3月29日(土)

★若きらへ菜の花サラダ色淡し  正子
お若い方たちのためにお出しする、菜の花のサラダ。色どりも春らしい季節の一品で、できればレシピを教えていただきたいようなサラダです。(小川和子)

※菜の花サラダ:菜の花をゆでて、氷水に入れ、しゃっきりさせます。そのあと水気をしぼって、3センチぐらいに切ってほぐしたカニかまぼこと混ぜ、昆布ぽんずで和えてできあがり。色どりもきれいで簡単です。お試しください。

○今日の俳句
春耕のまだ始まらぬ田の広き/小川和子
裏作やあるいは冬の間手入れをしないでいた田畑は、だだっ広く思える。しかし、耕しが始まるころになると、田畑も息づいてくる。その広さを感じとったのがよい。(高橋正子)

○李(すもも)の花

[李の花/横浜日吉本町(左:2014年3月28日・右:2010年3月18日)]

★咲きすてし片山里の李かな/高濱虚子
★雪ふりて又新暖の花すもも/飯田蛇笏
★花すもも産湯の井戸の水濁る/角川源義
★山国に咲きて李よ雲まとふ/大野林火
★まづ隠す李の花や雲行きて/水原秋櫻子

 スモモ(李、酢桃、学名:Prunus salicina)はバラ科サクラ属の落葉小高木。また、その果実のこと。中国原産。
 スモモの果実はモモに比べて酸味が強いことが、和名の由来となっている。漢字では「李」とも書かれる。英語では「prune(プルーン)」、「plum(プラム)」などと呼ばれる(ただしウメも「プラム」と呼ばれることがある)。地域によっては、ハダンキョウあるいはハタンキョウ(巴旦杏)とも呼ばれるが、同じく巴旦杏と呼ばれるアーモンドとは別種である。古くから日本に伝わっており、和歌などにも詠まれる。農園で栽培される他、自生しているものもある。
 花期は初春で白い花が咲く。花芽分化は7 – 8月頃。果実はスモモ系は6月下旬から8月中旬、プルーンの系統は9月頃収穫できる。果実は紅や黄色、果肉は淡黄色や紅色など品種によって異なる。代表的な品種としては「大石早生」、「ソルダム」、「サンタローザ」、「メスレー」、「太陽」など。比較的新しい品種では「紫峰」、「月光」、「貴陽」、「秋姫」、「いくみ」などがあり、これらの品種は従来種より糖度が高く、生食用に品種改良されている。葉が紅色のハリウッドは受粉樹に向く。スモモは自分の花粉では結実しにくい自家不和合性なのでほとんどの品種で受粉樹が必要である。日本での主産地は山梨県など。
 桃とは異なる種で、同じバラ科サクラ属の梅、杏、桃の花粉を利用して人工授粉させることができる。長果枝は開花しても結実しにくいので、中短果枝および花束状短果枝を出させる剪定を冬季に行う。開花期に霜に当たると、不完全花となり結実しないため、開花時期に晩霜に遭わない地域が適する。成木なのに収量が少ないのは受粉樹が近くにない・受粉樹との相性が悪い・低温晩霜に当たったのが原因と考えられる。発芽する前に石灰硫黄合剤を散布して葉や果実が膨れ上がるふくろみ病を防ぐ。アブラムシ・カイガラムシ・イラガ等がつく。

◇生活する花たち「犬ふぐり・たらの芽・桜」(横浜日吉本町)

3月29日

●迫田和代
真っ直ぐな道を歩きつ虎杖を★★★★
まっすぐな道には虎杖などないと思うけれども、土手があれば虎杖が見つかる。こんな収穫は幼きころの思い出もあって、うれしいものだ。(高橋正子)

立ち止り摘み草をして又歩く★★★
さよならは又会う言葉大声で★★★

●小口泰與
花水木ジャズの流るる街の角★★★★
花水木は洒落た花で、ジャズの流れる街角が似合う。それも、そんなに新しい街でないところがいい。

紅梅や下仁田在の風やわし★★★
体調を崩すは何時も木の芽時★★★

●多田有花
人々の暮らしの中に桜咲く★★★★
たしかに、桜は人々の暮らしのなかに咲いている。農小屋の傍らに見事な桜があったり、民家の裏手にあったりと。人々はいつからか桜を身近な、暮らしの中の花として楽しんでいる。(高橋正子)

はくれんに真昼の日輪やや暑き★★★
山桜近しく寄れば真白き花★★★

●古田敬二
春光へ青鷺ゆっくり首伸ばす★★★
初燕孫に背丈を追い越され★★★
水温む水底魚影のこくなりぬ★★★★