■4月月例ネット句会清記■


■4月月例ネット句会清記■
2020年4月12日
13名(39句)

01.さらさらと桜散りゆく目黒川
02.ベランダの猫に弾ける石鹸玉
03.春の月あす入学の靴磨く
04.山吹に月のゆたけく照るひかり
05.煙りたる緑みどりに山桜
06.たんぽぽのどこに咲いても黄を強む
07.地に桜天に満月あり今宵
08.満開の桜従えポスト立つ
09.菜の花の背後はいつも青い空
10.帆翔の鳶の青空麦あおむ

11.十州に囲まる信濃風光る
12.川岸の風のかたちの柳かな
13.山すその里へ向かえば花の雲
14.山吹の明かりとなりぬ水車小屋
15.虚子の忌や花咲き鳥の歌ひをり
16.通勤のほっと一息桜見ゆ
17.昨日より今日が青々春の空
18.入学式なくとも凛々しきわが子たち
19.曇り空見上げて見れば春の雪
20.寺への道散り敷く花を踏み歩く

21.八十路の道若葉にさんさん陽がふりぬ
22.ブランコを揺すり昔の子となりぬ
23.石椅子に遊具に触れて花吹雪く
24.春の野に座してつめくさ花の冠
25.白つつじ先がけて咲きはかなげに
26.朝寝などしてはいられぬ吉野山
27.真夜中の家路に仰ぐ朧月
28.窓に花魔笛を歌うカーラジオ
29.花満ちし帰路のカーラジオに魔笛
30.春嵐波の音以て窓たたく

31.地に落ちてその色増せり花吹雪
32.固まりて咲けばネモフィラ麗しき
33.揃い咲く癌の友植えしチューリップ
34.夕けむり峡の桜に流れおり
35.襞深き皿ケ峰へと飛花透けて
36.山桜一枝に宿る夕焼けを
37.すみれ咲くレンガ畳の隙間から
38.川沿いの桜若葉の明るい色
39.春キャベツ葉の柔らかさを刻む昼

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

4月12日(日)


晴れ。午後9時ごろから雨。

子らの声とボールの音と春の昼     正子
じゃんけんぽんの声して後に春無音   正子
子らの声ときどき戻る春の昼      正子

●4月月例ネット句会。
https://blog.goo.ne.jp/kakan02d
今月は2番目に投句した。主催者が最後になるようでは、いかん、と反省。今月は多くなりそう。

正子投句
たんぽぽのどこに咲いても黄を強む

山吹に月のゆたけく照るひかり
煙りたる緑みどりに山桜

●夏雲システムというオンライン句会のシステムがあるというので、訪ねた。野良古(のらふる)氏の考えたシステムで、wix.comで作られている。若い人たちは、結構使っているようだ。若い人たちは気づいていないかもしれないが、問題点もある。wix.com は無料でホームページを提供している。

自由な投句箱/4月11日~20日

※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之
◆花冠発行所◆
◆月例ネット句会
◆俳句日記/高橋正子◆
https://blog.goo.ne.jp/kakan02

今日の秀句/4月11日~20日

4月20日(句)
★静けさや雨の団地に松の芯/桑本栄太郎
雨が降る団地の静けさ。人は家に籠り、人声も、物音もない世界に、松の芯は、ぐんぐん伸びている。驚くほどの勢いに、松の生命力を見る。(高橋正子)
4月19日(1句)
★囀りのいろいろ部屋に届きけり/多田有花
外出自粛を要請される日々。家に居ることも多いが、部屋にいて聞こえてくるものは、いろんな鳥の囀り。その声の主の姿を思って見たり、家居も楽しい。(高橋正子)
4月18日(1句)
★日差しはや強し咲き初む八重桜/多田有花
そめいよしのが終わると八重桜が咲く。そのころには、日差しは初夏を思わせるような日もあって、日差しの強さを実感する。ぼってりと思い八重桜と、日差しが相重なる。(高橋正子)
4月17日(1句)
谷あいに入り行く貨車や初燕/小口泰與
貨物列車が通りすぎてゆき、谷あいに入って小さくなった。そこへ初燕がかろやかに過っていった。貨車も燕もみんな通り過ぎてゆくもの。(高橋正子)
4月16日(1句)
★蝶を追う幼ふたりや休園中/桑本栄太郎
幼稚園や保育園が休みになっても、幼子たちは、遊びに困らない。姉妹か、兄弟か、外で蝶を追いかけて遊んでいる。その無邪気さ、それ自体が絵になっている。(高橋正子)
4月15日(2句)
★家々の裏を流れて花筏/多田有花
家々の裏を川が流れている。近くに桜の木があるかもしれないが、花筏は遠くから流れ来たかもしれない。「裏を流れて」が味わい深い。(高橋正子)
★花大根はるか故郷の凪の海/桑本栄太郎
花大根は薄紫の花で固まって咲くことが多い。栄太郎さんの故郷は鳥取。日本海の凪いだ海と、花大根の色は似あう。以前城ヶ島に行ったとき、海辺近くに花大根が群れ咲いていた。そんな景色が急に思い出された。(高橋正子)
4月14日(1句)
★快晴に深呼吸して木の芽山/多田有花
深呼吸するのは、木の芽山。晴れ晴れとした青空に、木の芽山は、伸びあがって深呼吸しただろう。もちろん、作者も思わず深呼吸したくなっただろう。(高橋正子)
4月13日(1句)
全身を花粉まみれや熊ん蜂/小口泰與
やんちゃ坊主ような熊ん蜂。花に体を突っ込んで、花粉まみれになって蜜を吸ったらしい。(髙橋正子)
4月12日(2句)
★園児らの声に燃え立つ躑躅かな/廣田洋一
躑躅の色は、鮮烈。「燃え立つ」と言って過言ではない。園児らがあげる無邪気な声に、呼応するかのように花色を強める躑躅だ。(高橋正子)
★午後よりは桜を散らす風の音/多田有花
午後になって風が出てきた音がする。その音は、桜を散らす風だった。「散らす風の音」というからには、風は見えないけれど、桜の散る様に風の姿が見て取れる。(高橋正子)
4月11日(1句)
★花楓光と影が交差する/多田有花
楓の若葉、その中に暗紅色の種をなした小さい花が見られる。楓の若葉に降り注ぐ光、光が作る影が交差して、また若緑と暗紅色が光と影のように対比されて、桜が終わるころの明媚な景色となっている。(高橋正子)

4月11日~20日

4月20日(4名)
小口泰與
聞え来る謡の声や蝶の昼★★★
春光や白衣観音青空へ★★★
和紙に書く友への文や桃の花★★★
廣田洋一
今を盛りの桜を揺らす地震の朝★★★★
休業の店の並びて落花舞ふ★★★
川底に鯉の二匹や花筏★★★
多田有花
残る花一掃夜の雨と風★★★
くぐり入り枝垂桜を見上げおり★★★★
境内に絵を描く人や糸桜★★★

桑本栄太郎

夢に在り惰眠むさぼる穀雨かな★★★
静けさや雨の団地に松の芯★★★★
雨が降る団地の静けさ。人は家に籠り、人声も、物音もない世界に、松の芯は、ぐんぐん伸びている。驚くほどの勢いに、松の生命力を見る。(高橋正子)
玉房の濡れて垂れ居り八重ざくら★★★
4月19日(4名)
廣田洋一
農小屋に人影見ゆる穀雨かな★★★★
ビニールの覆ひし畝に穀雨かな★★★
雲去りて日のさんさんと穀雨かな★★★
小口泰與
写真家の望遠レンズ山笑う★★★
海棠の雨のしずくの刹那かな★★★
菜の花や千曲の流れ平らかに★★★★
多田有花
日永かなもういいかいの声がする★★★
囀りのいろいろ部屋に届きけり★★★★
外出自粛を要請される日々。家に居ることも多いが、部屋にいて聞こえてくるものは、いろんな鳥の囀り。その声の主の姿を思って見たり、家居も楽しい。(高橋正子)
濃き影を宿して咲きぬ八重桜★★★

桑は本栄太郎

春風や坂道くだる一輪車★★★
山里の甍きらめく揚ひばり★★★★
春雨のスカイプ通話の家居なりぬ★★★
4月18日(4名)
小口泰與
春ゆうべ漁を終えたる夫婦船★★★
隠り沼の公魚尾びれぴちぴちと★★★
上野毛の空均しけり春の鳶★★★★
廣田洋一
ひるがへり橋をくぐりし燕かな★★★★
あの屋根かこちらの屋根か百千鳥★★★★
やはらかき朝の日差しや百千鳥★★★
多田有花
しばし座す蝶の集いし頂に★★★
日差しはや強し咲き初む八重桜★★★★
そめいよしのが終わると八重桜が咲く。そのころには、日差しは初夏を思わせるような日もあって、日差しの強さを実感する。ぼってりと思い八重桜と、日差しが相重なる。(高橋正子)
大腿骨頚部骨折春疾風★★★

桑本栄太郎

山吹の一重と云うは風まかせ★★★★
著莪の花咲いて曇りや明日は雨★★★
遠目にも赤き垣根や新芽吹く★★★
4月17日(4名)
廣田洋一
山吹や道灌濠に咲き誇る(原句)
山吹や道灌濠に黄を尽くし★★★★(正子添削例)
「咲き誇る」で問題はないですが、添削例のようにもできます。
山吹や寿司屋の前に黄金吹く★★★
遠き日の友の面影濃山吹★★★
小口泰與
谷あいに入り行く貨車や初燕★★★★
貨物列車が通りすぎてゆき、谷あいに入って小さくなった。そこへ初燕がかろやかに過っていった。貨車も燕もみんな通り過ぎてゆくもの。(高橋正子)
つばくらや白衣観音朝日差す★★★
天平の箜篌の調べや春の雨★★★
多田有花
伽藍仰ぐ枝垂桜のその向こう★★★★
見上げれば視界いっぱい糸桜★★★
新幹線霞の彼方へ去りゆけり★★★

桑本栄太郎

川に沿い地道下りぬ春柳★★★★
揚ひばり甍きらめく里の屋根★★★
丘うえの早瀬聞き居り芝さくら★★★
4月16日(4名)
小口泰與
散る花の境内に満ち躓けり★★★
夕日染む利根の白波揚雲雀(原句)
夕日染む利根の波の上揚雲雀★★★★(正子)添削
もとの句、言いたいことを一つ(揚雲雀)に絞るのがよいと思います。白波が強すぎます。
辰之の地ゆうるり流る春の川★★★
廣田洋一
早々と頭揺らせる雛罌粟かな(原句)
雛罌粟の開けば早も風に揺れ★★★★(正子添削)
「頭」は雛罌粟の花冠のことですが、 花びらのひらひらしたイメージに少しそぐわない感じです。
名を知らぬ草花あまた春惜しむ★★★
八重桜枝垂れる先に緋鯉かな★★★
多田有花
花びらを風吹くたびに放ちけり★★★★
小綬鶏に呼ばれて開ける昼の窓★★★
一山に影を落として春の雲★★★

桑本栄太郎

蝶を追う幼ふたりや休園中★★★★
幼稚園や保育園が休みになっても、幼子たちは、遊びに困らない。姉妹か、兄弟か、外で蝶を追いかけて遊んでいる。その無邪気さ、それ自体が絵になっている。(高橋正子)
白き腹見せて反転つばくらめ★★★
げんげ田の鋤き込まれゆく日差しかな★★★
4月15日(4名)
小口泰與
満ち満ちて一花だに放下せず★★★
鳥だにも来ぬ隠り沼のはこべかな★★★★
頼もしき凪の湖なり残る鴨★★★
廣田洋一
野良として箱に捨てられ子猫かな★★★
天辺の赤く光れる残花かな★★★★
町の川挟みて散りし残花かな★★★
多田有花
花筏家々の裏を流れゆく(原句)
家々の裏を流れて花筏★★★★(正子添削)
家々の裏を川が流れている。近くに桜の木があるかもしれないが、花筏は遠くから流れ来たかもしれない。「裏を流れて」が味わい深い。(高橋正子)
麗かな頂でコロナ禍を語る★★★
日永かな明るさの中で夕食を★★★

桑本栄太郎

青ざむる御衣黄桜や里の辻★★★
花大根はるか故郷の凪の海★★★★
花大根は薄紫の花で固まって咲くことが多い。栄太郎さんの故郷は鳥取。日本海の凪いだ海と、花大根の色は似あう。以前城ヶ島に行ったとき、海辺近くに花大根が群れ咲いていた。そんな景色が急に思い出された。(高橋正子)
コロナ禍と云えど樹上の百千鳥★★★
4月14日(4名)
小口泰與
渓流を讃え雪代山女かな★★★
つくしんぼ立ち居定かに新入生★★★★
公魚のかすかな魚信たなごころ★★★
廣田洋一
出で来る芽にせかされし春落葉★★★★
已む無くも休業したり春落葉★★★
春落葉吹き寄せられしフェンス際★★★
多田有花
我もまた家に籠りぬ花の冷え★★★
災難はいつも突然春嵐★★★
快晴に深呼吸して木の芽山★★★★
深呼吸するのは、木の芽山。晴れ晴れとした青空に、木の芽山は、伸びあがって深呼吸しただろう。もちろん、作者も思わず深呼吸したくなっただろう。(高橋正子)

桑本栄太郎

夜もすがら闇の雄叫ぶ春疾風★★★
残花早や散るべくあらん夜半の風★★★
枝先のすでに若葉の日差しかな★★★★
4月13日(3名)
小口泰與
全身を花粉まみれや熊ん蜂★★★★
やんちゃ坊主ような熊ん蜂。花に体を突っ込んで、花粉まみれになって蜜を吸ったらしい。(髙橋正子)
ヒヤシンス深閑とせる小料理屋★★★
青柳や風の岸辺の只ならず★★★
廣田洋一
子の声に応へるごとし椿落つ★★★★
緑の葉押し分け咲ける八重椿★★★
門前に笑顔見せたる白椿★★★
桑本栄太郎
ひたひたと音に目覚めり菜種梅雨★★★
花屑の水面に集い浮かびけり★★★
雨雲の晴れて現わる花の雲★★★★
4月12日(4名)
小口泰與
隠り沼の春たけなわや鳥の声★★★★
定かなる日差しの音色チューリップ★★★
夕闇や乙女椿のたたずまい★★★
廣田洋一
見開きて海の夢見る桜鯛★★★
園児らの声の燃え立つ躑躅かな(原句)
園児らの声に燃え立つ躑躅かな★★★★(正子添削)
「燃え立つ」のは、「園児の声」か「躑躅」かということになりますが、「躑躅」のほうが、自然ではないでしょうか。
躑躅の色は、鮮烈。「燃え立つ」と言って過言ではない。園児らがあげる無邪気な声に、呼応するかのように花色を強める躑躅だ。(高橋正子)
道はさみ色とりどりのつつじ咲く★★★
多田有花
日曜の朝の静かな春の雨★★★
午後よりは桜を散らす風の音★★★★
午後になって風が出てきた音がする。その音は、桜を散らす風だった。「散らす風の音」というからには、風は見えないけれど、桜の散る様に風の姿が見て取れる。(高橋正子)
点々と高き所に芽吹く木々★★★

桑本栄太郎

窓辺より見やる空へと木の芽雨★★★
残花早や蘂の赤きが目立ちけり★★★★
満天星の花の滴やうつむいて★★★
4月11日(4名)
小口泰與
また二人車より降る田芹かな★★★
海棠や小犬親子は夢の中★★★
囀りや浅間南面青々と★★★★
多田有花
大霞なり淡路家島六甲も★★★
楠落葉はらはら続く交差点★★★
花楓光と影が交差する★★★★
楓の若葉、その中に暗紅色の種をなした小さい花が見られる。楓の若葉に降り注ぐ光、光が作る影が交差して、また若緑と暗紅色が光と影のように対比されて、桜が終わるころの明媚な景色となっている。(高橋正子)

廣田洋一

大取りの色鮮やかに八重桜★★★
散り敷きし花に降りたる桜蘂★★★
かくれんぼの子に降りかかる桜蘂★★★★
桑本栄太郎
ねぎ畑に狂い舞うかに蝶の昼★★★
日を透きし赤き垣根や新芽噴く★★★
川べりの坂を下りぬ花吹雪★★★★