■12月月例ネット句会清記/追加■


13日午後5時から午後6時の間に投句されました句を追加します。よろしければ、下記の投句から1句追加で選をお願いします。合計6句選となります。選の締め切りは、14日(月)正午とします。

34.果てしなき霞に隠れて山眠る
35.鶴ヶ城微かに薄日が差し込める
36.冬空に輝く星々流れくる
37.柿落葉火の見櫓に鐘錆びて
38.パソコンのスイッチ切れば月冴ゆる
39.鳥渡る風の海峡佐田岬

■12月月例ネット句会清記■


■12月月例ネット句会清記■
2020年12月13日
11名(33句)

01.冬ざれの海鳴り聞こゆ夜もすがら
02.日溜りの猫の背伸びや漱石忌
03.枯野行ゆく貨物列車のどこまでも
04.朝霜や風に乗りくる汽車の音
05.縄のれん婆娑(ばさ)とコートの漢出づ
06.白鳥の夕映えの沼美(は)しきかな
07.くっきりと冬芽の白を青空に
08.鴨寄り来る二羽水脈を引っ張て
09.綿虫が森から街へ一つ来る
10.枯草や踏みて狭庭の広くなり

11.白足袋の足裏見せて躙り口
12.年の瀬や死屍累々の俳句手帳
13.冬晴れやぴいーと長鳴く知らぬ鳥
14.水鳥の開き合う水脈重なりぬ
15.柚子刻みその香も色も厨占む
16.峡の日を集めあかあか冬苺
17引きたての大根洗う速き流れ
18.友よりの搗きたての餅夫に供う
19.年賀状あの子この子に絵柄変え
20.樹に伝う登る色葉の冬の蔦

21.冬の灯やいつも洋ナシいびつなり
22.聖菓店売り子も客も三角帽
23.初雪やくるくる回る子と仔犬
24.夜勤明け始発へ急げば冬の風
25.冬に入る野の広がりを窓越しに
26.冬の夜の机上に雑多なもの多し
27.日暮れ早き十二月となりにける
28.ポインセチアの赤の重なり明るい夜
29.ゆらゆらと青い火燃えて餅を焼く
30.冬林檎へナイフ斜めに蜜を避け

31.鴨の群浮かべ大河は悠々と
32.シングルスカル冬陽の中をゆく
33.冬紅葉残せる一樹のそばに憩う

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

自由な投句箱/12月11日~20日

※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

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今日の秀句/12月11日~20日

12月20日(1句)
★霊験な祈りの中や虎落笛/小口泰與
霊験な祈りのさなか、祈りを中断させるような虎落笛。神仏の加護やご利益も願いたい今の新型コロナの感染拡大に、霊験あらたなことを願わずにおれない。風土性のある句。(高橋正子)
12月19日(1句)
★みつしりと詰まりし房や実南天/廣田洋一
暮れになると南天の実がまっかに熟れて、まだ鳥にも食べられず、落ちることもなく、「みつしりと詰まって」いるのを見かける。このいきいきとした南天の実に正月がくるお目出度さを思ったりする。(高橋正子)
12月18日(1句)
★あおぞらに高き梢や冬木立/桑本栄太郎
あおぞらに冬木立が高々と梢を広げている。ただそれだけの景色が澄んだ空気感とともに伝わり、すっきりとしていて快い。(高橋正子)
12月17日(1句)
★夜の内に雫はぐくむ霜柱/小口泰與
霜柱は、寒い夜は、植物的に育ち数センチ以上にもなることがる。「雫はぐくむ」という言葉が実感として出て来る。(高橋正子)
12月16日(2句)
★裸木を組みしばかりに群雀/小口泰與
裸木の枝が交差している様子を「組む」と見たところが面白い。その裸木へたくさんの雀が止まって、その姿も丸見え。寒々とした冬の景色ながらも、群雀の命が小さくも温かい。(高橋正子)
★凩の日の夕焼けの澄み渡る/多田有花
凩が吹くと塵が吹き払われるせいだろう、夕焼けが澄んでいる。ただそれだけを言っているが、冬の夕焼け雲の形や色が西洋の画を見るように浮かんで来る。(高橋正子)
12月15日(1句)
★らきらと木の葉散り行く街の川/廣田洋一
洒落た句。街を流れる川に日差しを受けてきらきらと光りながら木の葉が散りこんでいる。この軽さがいい。(高橋正子)
12月14日(1句)
★シクラメン密に並んで白を買う/上島祥子
シクラメンは春の季語であるが、クリスマスシーズンには、ポインセチアと並んでシクラメンの鉢が並ぶ。色も赤やピンク、白など。白いシクラメンが寄り合っていると、白の良さに惹かれ、白を買う決断。(高橋正子)
12月13日(1句)
★冬の陽が薄く路面にわが影を/多田有花
冬の陽ざしの透明感と、冬という季節の私の存在の淡さが主張することなく伝わってくる。(高橋正子)
12月12日(1句)
★雪女郎に酌をされたき四畳半/小口泰與
秘湯の宿の四畳半であろうか。飲んでいる背中が冷え冷えとしてくる。雪女郎が居るような気配も。居るならば酌をされてみたいものだ。(高橋正子)
12月11日(1句)
★湯豆腐の崩れし頃や酒尽きる/廣田洋一
酒は湯豆腐と飲むべしと言わんばかりに飲んでいた酒も尽きてしまった。湯豆腐も崩れて、終わりにするころあいになった。ほろ酔いのような間合いがいい。(高橋正子)

12月11日~20日

12月20日(3名)
小口泰與
霊験な祈りの中や虎落笛★★★★
霊験な祈りのさなか、祈りを中断させるような虎落笛。神仏の加護やご利益も願いたい今の新型コロナの感染拡大に、霊験あらたかなことを願わずにおれない。風土性のある句。(高橋正子)
世の異変子ら帰省せぬ冬灯★★★
冬座敷夕映えの日の満ちにける★★★★
廣田洋一
米櫃の残り確かめ年詰まる★★★
工事用足場解体年の暮★★★★
帰省すると決めし友や年の暮★★★
桑本栄太郎
ふわふわとメタセコイヤの落葉踏む★★★★
燦々と冬日を背ナに朝餉かな★★★
深吉野の山にこもりぬ石鼎忌★★★
12月19日(4名)
廣田洋一
実南天鳥よけ網に覆はれぬ★★★
みつしりと詰まりし房や実南天★★★★
暮れになると南天の実がまっかに熟れて、まだ鳥にも食べられず、落ちることもなく、「みつしりと詰まって」いるのを見かける。このいきいきとした南天の実に正月がくるお目出度さを思ったりする。(高橋正子)
紅白のポインセチアや花舗の棚★★★
小口泰與
先頭の鋭声に翔つや小白鳥★★★
雀躍の雀や庭の青木の実★★★
雲の影榛名を刷きし枯薄★★★
桑本栄太郎
寒波来る虫養いの午後三時★★★
山茶花の散りし舗道や煉瓦道★★★
茎折れて水にささりぬ蓮枯る★★★★
多田有花
冬枯の中の鉄橋電車来る★★★★
枯草にひしめきあいて群雀★★★
シーバスを釣る人影や冬の川★★★
12月18日(4名)
小口泰與
ひれ酒や八十の端を忘れける★★★
一斉に翔ける羽音や小白鳥★★★
川音もかすかや草木枯初めし★★★★

廣田洋一

真中に肝の並べる鮟鱇鍋★★★
鮟鱇のぷりと跳ねるを呑み込みぬ★★★
座敷童棚に飾りて鮟鱇鍋★★★★
多田有花
冬景色つきぬけてゆく新幹線★★★
鷺河鵜鴨の並んで堰堤に★★★★
短日の折り返し点の一樹かな★★★

桑本栄太郎

しがみつく冬の紅葉の日に映ゆる★★★
あおぞらに高き梢や冬木立★★★★
あおぞらに冬木立が高々と梢を広げている。ただそれだけの景色が澄んだ空気感とともに伝わり、すっきりとしていて快い。(高橋正子)
山茶花の散りし舗道や赤煉瓦★★★
12月17日(3名)
小口泰與
参道や落葉に混じる鳥の羽★★★
朝日受け錫刷く如き雪浅間★★★
夜の内に雫はぐくむ霜柱★★★★
霜柱は、寒い夜は、植物的に育ち数センチ以上にもなることがる。「雫はぐくむ」という言葉が実感として出て来る。(高橋正子)
桑本栄太郎
暁闇の雪しんしんと音を消し★★★★
初雪や南天の実の赤きこと★★★
初雪の根雪となりぬ母の里★★★
多田有花
窓ガラス揺らして北風のつのりけり★★★
緋鳥鴨つがいの並び波に揺れ★★★
子ら遊ぶ歓声響く凩に★★★

12月16日(5名)

小口泰與
冬ばらの散るに散りたり山の風(原句)
山風に散るに散りたり冬のばら★★★★(正子添削)
蒼空へ忽然と起つ雪浅間★★★★
裸木を組みしばかりに群雀★★★★
裸木の枝が交差している様子を「組む」と見たところが面白い。その裸木へたくさんの雀が止まって、その姿も丸見え。寒々とした冬の景色ながらも、群雀の命が小さくも温かい。(高橋正子)
廣田洋一
密避けて四人で開く忘年会★★★
鮟鱇の肝から取りぬ鍋奉行★★★
雑炊はもう入らぬと鮟鱇鍋★★★

多田有花

ひととおり餌食べ終わり緋鳥鴨★★★
枯葦の揺れれば光揺れにけり★★★★
凩の日の夕焼けの澄み渡る★★★★
凩が吹くと塵が吹き払われるせいだろう、夕焼けが澄んでいる。ただそれだけを言っているが、冬の夕焼け雲の形や色が西洋の画を見るように浮かんで来る。(高橋正子)

桑本栄太郎

あご髭の硬く尖りぬ霜の朝★★★
風吹けば木の葉しぐれの煌めけり★★★★
落葉松の散りて舗道の割目かな★★★
12月15日(4名)
小口泰與
隼の狙い定めて急降下★★★
買い物の車内の妻へ冬の蜂★★★
はかなむや寒雀のみ集い来し★★★
廣田洋一
きらきらと木の葉散り行く街の川★★★★
洒落た句。街を流れる川に日差しを受けてきらきらと光りながら木の葉が散りこんでいる。この軽さがいい。(高橋正子)
残りたる木の葉光れる桜の木★★★
寒空に凛とそびゆる富士の峯★★★
桑本栄太郎
山茶花の散りて襤褸や園児踏む★★★
ビル壁の日差し明るく寒波来る★★★★
みちのくの雪山恋いぬ青邨忌★★★

多田有花

アーチ橋映して流れ冬の川★★★
凩のつのるほど日差し明るくて★★★★
マフラーをたっぷり巻きしセーラー服★★★
12月14日(5名)
小口泰與
二羽の鳶枯野へ眼定かなり★★★★
隼の忽然と急降下せり★★★
トヨタ車の家族の中へ冬の蜂★★★
廣田洋一
濡れタオルにしがみつきたる冬の蠅★★★
マウス持つ手に手袋やメール打つ★★★
手袋や入れっぱなしのポケットかな★★★
上島祥子
冠雪の御嶽山は昼かぎり★★★
シクラメン密に並んで白を買う★★★★
シクラメンは春の季語であるが、クリスマスシーズンには、ポインセチアと並んでシクラメンの鉢が並ぶ。色も赤やピンク、白など。白いシクラメンが寄り合っていると、白の良さに惹かれ、白を買う決断。(高橋正子)
病室に孫より届くシクラメン★★★
多田有花
極月の空を仰げばこうのとり★★★
枯葦に支流一本流れ込む★★★★
鉄骨の橋げた冬ざれを跨ぐ★★★

桑本栄太郎

雲の間の水色空やしぐれ来る★★★★
朝餉摂るふたりの窓に虎落笛★★★
濯ぎもの風に煽られ寒波来る★★★
12月13日(4名)
小口泰與
赤城より風花呼びし鳶の笛★★★★
狐火や宇宙船にて金星へ★★★
熱燗や傘寿の髪膚生き生きと★★★
廣田洋一
バーバリーのマフラー厚し女学生★★★
タオル地のマフラー軽くなびきけり★★★
外套の襟立て待てる流れ星★★★
桑本栄太郎
人の世の枯野となりぬ旅路かな★★★
山茶花の散りて襤褸や花盛り★★★
川風の彷徨い土手に枯尾花★★★

多田有花

鉄橋を響かせ電車来る師走★★★★
冬の陽が薄く路面にわが影を★★★★
堰堤の流れに群て緋鳥鴨★★★
12月12日(3名)
小口泰與
風花や白内障の予防薬★★★
雪女郎酌をされたき四畳半(原句)
雪女郎に酌をされたき四畳半★★★★(正子添削)
秘湯の宿の四畳半であろうか。飲んでいる背中が冷え冷えとしてくる。雪女郎が居るような気配も。居るならば酌をされてみたいものだ。(高橋正子)
短日や温泉プールの老夫婦★★★
廣田洋一
湯豆腐は絹ごしが好き妻の声★★★
冬ぬくしゲートボールの音高し★★★
冬ぬくし地下鉄駅のなじみ顔★★★★
桑本栄太郎
早々と巣籠り人の年用意★★★
身支度のかたち調え煤払ふ★★★
ゆつくりと皺のばし居り煤湯かな★★★
12月11日(3名)
小口泰與
隼の田へ急降下群雀★★★
冬ばらのひらき損ねていたりけり★★★
一本の枯木へ不気味群雀★★★
廣田洋一
湯豆腐の崩れし頃や酒尽きる★★★★
酒は湯豆腐と飲むべしと言わんばかりに飲んでいた酒も尽きてしまった。湯豆腐も崩れて、終わりにするころあいになった。ほろ酔いのような間合いがいい。(高橋正子)
湯豆腐や分厚き昆布利尻産★★★
足袋ソックス履いて来たるやトレーナー★★★
桑本栄太郎
山茱萸の赤き実乾ぶ垣根かな★★★
散り急ぐ木の葉しぐれの風来たる★★★
土となる彼の日を想い落葉踏む★★★★

12月13日(日)

曇り。
●12月月例ネット句会。
●俳壇年鑑2021年版への自選1句の投句依頼。1月31日締め切り。来年は、年鑑と奇数月に広告を依頼されたので、応じた。小雑誌の頑張りどころは、なんなんだろう。継続するのみで頑張りようもないが、広告も大事。

12月12日(土)

晴れ
●「俳壇1月号(2021年)」が届く。新春巻頭のトップに先日亡くなられた有馬朗人先生の句。あまりの偶然に驚いた。
特別寄稿の「俳句ーその歴史的仮名遣いのこと」(中村青彦)を読む。歴史的仮名遣いがいいか、現代仮名遣いがいいかという問題ではないのだけれど、現代仮名遣いより、結局、歴史的仮名遣いがいいという結論になっている気がする。
私は、俳句を始めたときから、現代仮名遣いを使っている。学校でそれを普通に習ったからなのであるし、花冠のモットーでもあるからだ。歴史的仮名遣いが使えないことはないが、いまさら歴史的仮名遣いに直そうとは思わない。私の顔が違ってきそうだ。
花冠にも、歴史的仮名遣いを使いたい人がいる。その方は、句集ではそうしてくださいというが、花冠の考えを無視しているわけで、だからと言って、他の結社に変わることもされない。これは、どういうことなのか、考え込んでしまう。おいしいところどりは、いけない。
●コロナ感染拡大。日本中で一日3000人を超える。それにしても観光客の多い京都が少ない。医療機関が適切に指導しているからとも聞く。