■9月月例ネット句会清記■


■9月月例ネット句会清記■
2020年9月13日
12名(36句)

01.秋冷の哀しき夢を見たりけり
02.余波なれどこの強きもの野分過ぐ
03.ゑのころの風の売地のただならず
04.星影を溜めて木犀香りけり
05.包めるは農事新聞山の芋
06.落鮎を釣戻りたる無精髭
07.新涼に白きにんにく咲きにけり
08.通勤電車山と稲田のあわいゆく
09.虫の音に囲まれている夜の部屋
10.父母の遺影に見られ葡萄食む

11.秋風や生家の見える分かれ道
12.小節をずらして鳴けりつくつくし
13.稲の穂の色づき垂れて水の中
14.路地により風や匂いの違う秋
15.サルスベリ園より洩れ来児らの声
16.人知れず咲き継ぐ苦労花木槿
17.俄雨開きしままや秋日傘
18.次々と友の指差す葡萄摘む
19.葛の花妻が摘み来て卓上に
20.秋の日の今日金曜の日がありぬ

21.有明の月が東に明け近し
22.秋暁のオリオン星の一つ欠け
23.虫の音の更地水栓光ち立つ
24.曲がる道曲がるとおりに虫の声
25.栗飯の匂いに昼寝より目覚め
26.読み耽けて栞挟めば良夜かな
27.街路樹も我も酷暑に根を上げる
28.初秋の山麓より虹大空に
29.初秋の木洩れ日ゆれる湯に浸り
30.谺して太古の地層や秋の滝

31.無花果の甘さやわらか帰省して
32.鈴虫の夜道に添って響く鈴
33.秋雷の突然空を割るかの音
34.水抜かれ風に真白き稲の花
35.秋アカネ干されて白き割烹着
36.かげろうの月夜に透けて飛ぶ軽さ

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