1月13日

●小口泰與
寒暁や水面見つむる二羽の鴨★★★
我影の百頭身の冬田かな★★★

大沼の水の器も氷けり★★★★
大沼全体が氷った様子を「水の器」と見たところに発見がある。(高橋正子)

●祝恵子
ふるさとの七草パック見つけくる★★★★
最近は七草もスーパーでパック詰めにされたのが売られている。図らずも故郷の七草のパックが売られている。故郷の野に七草を摘んだ思いだ。(高橋正子)

夫起きる前に七草水を切る★★★
ブロッコリー初採の鋏に手ごたえ★★★

●河野啓一
山茶花の散りつつ咲きに咲き続け★★★★
山茶花の花期は長く初冬から咲き始め、寒中もまだまだ。散る花も多いが咲く花も多い。冬を明るく、楽しくさせてくれる花だ。(高橋正子)

朝の陽に二羽の鵯来て止まり★★★
初詣テレビに代えて寝正月★★★

●桑本栄太郎
<全国都道府県対抗女子駅伝>
寒晴れの都大路や女子駅伝★★★
<平成26年成人式>
口紅のどこか稚なく今日成人★★★
<桂川>
水鳥の飛沫(しぶき)耀き今着水★★★★

●小西 宏
工場のけむり海ゆく凍ての朝★★★
成人の日や駅に待つ古き友★★★
踏み石に触れる葉牡丹縮む白★★★

1月13日(月)

★正月の山の落葉のかく深し   正子
自然の移ろいは確かです。すっかり葉を落とした正月の山に足を踏み入れ、その落葉の嵩の深さにおどろかれたのでしょう。同時に新しい年への息吹も感じられたのではないでしょうか。(小川和子)

○今日の俳句
古里は雪に雪積む日々らしも/小川和子
和子さんの故郷は北国と聞いている。雪が積んだ上にさらに雪が降り積もる。そのことを知って、故郷で過ごした懐かしく思い起した。「らしも」にその気持ちがでている。(高橋正子)

○寒桜

[寒桜/神奈川・大原植物園]

寒桜は、薔薇(ばら)科。学名Prunus × kanzakura、Prunus : サクラ属 kanzakura : カンザクラ Prunus(プラナス)は、ラテン古名の
 「plum(すもも)」が語源。
・咲き始めるのは桜のなかでは早い方。1月頃から咲くものもある。大島桜と寒緋桜(かんひざくら)との雑種。ピンク色の花びらがいっぱい。
寒桜の仲間には「大寒桜(おおかんざくら)」や、伊豆半島に咲く、「修善寺桜(しゅぜんじざくら)」「河津桜(かわづざくら)」などがある。

◇生活する花たち「冬椿・冬の梨園・冬田」(横浜市緑区北八朔)