■8月月例ネット句会清記


■8月月例ネット句会清記
2018年8月12日
13名39句 

01.祈る事数多ありたる八月に
02.香り立つうすき白さや稲の花
03.長子とう吾に家なき草田男忌
04.一瞬の黙や花火の打ち上がり
05.とんぼうや乱れて薄き山の雲
06.初秋やうす紫の暁の山
07.今日からは秋蝉となり鳴きにけり
08.立秋の朝日が差しぬ前山に
09.秋立つ日燕の姿探しけり
10.不揃いの合奏鈴虫鳴き始め

11.ちょんちょんと雀の足音秋の朝
12.透き通る硝子の皿に水茄子漬け
13.万緑や太陽の塔と吾(あ)と二人 
14.新涼の風や紅白夾竹桃
15.秋立ちて幼子庭を二歩三歩
16.貼り紙は八日間です夏季休診
17.畑より前籠に西瓜押してくる
18.立秋や島へと土産大空へ
19.河川敷水面輝き花火散る
20.夏休み目の中輝く小学生

21.ビジネス街隙間に見える夏夜空
22.供花ならむ右手に鬼灯左杖
23.原爆忌絵に多き色赤と黒
24.新涼と思えば故郷山と川
25.日が昇る今日の始り帚木に
26.帚木をやさしく包む朝の陽よ
27.日が昇る妻が育てし帚木に
28.列車窓大暑の海をひき寄せて
29.大小の太陽の色トマト洗う
30.五穀米炊いて仏に秋暑し

31.秋立ちぬ靴音高く追ひ抜かれ
32.月影を乱して入れり露天風呂
33.病窓の青深々と秋の空
34.蓮は実に金魚ついっと泳ぎ出づ
35.蓮の花抽き出て風に吹かるるよ
36.寺の道青いちぢくの青匂い
37.交差点浴衣の人人すれ違う
38.百日紅桃色一本咲く夜道
39.夏晴れて紅茶を淹れる昼下がり

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

8月12日(日)

★西瓜切ってみなの心に故郷(くに)ありぬ  正子
私の家では、お盆で親戚が集まった時たいてい西瓜が切られる。伯父や伯母が集まると、今は亡き祖父母のことや、故郷の思い出話がつきない。そうした賑やかなお盆のひとときは、みずみずしい西瓜の色や食感と重なって思い出される。(安藤智久)

○今日の俳句
鬼やんま飛びゆく路地の風軽し/安藤智久
「やんま」は秋の季語。鬼やんまが路地をすいっと飛んで行く路地は、風が軽やかに感じられる。風が軽いのは、路地のある暮らしが穏やかでからっとしているからであろう。(高橋正子)

●8月月例ネット句会開催。
お盆で、忙しい方もおられるが、第2日曜なので、開催。細く長く続けるにはこれしかない。

○撫子

[撫子/横浜日吉本町]           [河原撫子/横浜日吉本町]

★秋霧や河原なでしこりんとして/小林一茶
★撫子や海の夜明の草の原/河東碧梧桐
★航海日誌に我もかきそへた瓶の撫子/河東碧梧桐
★撫子や堤ともなく草の原/高浜虚子
★撫子や濡れて小さき墓の膝/中村草田男
★岬角や撫子は風強ひられて/秋元不死男
★四五本の撫子植ゑてながめかな/原石鼎
★我が摘みて撫子既に無き堤/永田耕衣
★撫子や腹をいためて胤をつぎ/平畑静塔 
★台風裡河原撫子折れもせず 高橋正子

 ナデシコ(なでしこ、撫子、瞿麦)はナデシコ科ナデシコ属の植物、カワラナデシコ(学名:Dianthus superbus L. var. longicalycinus)の異名。またナデシコ属の植物の総称。?麦(きょばく)。 秋の七草の一つである。歌などで、「撫でし子」を掛詞にすることが多い。ナデシコ属 (Dianthus) は、北半球の温帯域を中心に約300種が分布する。このうち、ヒメハマナデシコとシナノナデシコは日本固有種(日本にのみ自生)であり、他に日本にはカワラナデシコとハマナデシコが分布する。
 カワラナデシコ (D. superbus L. var. longicalycinus (Maxim.) Williams)には、ナデシコ、ヤマトナデシコの異名もある。これはセキチク (D. chinensis L.) を古くは唐撫子(カラナデシコ)といったことに対する。ナデシコは古くは常夏(とこなつ)ともいった。これは花期が夏から秋に渡ることにちなむ。花の色は紅から淡いピンク色が多いが、園芸品種などでは白色や紅白に咲き分けるものなどもある。ナデシコ属の園芸品種をダイアンサス (Dianthus) ということがあるが、本来はナデシコ属の学名である。また、カーネーション (D. caryophyllus L.) もナデシコ属である。
 「撫でし子」と語意が通じることから、しばしば子どもや女性にたとえられ、和歌などに多く参照される。古く『万葉集』から詠まれる。季の景物としては秋に取り扱う。『枕草子』では、「草の花はなでしこ、唐のはさらなり やまともめでたし」とあり、当時の貴族に愛玩されたことがうかがえる。また異名である常夏は『源氏物語』の巻名のひとつとなっており、前栽に色とりどりのトコナツを彩りよく植えていた様子が描かれている。ナデシコ属は古くから園芸品種として栽培され、また種間交雑による園芸種が多く作られている。中国では早くからセキチクが園芸化され、平安時代の日本に渡来し、四季咲きの性格を持つことから「常夏」と呼ばれた。ナデシコの花言葉は純愛・無邪気・純粋な愛・いつも愛して・思慕・貞節・お見舞・女性の美・など女性的なイメージが強いが、才能・大胆・快活なども。ヤマトナデシコ(カワラナデシコ)の花言葉は、可憐・貞節である。

◇生活する花たち「朝顔・芙蓉・木槿(むくげ)」(横浜日吉本町)