●小口泰與
寒暁や水面見つむる二羽の鴨★★★
我影の百頭身の冬田かな★★★
大沼の水の器も氷けり★★★★
大沼全体が氷った様子を「水の器」と見たところに発見がある。(高橋正子)
●祝恵子
ふるさとの七草パック見つけくる★★★★
最近は七草もスーパーでパック詰めにされたのが売られている。図らずも故郷の七草のパックが売られている。故郷の野に七草を摘んだ思いだ。(高橋正子)
夫起きる前に七草水を切る★★★
ブロッコリー初採の鋏に手ごたえ★★★
●河野啓一
山茶花の散りつつ咲きに咲き続け★★★★
山茶花の花期は長く初冬から咲き始め、寒中もまだまだ。散る花も多いが咲く花も多い。冬を明るく、楽しくさせてくれる花だ。(高橋正子)
朝の陽に二羽の鵯来て止まり★★★
初詣テレビに代えて寝正月★★★
●桑本栄太郎
<全国都道府県対抗女子駅伝>
寒晴れの都大路や女子駅伝★★★
<平成26年成人式>
口紅のどこか稚なく今日成人★★★
<桂川>
水鳥の飛沫(しぶき)耀き今着水★★★★
●小西 宏
工場のけむり海ゆく凍ての朝★★★
成人の日や駅に待つ古き友★★★
踏み石に触れる葉牡丹縮む白★★★