこびず川筋へ
02.山よりの重たき風や実梅落つ
03.鴨の子の身過ぎ各おの水の星
04.大山の山開きとや夜見ヶ浜
05.郭公の峰の遠くに晴れ来たる
06.卯波立つ遥か沖行く船の影
07.タバコ屋の看板ありて七変化
08.バスの影植田にさっと動き消え
09.苦瓜の窓の高さに蔓は延び
10.扇風機今年の風を送り初め
11.海風を受けつつ夏のボードウォーク
12.夏の海隔てて淡路島淡し
13.花鉢の濡れて静かな梅雨に入る
14.まっ青な海を遥かに花蜜柑
15.立葵花びらがゆれ茎が揺れ
16.南部鉄の重き風鈴軽き音
17.落ちてなお色鮮やかな実梅かな
18.さくらんぼ食べたる証種の山
19.田水入る茅花流しの畦濡らし
20.水けむり蛍火流る源流に
21.青梅を洗いし手の香目覚めても
22.夕風呂を終えて今日から夏布団
23.打ち水や子らも仔犬も軒下へ
24.菓子箱の飴玉光る夏の夕
25.挿し木から紫陽花一つ初開き
26.出勤の電車の窓からヨット見ゆ
27.梅雨空にまっすぐ薄く飛行雲
28.黄の百合の大きな花が窓越しに
29.笹百合が大きく咲いてすがすがし
30.笹百合に朝空高し窓開ける
31.夏鶯シーダの枝に長鳴きす
32.山畑のすずしさ雉鳩啄みて
33.若竹のみどり濃くなり雲放つ
34.額の花昏るるごとくに藍深む
35.昏れしごと藍を深める額の花
36.紫陽花の重たき毬は紫紺色
37.夏服に風を通して洗濯す
38.立葵並んで空を仰ぎ見る
39.夏晴れて白い飛行機青空へ
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

6月13日(日)

菜種殻雀すがればたわむなり   正子
蚯蚓の句師の句なりせば彷彿され 正子
五月闇りりと鳴くもの土におり  正子
尾をふりつつ鳴く老鶯のうまし声 正子
●6月月例ネット句会
木暮陶句郎著『薫陶』より好きな句(15句)
清流に大きく歪む跣足かな
春寒の芯となりたる置き手紙
まづ風が駆けのぼりゆく山開
十指みな吾の分身陶はじめ
水音を隙間に満たしつつ桜
湯たんぽの命と思ふ湯をそそぐ
デッサンの小指の汚れ卒業期
水が水明るくしたる新豆腐
リュック背負い自由な両手秋高し
風鈴の釘風道の芯に打つ
人降りて風より軽きハンモック
水音の透けてをりたる谷若葉
両の手は太古の器水の秋
夏帯を鏡の中に軋ませて
水と土ぶつけて轆轤始めかな
●今日、陶句郎さんへ『薫陶』の礼状を出した。