2月5日(月)

font size=”3″>★水掛けて春水かがやく仏なる  正子
温かい春の日、観音様をお訪ねになられ、柄杓で水を掛けお参りなされたのでしょうか。観音様は水に濡れる度に益々春の光りに輝きを増されて来ます。私達のこころまで洗われる様な光り輝くお姿を想像致します。(佃 康水)

○今日の俳句
野に覚めし淡きみどりや蕗のとう/佃 康水
「野に覚めし」によって、淡い蕗のとうのみどりが目に強く焼きつく。初めて見つけた蕗の董であろう。驚きと嬉しさを隠せない。(高橋正子)

○蕗の薹

[蕗の薹/横浜日吉本町]

★莟とはなれもしらずよ蕗のたう  蕪村
★ほろ苦き恋の味なり蕗の薹/杉田久女
★蕗の薹おもひおもひの夕汽笛/中村汀女
★猪を炙り蕗の薹まぶしかな/長谷川櫂
 
 蕗は菊科の多年草で山野に自生する。早春、新葉が出る前に根茎から卵の形をした緑色の花茎を出す。花茎は数枚の大きな鱗のような葉で包まれ、特有の香気とほろ苦い風味が喜ばれる。花がほうけたものを蕗の姑(ふきのしゅうとめ)という。 学名:Petasites japonicus、Petasites(ペタシテス)は、ギリシャ語の「petasos(つば広の帽子)」が語源で、葉が広く大きいところから。
 蕗の薹(ふきのとうは、蕗の花芽のことで、天ぷらにするとおいしい。花が咲く前の柔らかいうちがベスト(地面から出てきた直後ぐらいの状態のもの)。春の代表的な山菜。花が咲いてから、地下茎を通じてつながっている葉が大きく伸びて広がってくる。(花と葉が別々につく)。この”葉柄”(葉の茎の部分)がいわゆる「フキ」として食用になる。市販されているものはほとんどが「秋田フキ」と呼ばれる、葉柄2mほどの大型のもの。葉自体は円形。

◇生活する花たち「福寿草・節分草・榛の花」(東京白金台・自然教育園)

2月4日(日)

font size=”3″>★立春のピアノの弦のすべてが鳴る/高橋正子
春を迎える日の窓に聞こえてくるピアノ曲の軽やかな旋律を想像いたします。音階を緩急自在に走りゆき、和音をのびやかに膨らませて、すべての弦がふるえ響き、春到来を喜んでいるようです。(小西 宏)

○今日の俳句
枝ゆらし光ゆらして春の鳥/小西 宏
枝に止まった鳥が、枝移りをするのか枝が揺れる。それを見ていると、光も揺らしているのだ。枝を張る陽光に満ちた木、枝移りする鳥が、なんと早春らしいことよ。(高橋正子)

○立春
★立春の米こぼれをり葛西橋/石田波郷
★立春の海よりの風海見えず/桂 信子

★立春の夜道どこからか水の匂い/高橋信之(昭和四十八年作)
「立春」と聞くと、それだけで気持ちがほぐれる。厳しい冬の寒さと別れ、いよいよ春になる。夜道を歩けば、どこからか水の匂いがする。小川の流れか、水はいち早く温み始めたのだろう。夜道の暗さに水の匂いが春のはなやぎのように感じられる。(高橋正子)

陰暦では、1年360日を二十四気七十二候に分けたが、立春はその二十四気の一つで、陽暦では2月4日か5日、節分の翌日に当たる。節分は冬の季語となっている。節分を境に翌日は春となる。あくまでも暦の上だが、この切り替えがまた、人の心の切り替えにも役立って、立春と聞くと見るもの聞くものが艶めいて感じられる。冬木もいよいよ芽を動かすのだろうと思う。寒禽と呼ばれていた鳥も鳴き声がかわいらしく聞こえる。

★立春の朝は襖の白に明け/高橋正子
★立春の朝のデージー鉢いっぱい/高橋句美子

◇生活する花たち「草苺の花・著莪(しゃが)・姫林檎の花」(横浜日吉本町)

2月3日(土)

★節分寺裏山までも清められ   正子
季節の節目、特に冬を送って春を迎える節分は気分が新たになります。節分にあたり、寺域を清められたお寺の清々しいたたずまいが目に浮かびます。 (多田有花)

○今日の俳句
朝霜に木を切る音の響きおり/多田有花
朝の霜がまだあるうちから、木を切る仕事が始まっている。霜に響く木を切る音が力強い。(高橋正子)

●節分豆を用意した。これまでずっと豆まきはしてきた。今年は撒く気がしない。で、撒かなかった。

○柊挿す(ひいらぎさす)・柊鰯

[柊/横浜日吉本町]               [柊鰯/ネットより]

2月2日(金)

★枯木立星のあおさに揺れもせず   正子
冬になって、葉がことごとく落ちつくした落葉樹の群落の枯木立は真冬の厳しい夜の寒さにも負けず凛として立ちつくしている。雄々しい素敵な景ですね。(小口泰與)

○今日の俳句
群れ起つや羽音厳しき寒雀/小口泰與
小さい雀だが、一斉に群れて飛び立つときは、体に似合わないほどの音を立てる。「羽音厳しき」は、厳しい寒さのときだけに、強い実感となって一句となった。(高橋正子)

○老鴉柿(ロウヤガキ)

[老鴉柿/東京・小石川植物園(2013年1月20日)]

2月1日(木)

★大寒の真青な空の実栴檀   正子
空は青空、そこに栴檀の実が高く沢山の実を付け残っている。大寒の空にも栴檀の実をみつけた楽しさ。 (祝恵子)

○今日の俳句
賑わいの境内冬芽あちこちに/祝恵子
賑わいは、前掲句「境内に人の溢れて初弘法」から初弘法と知れるが、そうした境内の賑わいの中に、冬芽もあちこちの木に育っている。冬芽も賑わいのひとつである。(高橋正子)

○立寒椿

[立寒椿/大船フラワーセンター]

1月31日(水)

 鎌倉・報国寺
★竹林に踏み入るところ冬椿   正子
冬の竹林は冷え切っている。そんな中へ入った時見つけた椿の紅。そういえば田舎の竹やぶにもあった風景。なんだか近づいてくる春の足音を聴くような句である。(古田敬二)

○今日の俳句
やや白く割れて万朶の梅つぼみ/古田敬二
寒中の寒さに堪えて咲く梅であるが、咲く兆しが見えると非常に嬉しい。白梅の蕾に白が認められる。しかも万朶の蕾に。待春の気持ちが明るくてよい。(高橋正子)

○寒牡丹

[寒牡丹/鎌倉・鶴岡八幡宮]

1月30日(火)

★竹林に踏み入るところ冬椿  正子
鎌倉の竹寺ともいわれる報国寺。見事な孟宗竹の竹林に入ろうとした時、凛と咲く冬椿との嬉しい出会い。寺苑の澄んだ空気の中、竹林との対比も鮮やかに、心洗われるような美しさの冬椿です。思いがけない冬椿の彩りは、深閑とした竹林を前に、ふと心和らぐあたたかさも感じられます。(藤田洋子)

○今日の俳句
葦原の枯れ尽くしても水の上/藤田洋子
「枯れ尽くしても水の上」は、意表をついて、新しい発見。蓮や菖蒲などは、枯れると茎や葉が折れて水に浸かってしまう。葦原の葦は、枯れながらもまっすぐに立ち、水には影を落とすのみ。なるほど、枯れ尽くしても水の上ある。(高橋正子)

○飯桐の実(いいぎりの実)

[飯桐の実/東京白金台・国立自然教育園]

1月29日(月)

font size=”3″>★あたらしき薪を傍積み暖炉燃ゆ   正子
暖炉の中の薪の炎がゆらゆらと燃え盛り、ほっこりとした優しい暖かさに包まれています。傍には新しく用意された薪も積まれ、一層何とも心豊かな安らぎを感じます。 (佃 康水)

○今日の俳句
満潮へ鴨の二陣の広く浮く/佃 康水
満ちて来る潮に向かって、二陣の鴨の群れが広がり浮かんでいる。豊かな潮と浮き広がる鴨の群れが色彩的にもよい風景である。(高橋正子)

○笑顔(はるさざんか)

[笑顔/大船フラワーセンター]

1月28日(日)

★クロッカス塊り咲けば日が集う   正子

○今日の俳句
汽笛鳴るフェリーの後にゆりかもめ/高橋秀之
フェリーが汽笛を鳴らし港を出てゆく、その後を追って、真白なゆりかもめが飛んでゆく。ゆっくりとした明るい景色がよい。(高橋正子)

○楓の実(楓の種)

[楓の実(冬枯れ)/横浜・四季の森公園(2012年1月26日)]_[楓の花/横浜日吉(2011年4月13日)]

★花楓こまかこぼるる又こまか/皆吉爽雨
★苔あをし更に影置く若楓/水原秋櫻子
★沼楓色さす水の古りにけり/臼田亜浪
★花楓日の行く所はなやかに/小野房子
★通行手形持たずに通る花楓/御崎敏江
★池の面に梢ひろごる楓の実/加藤暢一
★楓の実みどりの風に乗る構へ/桐一葉
★楓の実寒禽の胸見えており/高橋正子

楓の実は、楓の花が咲くからこそ付けるものであるが、楓の花も、楓の実も見過ごされがちではないだろうか。若葉の色の中に紅暗色の小さな花をつける。若葉と花の色の対比が美しい。その実は、プロペラのようで、これもまた可愛らしい。落ちるときを目撃したことはないが、くるくる回りながら落ちるなら、まるで竹とんぼではないか。

カエデ(槭、槭樹、楓)とはカエデ科カエデ属 (Acer) の木の総称。モミジ(紅葉、椛)とも呼ばれるが、その場合は様々な樹木の紅葉を総称している場合もある。主に童、謡などで愛でられるものはそれである。赤・黄・緑など様々な色合いを持つ為、童謡では色を錦と表現している。日本のカエデとして代表されるのは、イロハモミジ (A. palmatum) である。福島県以南の山野に自生しているほか、古くから栽培も行われている。園芸種として複数の栽培品種があり、葉が緑色から赤に紅葉するものや最初から紫色に近い葉を持ったものもある。一般に高木になる。落葉樹が多く落葉広葉樹林の主要構成種であるが、沖縄に自生するクスノハカエデのように常緑樹もある。葉は対生し、葉の形は掌状に切れ込んだものが多く、カエデの名称もこれに由来する。しかし、三出複葉(メグスリノキ)や単葉(ヒトツバカエデ、チドリノキ、クスノハカエデ)のものもある。花は風媒花で、花弁は目立たなく小さい。果実は二つの種子が密着した姿で、それぞれから翼が伸びる翼果である。脱落するときは翼があるので、風に乗ってくるくる回って落ちる。

◇生活する花たち「寒牡丹」(鎌倉・鶴岡八幡宮)

1月27日(土)

 早稲田大学
★枝打ちの銀杏冬芽が地に弾み  正子
一種の間引きなのでしょうか。春に備えて梢を揃え、強く育つようにと枝打ちするのでしょう。落とされた枝にも冬芽が並んでいます。みな将に春の芽に育たんと密かに力を溜めていました。そんな姿を「地に弾み」とあえて明るく詠われました。頭上には未来を託された芽が空に輝いています。(小西 宏)

○今日の俳句
波近き風自在なり冬鴎/小西 宏
鴎が波に低く飛ぶ。風は自在に波をあそばせ 鴎をあそばせている。こんな渚の風景は屈託がなく楽しい。(高橋正子)

○栴檀の実(せんだんのみ)

[栴檀の実/横浜日吉本町]